<公開ケア会議レポ1>目論見と違った? 多職種によるケアマネジメント向上会議


2012/12/05 11:00 配信   | 行政ニュース

厚生労働省は11月28日、東京・八重洲で第1回「ケアマネジメント向上会議(公開ケア会議)」を開催した。日本総合研究所(以下、日本総研)が事務局を務めるこの会議は、「ケアマネジメント向上事業」の一環として開催されたもの。社会福祉士、保健師、看護師、管理栄養士などの資格を持つ民間企業役職者等の主任ケアマネ8名と、医師、歯科医師、薬剤師、作業療法士などの専門職、研究者、介護の現場に精通している行政職からなる全17名で構成されている。

初回の今回は、まず日本総研からこの会議設置の背景、趣旨、目的についての説明、厚生労働省からこの会議における自立支援の定義等についての説明があった。その後、新様式のケアプラン帳票を見ながら2つの具体的事例について検討と、それをもとにした議論が行われた。

今年3月から、ケアマネの養成や資格のあり方について検討する場として、「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会(以下、あり方検討会)」が開かれてきた。6回の開催を経てこの検討会での議論は、ケアマネジャー一人ひとりの資質向上よりは、ケアマネジメント技術向上のための枠組作りに集約されていった。そして示されたのが、保険者機能の強化と、地域ケア会議を実践的に活用したケアマネ育成、ケアマネジメントの質の向上という方向性である。

「あり方検討会」の構成員は、ケアマネジメント業務に詳しい者ばかりではなかった。そのため、議論は毎回、拡散しがちであり、ケアマネの資質向上やケアマネジメント技術向上の方策についての具体的な検討をする場とはなり得なかった。また一方で、検討会の構成員に地域包括の主任ケアマネはいるものの、居宅のケアマネが1人もいないことが構成員からも指摘され、ちまたでは「現場置き去りでの議論」との批判の声も上がっていた。

■実務者で構成された会議に期待はかかるが……
一方、「ケアマネジメント向上事業」だが、すでに「あり方検討会」の第4回会合の配付資料において、日本総研が1000ケースのケアプランを分析した「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する調査研究(ケアマネジメント詳細分析)」と共に、「ケアマネジメント向上会議」の開催計画も告知されている。「あり方検討会」での検討で一定の方向性が示されたところで、現場を置き去りにせず、事例に基づく分析、評価を踏まえた検討を行う場として、様々な専門職と実務者で構成されるこの会議が招集されたようである。

今回の会議は2部構成で、前半が地域ケア会議を模して具体的事例2ケースのケアプランを多職種からなる出席者で検討する「公開ケア会議」。新様式のケアプラン帳票を使い、アセスメント→ニーズ把握→課題整理→自立支援に向けたケアプランへの落とし込みという担当ケアマネの思考過程をたどりながら、ケアマネジメント上の課題が何かを検討するというものである。そして後半が、そうやって抽出された課題をもとにその改善方策を整理する「ケアマネジメント向上会議(以下、向上会議)」である。

冒頭で事務局から「今回は同日開催となった」との説明があったことから、次回以降は「向上会議」と「公開ケア会議」は別途開催されるようである。

■地域ケア会議の見本示すはずが……
前半の「公開ケア会議」の目的は、具体的事例をもとにケアマネがいかにして利用者の課題を整理し、ケアプランを導き出したかを検証することだ。事例は、利用者に比較的よく見られる状態像から、業務経験3年以下の初任ケアマネが実際に担当する2ケースを取り上げたとのことである。会議出席者のうち、ケアマネ有資格者である水村美穂子氏(青梅市地域包括支援センターすえひろセンター長、看護師、主任介護支援専門員)と岡島潤子氏(株式会社やさしい手開発本部地域包括ケア推進参与、主任介護支援専門員、社会福祉士)がそれぞれ1ケースずつ、担当ケアマネと面談して事前に評価。他の出席者には作成されたケアプラン帳票が事前配布され、会議の場で水村氏、岡島氏から事例についてのプレゼンを受けて、ケアマネジメント技術向上に向けた課題が何かを検討するという手順だった。

そして後半の「ケアマネジメント向上会議」では、「公開ケア会議」で抽出された課題とその改善の方策について、「チームケア(多職種間の連携)の円滑化に資するものとなるか」、「ケアマネジメントの評価に資するものとなるか」という2つの視点から、見直すべきものと見直しの方向性を整理するはずだった。

しかし、実際に開催された会議は当初の目論見とはかなり違ったものとなったのである。

――レポ(2)につづく。

■関連記事
・地域ケア会議はケアマネの質の向上に役立つのか?——第6回ケアマネのあり方検討会レポ(1)
・ケアマネは「プロ」ではなく「制度内スペシャリスト」——第6回ケアマネのあり方検討会レポ(2)


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【ケアマネジメントオンライン編集部 宮下】

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