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結城教授の深掘り!介護保険 結城教授の深掘り!介護保険

VOL.15利用者や家族からのセクハラ・パワハラから、どう身を守る?

2019/03/22 配信

昨年、財務省や日大アメフト部、体操協会などから端を発したセクシャルハラスメント(セクハラ)やパワーハラスメント(パワハラ)の問題が社会全体のトピックとなった。

ただ、長年、介護業界にいる人にしてみれば、「何を今さら…」と思えるトピックだったのではないか。介護現場では、10年以上前から要介護者による介護職員へのハラスメントが顕在化していたからだ。実際、2007年に厚労省所管の外郭団体が公表した調査結果でも、1割以上の介護職員がセクハラ被害に遭っていた。

その状況は、最近になって改善するどころか、悪化しているようにすら見える。

例えば、昨年4月に公表された介護系労働組合「日本介護クラフトユニオン」による調査報告によれば、介護現場で働く者のうち約3割が介護を必要とする人やその家族にセクハラを受けた経験があるという。

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人材確保にも足かせ?ハラスメントの横行

介護現場でのハラスメントの横行は、ただでさえ貴重な介護人材を離職へと走らせる。実際、私のゼミ生であった卒業生の介護職員も、要介護者やその家族のセクハラやパワハラに耐えられず辞めてしまったケースが数件あった。

昨年、公表された厚労省所管の外郭団体調査によれば、1年間の介護職員の離職率は16.2%(16年10月1日から17年9月30日まで)と、全産業の約15%よりもかなり高かったが、この離職率の背景にも、ハラスメントの横行があるように思えてならない。

昨年5月21日、厚労省から発表されたデータによれば、団塊世代が全て75歳以上となる25年には、介護職員が約34万人不足する恐れがあるという。この深刻な状況に対応するには、財源を確保し、新たな施策を充実するだけでは足りないだろう。介護職員が働く環境の改善も不可欠だ。

具体的には、国と自治体が音頭を取り、介護を受ける側から「介護職員は支えて当然」といった感覚を払拭しなければならない。介護は「支え手」と「支えられる側」の信頼関係で成り立つという、ごく当然のことを在宅の現場に浸透させなければならない。その努力を怠り、ハラスメントが横行する現場を放置したままでは、いくら国費と保険料を突っ込んだところで、34万人もの人材を確保できるとは思えない。

ケアマネにとっても無縁ではないハラスメント

要介護者やその家族からのハラスメントは、ケアマネにも無縁ではない。権利意識の強い要介護者であれば、パワハラともいえる言動で、理不尽な要求をしてくるケースも少なくないはずだ。

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しかし、経験の浅いケアマネだと、ハラスメントに該当するような過度な要求なのか、利用者ニーズなのか、判断できずに困惑する者もいるかもしれない。

また、ハラスメントに該当する過度な主張であっても、「ケアマネであれば、ある程度は受け止めるべき」と感じる人も少なくないのではないか。

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結城 康博(ゆうき・やすひろ)
1969年、北海道生まれ。淑徳大学社会福祉学部卒、法政大学大学院修了(経済学修士、政治学博士)。介護職やケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護系の仕事に10年間従事。現在、淑徳大学教授(社会保障論、社会福祉学)。社会福祉士や介護福祉士、ケアマネジャーの資格も持つ。著書に『医療の値段―診療報酬と政治』『介護ー現場からの検証』『国民健康保険』『孤独死のリアル』『日本の介護システム―政策決定過程と現場ニーズの分析』などがある。

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