<高次脳機能障害に光明>眠くなると脳の機能が低下する仕組みを解明――NICT


2013/02/22 12:00 配信   | 業界ニュース

居眠り運転やうっかりミスの防止、高次脳機能障害の解明等への応用が期待される研究成果が、この度発表された。

誰もが日常的に、眠くなると刺激を見落としたり、素早い反応ができなくなることを経験しているが、これまで脳神経科学では、脳に入ってくる刺激は同じなのになぜそうなるのか、その仕組みについてはっきりと説明できなかった。

しかし今回、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)と九州大学医学研究院臨床神経生理学・神経内科学教室のグループは、何もしていない安静時でも、ヒトの脳では複数の領域が協調しながら活動して情報をやりとりしており、眠くなるとこれらの領域間(参考図1~6の領域)の情報伝達が非効率的になることを明らかにした。

■なぜ眠くなると反応が低下するのか
ウトウトしている時(まどろみ状態)には、刺激を見落としたり、素早い反応ができなくなったりするが、その仕組みはよく分かっていない。まどろみ状態でも脳の一部分は刺激に対して反応することは分かっているので、脳領域間の情報の受渡しが悪くなっている可能性が考えられるが、これまで、それをはっきりと証明した研究はなかった。

一方、最近の機能的磁気共鳴画像(fMRI)を用いた研究で、何もしていない安静状態でも、複数の脳領域が常に同期しながら活動し、脳全体でネットワークを形作っていることが明らかになった。この安静状態のネットワークは、いざ刺激が入ってきた時に、脳内で素早く正確に情報の受渡しをするために重要な役割をしていると考えられている。そこで、共同研究グループは、fMRIを用いて、まどろみ状態でこのネットワークが変化していないかを解析した。

■居眠り運転の謎が解明する?
その結果、まどろみ状態では、安静状態ネットワークの情報伝達効率が低下していることが明らかになった。さらに、「意識」との関連が深いとされる、前頭連合野・頭頂連合野で特に情報伝達効率が低下していることも分かった。これは、まどろみ状態では、脳内のネットワークのつながり方が変化し、素早く正確な情報の受渡しができにくい状態になっていることを明らかにした世界初の知見と言える。

今後、深い睡眠やレム睡眠での脳ネットワークの解析を進めていき、未だに明らかになっていない、「なぜ意識が無くなるのか?」という大きな疑問の解決に貢献することが期待される。また、今回の知見は、危険防止の観点から、居眠り運転やうっかりミスの防止に応用でき、産学一体となった研究開発にも期待がかかる。

◎(独)情報通信研究機構
http://www.nict.go.jp/
◎九州大学
http://www.kyushu-u.ac.jp/

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【ケアマネジメントオンライン編集部 樋口】

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