ケアマネなら知っておきたい!食事の基礎知識

今、改めて注目されている高齢者をめぐる“食事”の問題。特に在宅で介護を受ける高齢者の場合、その約7割が低栄養か低栄養になるおそれがある状態に置かれているという調査結果もあります。そして栄養状態が悪いままでは、どれだけよい介護サービスを準備しても、体の機能の改善は期待できません。
「ケアマネジメント・オンライン」では、高齢者の生活を支えるケアマネジャーにとっても、決して無視できない“食事”に関する基礎知識講座を数回に渡ってお送りします。

ケアマネなら知っておきたい!“介護食”の基礎知識

皆様の質問に平井先生が回答!

今回は読者の皆様から寄せられた質問に平井先生が答える「特別編」をお送りします。

Q1:おかゆにとろみをつける話を聞きますが、効果としておかゆにとろみをつけることは有効なのでしょうか。おかゆ自体にとろみがあると思います。おかゆの粘度にもよるでしょうがいかがでしょうか。

■おかゆにとろみは必要ないが…

おかゆをそのまま提供するのであれば、私もご質問者様と同意見です。炊き上がりから提供までの段階でおかゆの粘り気を調整すれば、とろみ剤を使う必要はないと思います。

介護食

おかゆにとろみを使う場面として考えられるのは、ブレンダー(ミキサー)で刻んで提供する時ですね。この調理器を使う場合、重湯をかなり残した状態でブレンダーにかけるのが普通ですが、時には、サラサラなおかゆができあがることも。そのため、最後にとろみ剤を追加し、粘度を調整することがあるのです。

■時間がたつと硬くなるおかゆ

そのほかに注意すべき点があるとすれば、おかゆは時間が経つと硬くなる性質がある点でしょう。米が重湯を吸うために起こる現象ですが、盛り付けから実際に食べるまでに少しタイムラグがある場合、ちょうどよい硬さで盛り付けても、食べる時には硬くなり過ぎることもあります。

特に入居者が多い特別養護老人ホームなどではこういったことが起こりやすいですね。厨房ではタイムラグを計算して提供していますが、米の品種の変更や気温の変化などが影響し、想定より硬めのおかゆが届けられてしまうことも。厨房に新人スタッフが入ったことが影響することもあります。介護の施設などで硬さや粘度が対象者様に合わずに困っている場合は、栄養管理室にご相談下さい。厨房で調整できる場合があります。

■とろみ剤より、ゼリーの素がよい場合も

ところで、ゆっくり食事を進めているうちに粘り気があったおかゆがサラサラになってしまうことがありませんか?これはおかゆの中の「でんぷん」がスプーンに残った唾液によって消化されてしまうために起こる現象です。

あまりにサラサラで危ないと思われるようなら、おかゆを小皿に分けて唾液に触れないようにしてください。これでほぼ解消されるはずです。あるいは、温かいままのおかゆをゼリー化できる「固形化補助食品」を用いて、ゼリー状にして提供するのも一案です。

私の個人的な意見としては、コストが許すのであれば、とろみ剤で硬さを調整するよりも、市販の「かゆゼリー」の素を使うことや、固形化補助食品でゼリー化することをお勧めします。特にブレンダーで刻んだおかゆは、どうしても「餅」のような粘性が出てしまいますが、ゼリー化すれば粘性が減ります。特に自宅でブレンダーにかけたおかゆを提供したい場合などには、市販の「かゆゼリー」の素を使うのがベストです。ブレンダーについてはQ4のご質問も参考になさってください。

介護食とろみ剤は水やお茶だけでなく、ジュースやみそ汁、牛乳にも活用することができる

Q2:牛乳専用のとろみ剤がありますが、普通のとろみ剤でも時間を置けば牛乳はとろみがつくのでしょうか。

■牛乳でもみそ汁でも、とろみはつく
つきます。最近のとろみ剤は品質が向上しています。過去の記事でご紹介した「ひと手間」を惜しまなければ、きれいなとろみをつけることができます。みそ汁やジュースなどでも同様です。

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管理栄養士の平井千里さん

平井千里(ひらい・ちさと)
女子栄養大学大学院(博士課程)修了。名古屋女子大学助手、一宮女子短期大学専任講師を経て大学院へ進学。「メタボリックシンドロームと遺伝子多型」について研究。博士課程終了後、介護療養型病院を経て、現職では病院栄養士業務全般と糖尿病患者の栄養相談を行うかたわら、メタボリックシンドロームの対処方法を発信。総合情報サイトAll Aboutで「管理栄養士 /実践栄養」ガイドも務める。
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