平成28年度(第19回)介護支援専門員実務研修受講試験 解答

【解答速報】

【総評】

<総評として>

2016(平成28)年度介護支援専門員実務研修受講試験の「第19回試験」(以下、第19回試験」といいます)が、10月2日(日)に、全国一斉に実施されました。

この介護支援専門員実務研修受講試験は、例年おおむね10月の最終日曜に実施されていましたが、当該試験合格後に試験合格者が受講する実務研修の仕組み変更により、従来「任意」とされていた研修部分が「必修」に組み込まれ、その結果、研修時間の大幅増となり合格発表を早める必要が生じ、本年度試験から10月上旬の試験実施となりました。

おそらく今後も、試験日は10月上旬、あるいは9月下旬と考えておくべきでしょう。

その結果として、受験者の多くの皆様が、お仕事等をされながら受験準備の学習をされている実情にあって、ただでさえ受験準備学習時間の確保に苦労されていたところ、この「試験日の前倒し」は、更に、学習時間の捻出にご苦労されたのではないかと推察します。

さて、受験資格による受験科目一律免除の取扱いがなくなって2回目、全員が全60問を受験された「第19回試験」の所感はどうであったかと言えば、特に、介護支援分野の出題内容(構成)に大きな変化がみられたと言えるでしょう。

この試験の出題準拠とされる、(財)長寿社会開発センター「七訂 介護支援専門員基本テキスト」(以下、「七訂基本テキスト」と言います)の発売から1年以上を経て実施された「第19回試験」では、過去の出題傾向を踏まえれば、当該テキスト記載の全般につき、例年通り、総花的かつ詳細に出題される、と本書筆者は予想していました。

しかし、「第19回試験」の、特に介護支援分野では、例年出題の内容である「介護保険制度の目的等」「保険者」「被保険者」「要介護等認定」等のテキスト目次にほぼ沿った出題順云々は、ある意味で全面的に「見直され」、また、ある意味で『介護支援専門員の行うケアマネジメント』『介護支援専門員として実務研修を受講するために必要な知識・見識』に重点が置かれた出題となりました。

過去問や市販の練習問題などで受験学習されていた受験者の皆様には、今回の試験開始早々から、さぞ面喰ってしまったのではないかと想像しています

とはいえ、法文(条文の文言)からの出題とは言え、問題1は「介護保険の目的等」問題2は「介護保険法で定める定義」を問うもので、問い方は異なるものの、出題順は変わっていないとも言えます。

上述のとおり、『介護支援専門員の実務』に焦点を当てた出題と言った観点からは、「要介護等認定」と「総合事業利用の手続きとしての基本チェックリスト」(今後、予防給付の抑制に入る傾向も踏まえ)について5問、居宅介護支援、介護予防支援および施設サービス計画作成を含めた「ケアマネジメント」について6問、集中的に出題されました。

特に、介護支援専門員の行うプラン原案作成にかかるアセスメント、サービス担当者会議、モニタリング、および「医療との十分な連携」を具体化する一つのツールである「主治医意見書」に関して、運営基準に沿って詳細に出題されたことは、例年通りの制度の総覧的な受験学習をされていた方には、知識的な準備が足りなかったこともあるかと推察しますが、本試験の本質(趣旨)からみれば、ある意味「あるべき姿」とも言え、本書筆者としては歓迎する傾向と考えます。

そして、今後、給付(保険制度)と並行して重点施行される「地域支援事業」とその中心的役割を担う「地域包括支援センター」「地域包括支援センター並びに市町村の実施する地域ケア会議」に関して4問出題されたのは、おおむね予想通りと言えます。

因みに、介護支援分野では連年2~3問出題されていた「事例問題」が問題25の1問と少なかったのは意外でした。

また、後述する「保健医療福祉分野」でも散見した「介護支援専門員(および福祉の専門職)の災害時に期待される対応」に言及する出題が多かったことが、「第19回試験」の特徴と言えるでしょう。

その「保健医療福祉分野」では、まさに「七訂基本テキスト」の記述内容を踏まえて、おおむね例年通りの出題順・難易度で、出題されていたと思われます。

もちろん、この分野(問題26~問題60)でも、問題45や問題50の選択肢4、問題55の選択肢5で、災害被災時(災害被災を想定した)の介護支援専門員に求める対応について出題されたのが目立し、上述のとおり「第19回試験」の特徴と言っても過言でないと言えます。

東日本大震災から5年以上経過し、本年は熊本地震、台風による川の氾濫で引き起こされた水害など、自然災害時の高齢者(認知症高齢者を含む)・障害者への援助・支援の体制構築が、現実問題として急務であり、発生が予想される南海トラフ等地震災害に関する準備(関心喚起)も、「第19回試験」に含まれているのかとも穿ってみてしまいました。

本書筆者としては、MCI(軽度認知障害)への活用が期待される「日常生活自立支援事業」の出題は必至と予想していましたが、「第19回試験」では「成年後見制度」について出題され、「高齢者虐待防止法」(特に、養介護施設従業者の入所者等への虐待対策)の出題もなかった点で予想を外した感が否めません。

日常生活自立支援事業と成年後見制度は、それぞれが隔年出題なので、仕方ないかとも言えますが、大穴として出題予想していた「後期高齢者医療制度」に関する設問が、最後(問題60)にあったのは、「七訂基本テキスト」でわざわざページを割いて、当該制度を解説記述していたことの反映だったなと思われました。

結論として、全体的に難易度は例年並みと判定します。

「七訂基本テキスト」を所持されていないと、初めて見る用語や内容に戸惑う設問もあったと思料しますが、基本的な知識をベースに、消去法で正答を導き出すことに、それほどの苦労はなかったと推察します。

よって、本書筆者が予想する合格基準としては、介護支援分野14点/25点満点、保健医療福祉分野26点/35点満点、合計40点/60点といったところでしょうか。

出題傾向としては、「介護支援専門員の実務に沿った」今回の傾向は歓迎するところですが、果たして、次年度以降も同様かと問われれば、やはり今回出題のなかった国民健康保険団体連合会や介護サービス情報公表制度の出題は、次年度試験ではその必要性(地域支援事業の費用に係る事務の追加や給付と事業サービスの選別)に鑑み、再び出題されることは考えておくべきでしょう。

高齢社会権利擁護研究所 所長 野島 正典

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