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新春スペシャル対談(1)イノベーター2人を迎えてついに商品化! “ケアプラン×AI元年”を振り返るVol.12 岡本茂雄/株式会社シーディーアイ 代表取締役社長 × 鹿野佑介/株式会社ウェルモ 代表取締役CEO

2019/01/11 配信

2018年は、ケアプラン作成を支援するAI(人工知能)にとって大きな節目となった。10月には、東京のベンチャー企業シーディーアイ(中央区)が日本初の商品化を発表。その1カ月前には、介護関連ベンチャーのウェルモ(福岡市)が開発したAIによる大規模な実証実験が福岡市内で始まった。人口100万人規模の政令市で初の取り組みだ。シーディーアイの岡本茂雄社長は長年、介護業界を見つめてきたまさに“生き字引”。一方、ウェルモの鹿野佑介社長は、新進気鋭の若手経営者だ。今回は、ケアマネジメント・オンラインの創始者でもある別宮圭一=当社社長=の司会で、世代が異なる2人のイノベーターに語り合ってもらった。

―お二人は初対面ですか。

鹿野:いえ、お会いしたことはあります。何年ぐらい前ですか。結構前ですよね。

岡本:鹿野さんが福岡で事業を展開されはじめた頃ですね。

鹿野:創業して6年ではありますが、岡本社長と仲良くしていただいて3、4年は経っていると思います。

岡本:部下がウェルモさんをインターネットで見つけて、「すごいことをやっている」と。何とかつながりたいと思って、私の方からフェイスブックでメッセージを送ったことがきっかけです(笑)。

鹿野:岡本さんからメッセージを頂きましたね(笑)。シーディーアイをつくられる前でした。

―お互いのAIについて、どう思っているんですか。

鹿野:一緒にご飯を食べに行った時によく話をしているのですが、やはりコンセプトが全然違いますよね。シーディーアイさんは、自立支援と将来予測、「改善」にフォーカスが当たっている。「利用者の状態を良くしたい」という思いが、岡本さんはものすごく強い。僕は、どちらかと言えば“人目線”。ケアマネの「知らない」をなくしたい、知識や経験の“不安”を減らしたいと考えています。2つのAIをハイブリッド(合体)できれば“最強”だと思います。

岡本:同じ考えです。私は医療を背景に介護分野に入ってきました。現行のアセスメントの手法を改革する視点で見ているので、ケアプランの作成を支援するというよりは、ケアマネジメントの質を上げたいと思っています。業務の効率化というよりも、ケアマネ全体の質を上げたい。現実問題として、新人もいればベテランもいるので。

重複部分は当然あると思いますが、鹿野さんが言われた通り、むしろ補完し合えるところが非常に多いシステムだろうなと。2つのAIを合わせても、価格が高くならないのであれば、ぜひ両方使ってもらいたいですね(笑)。

鹿野:価格が跳ね上がっちゃうかもしれませんね(笑)。“最強エディション”になっちゃうので。

岡本茂雄/株式会社シーディーアイ 代表取締役社長 × 鹿野佑介/株式会社ウェルモ 代表取締役CEO
対談する両社長

■潮目が変わった! ベテランCMのファンも

―2018年は、本格的なAIの実用フェーズに入ったという印象を持っています。どのような年でしたか。

岡本:商品としてではなく、「AIとはこういうものだ」という意味でのプレゼンスを発揮できた年だったと思います。ベテランの厳しいケアマネから声を掛けてもらえるようになり、その方たちがファンになってくれた。最近は、ケアマネの大きな勉強会にも呼ばれるようになったので、うれしいというか、ようやくその段階に来たかなと。以前はアンチも多かったので。

有償版のサービスの提供を始めたのは10月10日からです。お金を払っていただくと、当然ながら使ってもらえる頻度も上がる。そうなると、厳しい意見もあります。「ここを直してほしい」という細かな指摘も、本格的に頂くようになりました。いろんなタイプのユーザーが増えてきて、その意見を集約する段階に入ったと思っています。

