<セミナーレポ2>管理者は“人を辞めさせる技術”も必要


2012/12/14 12:00 配信   | 業界ニュース

11月30日に開かれた日本在宅介護協会東京支部の勉強会の後半は、「介護労務者の労使トラブルの事例や介護経営者(管理者)に必要な労働問題の基礎知識についての事例の紹介」をテーマにパネルディスカッションが行われた。

大崎ホームヘルプサービス社長の渡邊義弘氏がコーディネーターを務め、社会保険労務士法人あかつき代表の小前和男氏、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表の野崎大輔氏、中山社会保険労務士代表の中山伸雄氏の3人がパネラーとして登壇した。



以下、テーマごとに主な事例、意見を紹介する。

【採用時または採用直後に明らかになった問題について】
野崎氏「最近多いのが、うつ病など精神疾患を持っていることが発覚したというケース。また、採用時には了承していたのに、いざ働き始めると『この曜日は入れません』など条件が異なるケース、大きな借金を抱えていたというケースも。借金がある場合、利用者宅に行って問題を起こしたら大変」

中山氏「利用者宅ではなく、会社のお金を横領したというケースがあった。また、視野狭窄があることを隠していたケースも。訪問介護で車を運転していたところ、自損事故を起こし、問いただしたら視野狭窄があることが発覚。本人は『視野狭窄が原因ではない』と言い張ったものの、最終的に退職となった。車の運転が多い仕事の場合、事故歴などを含んだ運転記録証明書を出してもらうことも可能。採用時に公的書面のチェックを」

【雇用契約書・就業規則について】
中山氏「ある企業では、3カ月を超えて療養を必要とする場合は休職とすることを就業規定に定めていた。しかし、来たり来なかったり断続的だったため、問題となった。休職のルールに関しては、組織の規模に関係なく重要。休職中の社会保険などの徴収についてもルールを明記すべき。『復職後の給与から天引き』とすると、高額になる上、そのまま退職して逃げられることも。また、復職後に労働条件が低下することもあると、明記しておくといいだろう」

野崎氏「就業規則の原則は、できないことは書かない。たとえば、厚労省等が提示しているモデル就業規則では、冒頭の目的部分に『この規則に定めのない事項については、労働基準法その他の法令の定めるところによる』とある。これはわざわざ書く必要はない。努力義務も含めて、法律に則ることになる」

小前氏「服務規程は、『会社が社員にどう働いてもらいたいか』という想いを盛り込むべき。マニュアル的なことだけではなく、やってはいけないことも含め、会社の考えを入れて作成してほしい」

【テーマ4:管理者が悩む職員の対処法】
中山氏「業務の覚えが悪い、お客様からのクレームが多い、お客様に会社の不満・悪口などを言う――といった職員が問題に。特にこれからはゆとり世代も含め、いろいろな層が介護業界には入ってくるだろうから、対応の仕方もより重要になる」

野崎氏「注意・指導することが大事。というのは、『これだけ会社はやったけれど変わらなかった』という履歴を残すことが必要。すぐに退職させたいという経営者は多いが、3~6カ月かかることは覚悟してほしい。また、お客様に会社の不満や悪口を伝えることは名誉毀損になるといったことを就業規則に書いておくことも必要。就業規則と問題職員への対処法は連鎖している。管理者は、人を辞めさせる技術を身につけることも必要」

小前氏「解雇に関する問題は、労使トラブルのなかでも件数が多い問題。裁判になれば時間もかかる上、裁判期間中の賃金も払わなければいけない。さらに解雇が無効になるケースも多く、賃金に加えて6カ月前後分の“お土産”を支払うことに」

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【ケアマネジメントオンライン編集部 橋口】

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