知っておきたい高齢者の食事講座

vol.3 名古屋市
「なごや介護予防・認知症予防プログラム」で
要介護予備軍の健康の維持改善を推進

「自治体の食事支援の取り組みについて」の第3回は、名古屋市の取り組みを紹介します。
名古屋市では、介護予防・生活支援総合事業の開始に当たり、独自に栄養改善指導も盛り込んだ「なごや介護予防・認知症予防プログラム」を開発。ミニデイ型通所サービス(以下、「ミニデイ型」)で実施しています。
今回は、名古屋市の栄養改善の取り組みやこのプログラムについて、名古屋市健康福祉局高齢福祉部地域ケア推進課主査の福田嘉彦さんに伺いました。

市内16区で低栄養予防等の栄養改善の取り組みを実施

名古屋市では、高齢者に健康的な暮らしをできるだけ長く続けていただくために、市内16の各区にある保健所が中心になって介護予防や健康づくりに取り組んでいます。その一つは、保健所主催の「いきいき教室」です。これは、認知症予防や栄養・口腔分野に関する介護予防の教室・講演会を開催するものです。名古屋市が介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)を開始した、2016年6月から取り組んでいます。

開催の仕方としては、拠点型と出張型の2つのタイプがあります。拠点型は、保健所等での講座に来てもらうタイプ。出張型は、地域の介護予防活動を推進するために地域に こちらから出向いて開催するタイプです。保健所の栄養士や保健師が出向いて、栄養や健康づくりにまつわる話をするわけです。

取り組み内容は区ごとに違うのですが、昨年度の介護予防の取り組みでは、栄養分野について16区全てで延べ201回開催しました。低栄養予防、栄養改善についての取り組みです。区によっては講義形式の教室だけでなく、料理教室を開催しているところもあります。中には男性向けの料理教室もありますね。この取り組みは、総合事業のうち、65歳以上なら誰でも利用できる一般介護予防事業として行っています。今年度は、さらにブラッシュアップし、開催回数も増やして取り組んでいます。

要支援者等を対象とした名古屋市の通所サービスは3種類を用意

一方、要支援1,2の方といわゆる事業対象者(※1)が利用できる「介護予防・生活支援サービス」では、訪問サービス、通所サービス、そして、生活支援サービスとして配食サービスを行っています。

通所サービスは、名古屋市では介護予防給付の従来型サービスの「予防専門型通所サービス」(以下、「予防専門型」)、名古屋独自のプログラムで運営している「ミニデイ型」、トレーニング中心の「運動型通所サービス」(以下、「運動型」)を用意しています。このうち、「運動型」は短期集中サービスに位置づけて、利用期間を原則6ヶ月間としています。ここで、その方に合った1回1時間から1時間半程度のトレーニングを行い、足腰の筋力アップなど状態改善を図るわけです。6ヶ月の期間終了後は、地域で活動しながら介護予防に取り組んでもらうことを想定しています。

(※1)事業対象者…心身の状態を確認する「基本チェックリスト」によって、「介護予防・生活支援サービス事業」の対象に該当した第1号被保険者のこと。

「ミニデイ型」通所では名古屋市独自開発のプログラムを実施

一方、「ミニデイ型」では、名古屋市独自の「なごや介護予防・認知症予防プログラム(※以下、プログラム)」によって、心と体の健康の維持・改善を目指しています。プログラムは、総合事業の開始に向けて、学識経験者と介護予防の各分野の専門家で検討を重ねて策定したものです。このプログラムでは、週1回、3ヶ月間を2クール、つまり6ヶ月間通ってもらいます。運動機能、認知機能向上の効果については、2015年度に実施したモデル事業のデータ分析から、一部、その有効性が明らかにされています。栄養については、摂取品目が増えるなどの効果が見られました。

プログラムの内容は、ウォーミングアップから始まって、体力測定等、アセスメントを行い、運動と計算やじゃんけんなどの認知課題を組み合わせて行う活動に取り組みます。そのほか、栄養バランスや簡単な調理法について学んだり、口の体操で口腔機能を高めたり、心と体の両方に働きかけるプログラムとなっています。プログラムを開発できたのは、隣接する大府市にある国立長寿医療研究センターの協力を得られたことが大きいですね。研究センターでは、認知症予防の各種取り組みの開発・普及を進めていますから、実効性のあるプログラムの開発等、様々な面で支援してもらっています。

プログラムを導入するに当たっては、実施の手順のほか、アセスメントシートやプログラムで使用するシート、記録用紙などを実施順にまとめたマニュアルを作成しました。事業者の指定では、プログラムの実施手順ついての研修の受講を条件としています。これにより、プログラムをしっかり実施できる体制を整えています。

福田 嘉彦氏

福田 嘉彦氏

名古屋市健康福祉局高齢福祉部地域ケア推進課主査

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