<公開ケア会議レポ2>まるで一保険者によるケア会議のあり方レクチャーの場


2012/12/05 17:00 配信   | 行政ニュース

11月28日、東京・八重洲で第1回「ケアマネジメント向上会議(公開ケア会議)」が開催された。その報告2回目。新様式のケアプラン帳票を用いた具体的事例の検討(=公開ケア会議)とその後の議論(=ケアマネジメント向上会議)についてレポートする。

会議前半に行われた「公開ケア会議」は、ケアマネジメント技術向上のための改善のポイントを探ることが目的。司会進行役は、保険者として地域ケア会議でケアマネを育て、ケアマネジメントの質を向上させてきた東内京一氏(和光市保健福祉部長)が務めた。取り上げた事例の詳細については、通常のケア会議同様、個人情報保護の観点から資料は会議終了後に回収され、公開は不可。第1回会議は全体を通して、撮影、録音も一切禁じられた。

「公開ケア会議」は、事例について担当ケアマネからヒヤリングしてきた主任ケアマネからのプレゼン→ケアマネジメント上の課題の抽出→課題改善のための方策の検討、という流れで行うことを想定していたと思われる。しかし、日頃、地域ケア会議を切り回している東内氏を以てしても、この日はそうした想定通りに進めるのが難しかったようである。

まずは、事例検討の最初に行われた水村美穂子氏(青梅市地域包括支援センターすえひろセンター長、看護師、主任介護支援専門員)、岡島潤子氏(株式会社やさしい手開発本部地域包括ケア推進参与、主任介護支援専門員、社会福祉士)によるプレゼンテーション。

プレゼン手法バラバラで参加者の足並みそろわず
プレゼンの途中、東内氏から「資料の何ページを見ればいいんですか」、「できれば課題整理表を見ながら聞けるように」、「基本情報の説明は資料を見ればわかるから不要」などの声が飛ぶ。プレゼン後に、利用者の抱える問題について出席者から出された意見に対し、プレゼン者から「その問題はいまは解決している」との発言があったときには、「状態像をきちんとプレゼンできないと、無駄な議論をすることになる」と東内氏がいらだったように指摘する場面もあった。

プレゼン後の意見交換では、東内氏が最初に「あるべき生活上の課題がきちんと抽出されているかという点についてご意見をいただきたい」と声をかけた。しかし中には、「状態像から必要なのに○○のサービスが組み込まれていない」とケアプランの内容について指摘する出席者や、ケアプランの書き方の不備を指摘する出席者もいた。地域ケア会議の第一人者といってもいい東内氏が司会進行を務め、現場を知る専門職や主任ケアマネが集まっても、多職種でのケア会議を有効に機能させるのは容易ではないということである。

■新様式の課題整理表の活用がカギ
また、新様式の「課題整理表」については、事例検討の過程で東内氏から「課題整理表は書き方も含めて検討が必要」、「予後予測の書き方がなっていない」との発言があった。「課題整理表」を初任のケアマネが使いこなすことの難しさが強調される結果となった。

今回の事例検討は、約1時間10分で2ケース。東内氏が保健福祉部長を務める和光市では、約30人の出席者で1ケースを20分で検討しており、決して時間が短いわけではない。しかしケア会議のあり方についての共通認識が形成されていなかったせいか、最後には東内氏がそれぞれのケースについて、解決すべき課題の整理が不十分な点、適切なケアプラン作成に結びつかない原因をレクチャーするような格好になっていた。

引き続き行われた、後半の「ケアマネジメント向上会議」は、「公開ケア会議」で十分にケアマネジメント上の課題やその改善策についての検討が行えなかったことから、それらの整理には至らず、「公開ケア会議」で見えてきた様々な問題点についての意見交換に留まった。

示された意見は、たとえば、「短期目標で評価する仕組みでは、ニーズや長期目標ときちんと結びついていなくても評価される可能性がある」、「1人の利用者の課題から地域の課題を抽出するのは難しい」、「ケアマネが裏付けもなく医療的なことを判断し、ケアプランに書き込んでいるのは問題」、「課題整理表に改善可能と判断した根拠が書かれていない」といったことである。

「向上会議」は全3回で、今後は来年1月、2月に各1回ずつ開催を予定。「公開ケア会議」の開催結果の報告を踏まえ、改善方策などを議論することとされている。アセスメント段階での多職種連携、ケアプラン書式、ケアマネに対する相談・支援の仕組みなど、検討する論点のたたき台は今回の資料ですでに示されている。しかし、実りのある議論が行えるかどうかは、今後の「公開ケア会議」で的を射た検討ができるかどうかに大きくかかってくると思われる。

その「公開ケア会議」では、今回の2事例を含め、要介護度別に1事例ずつ、全7事例を取り上げる予定だ。開催スケジュールは未定だが、会議の進め方に慣れたころに終了とならないよう、次回は想定通り、改善につながる課題の抽出、そして、その改善策の整理ができることを期待したい。

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【ケアマネジメントオンライン編集部 宮下】

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