―潮目が変わったということですね。鹿野社長はいかがですか。

鹿野:全く同感です。僕はもともと、上場企業向けに人事領域のITコンサルタントをやっていました。介護現場で8カ月間ボランティアをやっていた時に、あまりにアナログな世界を見て、「まるで昭和だ」とショックを受けた。もっと楽できるのに、ファクスの送り状などの作成に時間をかけている。こうした問題意識があって、2013年に会社を立ち上げたんです。

当時はびっくりするぐらい、IT嫌いの方が多かった。「絶対に触らない! 介護は人と人だから」みたいな。僕はずっと、「人にしかできないことがあるからこそ、それ以外は全部ITに任せた方が楽ですよ」と言い続けてきました。ところが、まさに岡本さんがおっしゃった通り、最近流れが変わってきた。

スマートフォンの普及も大きいと思います。5、6年前は、スマホを持っている人はいませんでしたから。世の中の“スマホ化”と共に、ITへの理解も進んできた中で、シーディーアイさんが「AIでケアプランを変える」と言ったのが2017年です。

うちも含め、いろんな人が声を上げ始めると、こういう流れなのかなという空気になって、「ITって意外といいよね」「AIってこんなこともできるんだ」という声が増えてくる。特に向上心の強い方、「何を使ってでも、利用者のために頑張りたい」と考えている方の力が、そうした変化につながったのだと思います。

―まさに“AI×ケアプラン元年”という位置付けでしょうか。

鹿野:まさに元年ですね。本当にそう思います。

―潮目が変わったのは、スマホの普及による影響が大きいのでしょうか。

鹿野:スマホはあくまで、基盤ですかね。弊社のような民間企業のPR、現場のITリテラシーとしての“スマホ化”、そして、介護ロボットやAIへの誘導といった国の施策、この3点が結び付いた結果、潮目が変わったんだと思います。

岡本:スマホは基盤の一つに過ぎません。今、介護現場でスマホを持っていない人はほとんどいない。会社が与えていなくても、個人では持っています。タブレット端末を使って、いろんな場所で説明会をやっていますが、悩んでいるケアマネはほとんどいません。むしろ、私が一番悩んだぐらい(笑)。現場の方は問題なく使えていますよ。

鹿野:もし5、6年前だったら、ほとんどの方が触れなかったかもしれませんね。

岡本:スマホは高度なコンピューターです。国は2012年の後ろぐらいから、「自立支援」「自立支援」と連呼してきた。地域包括ケアシステムというものに、日本の介護保険のグランドデザインを変えるんだと。介護側で大きな変革が進む中、安倍晋三首相がAIの活用に力を入れると言って、マスコミがそれを大きく取り上げた。やっぱり、マスコミの影響ってすごいですよ。

このインタビューの続きはこちら→「“ケアマネ不要論”は杞憂、「ドラえもん」は夢物語

岡本茂雄(おかもと・しげお)
1983年に東大医学部保健学科を卒業後、株式会社クラレに入社し、介護ショップ事業の立ち上げに従事。その後、株式会社三菱総合研究所、明治安田生命保険相互会社、セントケア・ホールディング株式会社で介護分野における新規技術の開発とその事業化に一貫して従事。2017年に株式会社シーディーアイを設立して代表取締役社長に就任。自立支援型介護の実現を目指し、ケアプランを作成・支援する人工知能の開発・事業化に取り組んでいる。
鹿野佑介(かの・ゆうすけ)
大阪府豊中市出身。立命館アジア太平洋大学卒業。株式会社ワークスアプリケーションズ、東証一部上場企業の人事部で、大企業向けの人的資源管理のITコンサルタント。その後、仙台から福岡まで、介護現場でのボランティアで感じた問題意識から、日本の超高齢化社会を支援すべく、2013年に株式会社ウェルモ設立。経済産業省「つながるデータで築く未来」、総務省「地域ICT利活用普及促進セミナー」、データアカデミー等多数講師を務める。

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