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ケアタウン総合研究所・高室代表の現場のためのマネジメント講座 ケアタウン総合研究所・高室代表の現場のためのマネジメント講座

VOL.1ケアマネにこそ不可欠、働き方改革

2019/04/24 配信

あらゆる業界が本気で取り組まなければならなくなった働き方改革。ケアタウン総合研究所の高室成幸代表は、「介護業界、とりわけケアマネジャーこそ、一刻も早く働き方を変えなければならない。仕事と家庭、自分の時間のバランスを取りつつ、3~5年先を見定めた未来志向で改革を進めるべきです」と指摘します。高室代表に今のケアマネの働き方の課題や、改革を実現するためのポイントなどを紹介してもらいました。

当初の10年間は業務へのマネジメント意識が少なく、「行き当たりばったり」なケアマネが多かった

ケアマネさんは忙しい。介護や医療の現場で働く人なら、誰でも知っている常識です。実際に、ケアマネさんの働きぶりを見ると本当に忙しい様子が伝わってきます。

制度開始3年目の頃から、私はいつも疑問に感じていることがありました。ケアマネになったばかりの人も、3年目になりそろそろ仕事に慣れているはずの人も、同じようなことで同じように「忙しい」と嘆いていたのです。

あまりに不思議だったので、ケアマネさんに日々の業務の段取りを詳しく取材をしてみたことがありました。すると仕事に十分に慣れているはずのケアマネさんでも、訪問先や訪問の時間を当日になって決めるのが普通であることがわかりました。

ちょっと強い言葉を使うなら、業務に慣れてきたはずのケアマネさんでも、「行き当たりばったり」の姿勢で、日々の業務に取り組んでいたわけです。

「行き当たりばったり」ということは、その時、その日のうちに何とかしなければならないということ。それだけに、業務中はひどく忙しいし、緊張も強いられます。

ただ、こうした忙しさは、業務を適切にマネジメントできれば、すぐに解消できます。例えば、「前の週の金曜日には、次の週にどこに行くかを決めておく」とか、「来月、モニタリングの終わりに、翌月の訪問の日時を決めておく」とか、ちょっとした段取りをつけるだけで先々の予定が明確になり、ずいぶんと落ち着いて業務をこなせることになります。

業務のマネジメントは、他の業界では当たり前に行われていることです。ところがケアマネさんを初めとした介護の業界では、かなり普及した感はありますが、課題はまだまだあります。

つまり、業務のマネジメント意識と取り組みが定着していないことこそが、ケアマネのみなさんの忙しさを生む主な原因と言えるのです。

ケアマネジメントと業務のマネジメントの違い

それにしても、なぜ、ケアマネの仕事で、業務のマネジメント意識と取り組みが定着しないのでしょうか―。その点に着目して現場のケアマネのみなさんにヒアリングしてみたところ、あることに気づきました。

他業種の人材と比べると、ケアマネのみなさんの中に、業務のマネジメントを体験・体得している人が少ないという事実です。

そういうと、「私はご利用者のケアマネジメントはできている!だからマネジメントは大丈夫」なんて、誤解する人がいるかもしれません。

あえて説明しますが、利用者へのアセスメントやプランニング、月々のモニタリングなどのケアマネジメント業務は、相談支援という「直接援助」です。一方、サービス事業所や医療チームとの調整業務や日々の連携業務は「間接業務」であり、まったくの別物です。

もっともケアマネのみなさんが業務のマネジメントを体験・体得できていないことは、やむを得ない側面もあります。ケアマネジャーになる前職である介護福祉士やヘルパー、そして看護師にしても、マネジメントのスキルがほとんど求められないからです。実際、介護福祉士や看護師の仕事の多くは、「受けた指示を素早く正確にこなす」ことこそ求められますが、先を見据えた業務のマネジメントやチームをまとめるマネジメントスキルはあまり必要とされません。

さらに他の業界であれば、業務マネジメントの経験がない人がいたとしても、職場の上司から指示やアドアイスを得られますし、管理職となればマネジメントの研修が、かなり丁寧に行われます。ところが、ケアマネは誕生してわずか18年。しかも事業所のほとんどが2~5人の小所帯ですから、チームをまとめるより「仲良くやる」ことが重視されがちです。

私がお会いしたなかで「このケアマネジャーさんは仕事ができるぞ」と思う方にお話をうかがうと、他業界経験者で、ばっちりマネジメントを経験してきた人が結構いらっしゃいました、他業界ではなくても、生活相談員や生活支援員、訪問看護ステーションの管理者経験者もいらっしゃいました。

もちろん、他業界でマネジメントを経験した人でも、ケアマネジメントの仕事の本質を理解していなければ、その仕事ぶりは「利用者本位」より「事業者本位」「ケアマネ本位」となりがちですから注意が必要です。

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高室成幸(たかむろ・しげゆき)

高室成幸(たかむろ・しげゆき)
ケアタウン総合研究所代表。日本福祉大社会福祉学部卒。「地域包括ケアシステム構築と新しい福祉の人材育成」を掲げ、介護支援専門員、主任介護支援専門員、地域包括支援センター職員、施設の管理職、民生児童委員らを対象とした研修会で講師を務める。「わかりやすく、元気が湧いてくる講師」として知られる。
研修のテーマはケアマネジメント、介護予防ケアマネジメント、地域ケア会議、ケアプラン点検、ケアプラン作成にはじまり、メンタルマネジメント、施設マネジメントまで幅広い。著書に「新・ケアマネジメントの仕事術」 (中央法規刊)、「ケアマネ育成指導者用講義テキスト」(日総研刊)、「地域ケア会議コーディネートブック」(第一法規刊)、「本人を動機づける介護予防プラン作成ガイド」(日総研刊)、「ケアマネジャーの質問力」(中央法規刊)など著書多数。
公式サイト:ケアタウン総合研究所

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