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VOL.9どうすればいい?ケアマネの事務処理軽減

2018/09/21 配信

今さら言うまでもないことだが、ケアマネジャーの本業は、利用者の相談を受け止めた上でアセスメントをしたり、明らかになった課題を解決するためにサービスを調整したり、モニタリングをしたりすることだ。多くのケアマネは、この点にやりがいを見出し、厳しい試験を乗り越えてきたはずだ。

ケアマネ最大の悩みは「事務処理負担」

しかし、現実はどうだろう。

多くのケアマネは、利用者やその家族と向き合うより、パソコンをにらみ、書類と格闘している時間の方が長いのではなかろうか。実際、社会保障審議会介護給付費分科会の資料でも、一般的な居宅介護支援事業所にとっての最大の悩みは事務処理負担であるとするデータが示されている。

高い志を抱き、苦労してケアマネになったものの、実際は事務処理に追われる日々。利用者の話を聞いて的確なサービス調整に費やす時間はごく僅かで、最低限の話を聞くために何とか月に一回だけ訪問している―。介護給付費分科会のデータなどからは、そんな現実が浮かび上がる。

特に自治体が定期的に行う「実地指導」が迫ると、記録や書類に関連した業務がますます増大する。本来、最も大切な利用者の生活は頭の片隅に追いやられ、利用者に関する記録や印鑑の有無ばかりにとらわれてしまうケアマネも少なくないはずだ。

ケアマネばかりではない。介護のあらゆる現場が、多過ぎる事務処理に悩まされている。

当面、ケアマネには関係ない国の簡素化策

国も無為無策ではない。今年10月から「介護のペーパーワーク半減」と銘打ち、介護保険事務処理の簡素化策を推し進める方針を示している。

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その主な内容は、事業所の指定申請に関する書類から以下の内容を削除することにある。
・申請者・開設者の定款、寄附行為
・事業所の管理者の経歴
・役員の氏名、生年月日、住所
・申請する事業に係る資産の状況
・申請する事業に係る各介護サービス事業費の請求に関する事項
・介護支援専門員の氏名、登録番号

つまり、今回の事務処理軽減策は、ケアマネジャー業務には全く関係ないと言ってよい。

国は事務処理軽減策の第二弾として「報酬請求事務の簡素化」などを打ち出す方針だ。具体的には、「個別サービス計画」「サービス提供記録」「介護給付費請求書」「各種加算届出関係」などの事務処理に関することが検討されている。ただし、具体的な内容は固まりきっていない。

残念ながら、ケアマネの事務負担が軽くなるような制度変更は、今後しばらくは期待できそうにない。

次ページ>>AIやICTの活用は期待されるが…

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結城 康博(ゆうき・やすひろ)
1969年、北海道生まれ。淑徳大学社会福祉学部卒、法政大学大学院修了(経済学修士、政治学博士)。介護職やケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護系の仕事に10年間従事。現在、淑徳大学教授(社会保障論、社会福祉学)。社会福祉士や介護福祉士、ケアマネジャーの資格も持つ。著書に『医療の値段―診療報酬と政治』『介護ー現場からの検証』『国民健康保険』『孤独死のリアル』『日本の介護システム―政策決定過程と現場ニーズの分析』などがある。

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