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今こそ、“ケアマネジメント革命”を!Vol.4 岡本茂雄/株式会社シーディーアイ 代表取締役社長【後編】

2018/02/01 09:00 配信

介護保険制度の創設から、この春で丸18年を迎える。要介護者に関するデータが蓄積され、AI(人工知能)の技術開発も進む中、シーディーアイ(東京都中央区)の岡本茂雄社長は「新たなケアプラン、新たなケアマネジメントへ移行する時期ではないか」と指摘する。岡本社長が描く、「AI×介護」の未来像とは―。

前回のインタビューはこちら→「AIでケアマネジメントは進化する

ケアマネジメント革命
ケアマネジメント革命"を訴える岡本社長

―現在のケアマネに対して、どのような印象をお持ちですか。

2000年4月に介護保険制度が始まる前から、介護業界に身を置いていますが、かつては、社会全体で支え合うという発想はありませんでした。家族側の介護負担を減らすための「社会的入院」や、行政側の判断で福祉サービスを提供する「措置制度」が、高齢者介護の主流だったのです。

介護保険制度の創設によって、ケアマネが要介護者の課題を抽出して、それをアセスメントする流れができた。予防介護という考え方も入り、当時、それは世界に冠たるものでした。世界で初めて介護保険制度を導入したドイツよりも進んでいたと思います。

あれから18年の歳月が流れ、ケアマネの仕事も当然、進化しているはずです。18年分の知見がたまり、AIも進化しています。国が「自立支援」に力を入れ始めた今こそ、新たなケアプラン、新たなケアマネジメントへ移行する時期ではないでしょうか。

私は、現場のケアマネの方々に、この“革命”に参加していただきたい。新たなケアプラン、新たなケアマネジメントを一緒に発明してほしいと思っています。

―「自立支援」という言葉に対して、抵抗感を持つケアマネもいます。例えば、要介護度の改善だけで、「自立」と見なして良いのか、と。

そう考える方がいるのは自然だと思います。しかし、評論や批判を繰り返しても、物事は進化しません。その前に、ご自分で定義をつくればいい。例えば、「私の考える『自立』は、高齢者の意思で選択できるようにすることだ」と言う方がいても良いと思う。それぞれが発信して意見をぶつけ合い、議論するからこそ、良いものが生まれるのです。

この春、自立支援や重度化の予防に取り組む自治体に対して、財政上のインセンティブが導入されます。これまで専門職の哲学の中に、「成功報酬」という発想はあり得なかった。天皇陛下であっても下町の労働者であっても、最善の努力をするのが医師の職業倫理です。介護もそれは同じですが、批判するのではなく、それを活用し、どのように進化させるかを考えるべきです。

■ケアマネの仕事は無くならない

―AIの話になると、「仕事を奪われる」と危機感を持つ方がいますが、むしろ、ケアマネジメントを変革するチャンスと捉えているのですね。

そうです。ケアマネジメントを進化させる大きなチャンスだと思います。

蒸気機関の発明によって、18世紀後半に英国で産業革命が起こりました。当時のロンドンは、「工場に人が要らなくなる」「働く場所が無くなる」と大騒ぎになったそうです。では、大英帝国はどうなったか。蒸気機関によって、逆に仕事が増え、世界を席巻する労働力の源泉となった。

コンピューターの発明によって、人間の仕事が減ったかというと、減っていない。自動車の運転がAIに代わっても、人間の仕事は無くならないでしょう。単純労働が減って、仕事の中身が高度化するだけです。

もし、ケアマネジメントの仕事が無くなると心配しているケアマネがいるとしたら、無くなるわけがないと思います。100年後にどうなるかは分かりませんが、当面は、AIと人間の“ハイブリッド型”のケアマネジメントでやらざるを得ない。

―AIと介護の未来像について、どのようにお考えですか。

介護保険制度の創設時から蓄積されたノウハウを、科学的な体系に変えたいと考えています。AIのデータ分析を見ると、十分に科学的なロジックを組める。一つの学問体系に十分なり得ると思います。

学問体系があれば、「介護学の観点から見るとこうだ」と言えるようになり、ディスカッションができるようになる。そうなって初めて、サービス担当者会議が生きてくるでしょう。

岡本茂雄(おかもと・しげお)
1983年に東大医学部保健学科を卒業後、株式会社クラレに入社し、介護ショップ事業の立ち上げに従事。その後、株式会社三菱総合研究所、明治安田生命保険相互会社、セントケア・ホールディング株式会社で介護分野における新規技術の開発とその事業化に一貫して従事。2017年に株式会社シーディーアイを設立して代表取締役社長に就任。自立支援型介護の実現を目指し、ケアプランを作成する人工知能の開発・事業化に取り組んでいる

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