高齢者の冬の生活 3つのポイント 冬将軍に負けない身体を作ろう!

寒くなると、高齢者でなくても活動性は低下してきます。体温調節機能が低下し、身体の自由がききにくくなっている高齢者であれば尚のこと。
しかし閉じこもってばかりいると、筋力は落ち、免疫力も低下します。そんな時に起こりやすいのがサルコペニアや感染症です。この季節にしっかりケアしたい乾燥肌への対策もあわせ、冬に気をつけるべきこれらの3つのポイントについて解説します。

サルコペニアって何?

最近、しばしば耳にするようになった「サルコペニア」について、ケアマネジャーの皆さんは、どれくらい知っていますか?

「サルコペニア」とは、筋肉・骨格筋(sarx)が失われる(penia)ことによって出現する症候群を指します。1980年代末に提唱された比較的新しい概念ですが、老年医学では今や看過できない重要な領域となっています。

かつては、加齢とともに筋肉量が減少し、筋力が低下するのは、生理的な老化現象であると考えられていました。 しかし、高齢者においては、筋肉量の減少が一定レベル以上に進行すると、ふらつきや転倒、介護の重度化のリスクが高まり、場合によっては死に至ることが明らかになってきました。

また筋肉量の減少だけでなく、歩行速度や握力などの筋力に基づく機能低下が、術後や病気からの回復に関係するという報告も聞かれるようになり、サルコペニアの重要性が認識されるようになってきたのです。

サルコペニアの診断基準

サルコペニアの特徴は、進行性および全身性の筋肉・筋力量の低下です。診断には、筋肉量の低下と筋肉機能(筋力または身体能力)低下の両方の存在を認めることとされています。

(European Working Group on Sarcopenia in Older People(EWGSOP)、2010)


そのうえで、2014年になり、日本を含むアジアのサルコペニアワーキンググループが、アジア人のための診断基準を提案しました。
握力については、これまで欧州で提唱されていた基準値よりも低く設定され、より日本人の体格に即した診断基準となりました。

(Geriatrics & Gerontology International14,Suppl1:1-7,2014より作図)


ただし、サルコペニアのメカニズムはまだ十分には解明されておらず、今後の研究の進展によっては、この診断基準も見直される可能性があります。

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サルコペニア予防には、まず食事

サルコペニアの予防には、バランスのよい食事と運動が重要です。
特にタンパク質不足は筋肉量の減少に影響することから、食事や栄養補助食品でしっかりととる必要があります。
なかでも、タンパク質を構成する必須アミノ酸のうち、BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシンの3つの必須アミノ酸をまとめた呼び名)は、筋肉を作ったり、修復したりする働きがあります。
しかし、必須アミノ酸は体内で生成できないため、食事でとる必要があります。BCAAを多く含む食材としては、まぐろやかつおなど赤身の魚、レバーなど赤身の肉、卵、大豆製品、牛乳などがあります。最近ではBCAAを摂取できる栄養補助食品もありますので、上手に活用しましょう。

また、骨代謝にはビタミンDが関わっていることから、ビタミンDの摂取も重要です。

ただし、糖尿病や腎臓病などの持病のあるご利用者は、主治医や管理栄養士の定めた食事に従うよう指導してください。

サルコペニア予防には運動も重要

サルコペニア予防で最も効果的なのが運動です。筋力に負荷をかける運動<レジスタンス運動>と、全身の細胞に酸素を供給し細胞を活性化させる運動<有酸素運動>の組み合わせが、筋肉・筋力量増加には最も効果的です。

ご利用者が利用されているデイサービス、デイケア、またリハビリデイサービスのリハビリスタッフと、運動強度やサルコペニア対策について、検討されてみてはいかがでしょうか。

ただし、基礎疾患のあるご利用者は、主治医に相談のうえ開始するようにしましょう。また関節に痛みなどがある場合には、痛みの出ない程度の強度で行うようにします。

運動は継続が大切なので、できれば通所系サービスや自宅・屋内などの安全な場所を利用して、楽しく続けられるようにすることがポイントです。

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