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おむつ実践講座 症状別の尿もれ対策方法をご紹介します。

退院後の体調が不安定で夜間の尿もれにお悩みのKさん

対象者のプロフィール

【Kさん/86歳/男性/要介護2/56kg/北海道札幌市在住】
Kさんは、83歳の奥様と2人暮らし。軽症の脳梗塞で入院し、2カ月で退院。後遺症はないものの、筋力が衰え、自立歩行が困難。室内の移動には奥様が付き添っており、日中はヘルパーさんがサポートに訪れています。座位はとれるので昼間はパンツタイプのおむつを使用していますが、1人でパンツの上げ下げは無理なのでヘルパーさんや奥様が介助します。夜間は厚型パンツタイプのおむつに長時間用の尿とりパッドを当てていますが、奥様が朝、おむつ交換をする際に尿もれがひどく背中まで濡れています。夜間の尿もれは仕方ないことと思いつつ、高齢で小柄な奥様は体力的な負担に悩んでいました。Kさん宅を訪問した民生委員さんに相談したところ、商品を購入したことがない人でも無料で利用できる 「花王・リリーフふれあいダイヤル」 への相談をすすめられました。

相談内容

■体調が不安定で1日中寝ている日もあれば、早朝から1人で起き上がろうとする日もあり目が離せない
■体調の不調と尿もれの不快感で寝不足気味のためか、怒りっぽくなった
■高齢で小柄な奥様には、ベッドでパンツタイプのおむつを下ろし、尿とりパッドを交換するのは体力的にきついので負担を減らしたい
■尿もれのニオイが気になり、食欲が失せるなど、日常生活に支障を来たしている
■尿もれを防ぐ方法がわからず、介護に疲れきってしまった奥様は、自分が倒れそうだと落ち込み、衰弱されているご様子

助言内容・対応方法とその結果

メンタル面のケア

退院後、間もない方の介護は、身体的にも精神的にも状態に波があり、介護者も気疲れが多くなります。Kさんの場合は、夜間の尿もれが要因で不機嫌となることも多く、体力的な問題以外にも奥様の大きなストレスになっています。また、高齢者世帯の老老介護は、ご本人も介護者も介護一色の閉鎖的な毎日になりがちです。特に排泄は1日1回で済むことではありませんから、介護者は緊張の解ける暇がなく、共倒れが心配されます。老老介護における排泄ケアは、ご本人の身体状況や生活パターンに適していることはもちろんですが、介護者にとって負担が少なく、継続に支障がないことがポイントです。

身体状況の確認

脳梗塞の後遺症はないものの、筋力が衰え、自立歩行が困難。室内の移動には奥様が付き添っており、日中はヘルパーさんがサポートに訪れています。座位はとれるので昼間はパンツタイプのおむつを使用していますが、1人でパンツの上げ下げは無理なのでヘルパーさんや奥様が介助します。

アドバイスと対応

不安定な体調に応じて、パンツタイプ、テープ式タイプと、異なるタイプのおむつを1枚で使い分けできる 「2wayタイプ」 のおむつをおすすめしました。2wayタイプのおむつは、体調がよく動ける日は、パンツとして使用でき、体調が優れず、日中でも横になる時間が多い日や夜間は、おむつのミシン目を切り開いてテープを引き出せばテープ式として使い分けることができます。また、2wayタイプのおむつ単体使用でも6回の尿を吸収すること、高さ9㎝のギャザーがついているので寝ている時の横もれを防ぐことが可能です。尿とりパッドの交換は、2wayタイプのおむつなら、前が開くので楽に行え、交換後は、ミシン目を合わせてテープで止めれば元の形に戻せるので、再びパンツタイプとして上げ下げして使用できます。パンツタイプとテープ式のおむつをそれぞれ購入する必要もないので経済的です。おむつと尿とりパッドには、銀の成分が含まれ、抗菌消臭効果があります。これらのご相談内容とアドバイスをまとめた冊子 「アドバイスブック」 を作成し、サンプル製品・製品カタログとともにお送りしました。

結果

後日、奥様からリリーフふれあいダイヤルにご連絡がありました。 「2wayタイプの形態のおむつは初めて使ったが、主人の体調に合わせてパンツ、テープ式と臨機応変に使えてとても便利。大変だった尿とりパッドの交換は、おむつの前を開いてすると難なくできて人に教えたくなるくらい。尿もれがなく、ぐっすり眠れるせいか主人も精神的に落ち着いて、むやみに私を呼ぶこともなくなった。先日はケアマネジャーさんと相談してデイサービスに行くことが決まったが、2wayタイプのおむつならはき替えなくていいので助かる。主人の回復ぶりやデイサービス利用で私自身も気持ちに余裕ができ、大らかになった。以前はおむつのニオイを気にして主人の近くで物を食べることに抵抗があったが、今では2人並んでテレビを見ながら、おやつを食べるほど気にならない。良いおむつを教えてもらったおかげで、老老介護を続けて行く自信がついた」 と、元気のよい声でお電話をいただきました。

ケアマネジャーの皆さんへのワンポイントアドバイス

介護の負担は、介護度が重度であるほど深刻にとらえがちですが、介護者にとっては、軽度・重度の差は関係なく精一杯のことをしています。しかし、周囲からは“退院できたなら”“家で世話ができる程度なら”と見られ、深刻な介護の現状に気づいてもらえないこともあります。また、お年を召した方が介護される場合、心の中では感謝していても介護者にお礼の言葉を口にすることは少ないようです。ケアマネジャーさんは、介護者の負担に十分な理解を示して、思いつめた心を解きほぐしてあげてください。

排泄ケアは単なるおむつ選びではありませんが、ご本人や介護者に適切な排泄アドバイスを提案するためには、豊富な製品知識が必要なことも事実です。メーカー側はご本人にとってより快適で、介護者の負担を軽減する商品の改良、開発を重ねています。日進月歩で、機能、形状、用途と細分化していくおむつの情報を、多忙なケアマネジャーさんがすべて把握するのは困難です。そこで、簡単かつスピーディに最新のおむつ情報を入手するため、無料サンプルや相談窓口の活用をおすすめします。メーカーもケアマネジャーさんと協働しながら、今後も排泄トラブルの解決に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えています。

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