<報酬改定影響調査(2)>75%が「連携に困っている」と回答――全日本民医連


2013/03/22 11:00 配信   | 業界ニュース

全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)は、3月5日、2012年の介護報酬改定後の事業所の実態を把握するために実施した、事業所アンケート調査の結果を発表した。
アンケートでは、介護職の医療行為の実態や、事業所が改定全体についてどう評価しているかなどについても調査した。

■介護職が医療行為を行う登録特定行為事業者は10%以下
介護職の医療行為(たん吸引、経管栄養)が法律上認められたことに対して、各事業所に具体的な対応を訊ねたところ、ほぼ5 割(50.7%)が「看護職のみで対応」と回答した。「医療行為対象者を受けない」が19.0%、「実施事業所として登録」は9.6%にとどまっている。「その他」は20.7%で、「必要に応じて行う予定」「未定、検討中、本社の指示を待つ」という回答が多く見られた。

医療行為の実施に向けた研修受講では、 必要な研修を「受講できている」(予定ありも含む)と回答したのは18.8%にとどまった。「研修会そのものがまだ開催されていない」と回答したのが36.7%で最も多く、開催されてはいても「研修会の人数が制限されて受講のめどが立たない」との回答が 16.4%。都道府県によって開催状況にかなりばらつきがあることがうかがえた。
「その他」の回答(28.1%)では、「参加させるのが困難(時間保障、費用)」などの意見が見られた。

■75.4%が「医療・介護連携で困っていることがある」と回答
医療と介護の連携の現状についての質問では、「連携する上で特に問題はない」との回答は24.6%で、「連携の上で困っていることがある」との回答は75.4%にのぼった。

「特に問題がない」では、「医療機関と併設の事業所であり、法人内の医療機関との連携はある程度スムーズにできている」「提携している訪問看護ステーション、診療所との連携は取れているので改定後も混乱はない」との意見が見られた。
他方、「連携の上で困っていることがある」との回答では、「対応上困っていること」として、「医療の側が介護保険を理解していない」19.0%、「医師の対応(多忙で相談する時間がとれないなど)」15.6%、「介護の側から見て、医療用語が難しい」11.4%などの意見が出た。

■約7割が改定を「あまり評価しない」「評価しない」と回答
今改定に対する評価を訊ねたところ、「たいへん評価する」0.2%、「ある程度評価する」11.3%、「あまり評価しない」35.3%、「評価しない」35.2%、「どちらともいえない」17.9%で、「あまり評価しない」「評価しない」との回答が約7割を占めた。

それぞれの理由を内容ごとに集計したところ、「評価する」では、「加算の新設・算定」をその理由に挙げる事業所が多い一方、「評価しない」では、「訪問介護(生活援助)に関わること」「デイサービスに関わること」「処遇改善に関わること」「利用料に関わること」が理由として多くあげられた。

■今改定の問題点(設問の回答や寄せられた意見などから)
1)事業収益への影響
回答事業所の3 割強が改定によって収益が減少し、あわせて収益の減少率が小規模な事業所ほど大きくなっていることも示された。この間の加算中心の改定によって、加算を算定できる事業所と算定が困難な事業所との格差が広がってきたが、今改定で基本報酬の大幅引き下げが組み合わされたことによって事業所間の格差がいっそう広がり、特に小規模の事業所により深刻な影響が生じていることが推測される。

2) 訪問介護、デイサービスに対する大幅な報酬改定による多大な影響
基幹的サービスである訪問介護、デイサービスに対する大幅な報酬改定によって、利用者、事業所双方に重大な影響が生じている。訪問介護(生活援助)の改定による支援時間の短縮は、家事やコミュニケーションの支障など、利用者・家族の日々の生活に新たな困難をもたらしている。同時に、支援業務の過密化、給与の減少などヘルパーの労働環境が改定後たいへん厳しいものとなっており、退職も出ていることが報告されている。事業所からも経営状況の悪化、実務の煩雑化などを指摘する声が相次いでいる。

デイサービスは、もっとも利用頻度の高い「6~8時間」区分の再編成が大きな影響をもたらしている。「5~7時間」を選択すると収益が減少し、「7~9時間」に変更すると収益は増えるものの時間の延長に伴う人件費などの経緯も増加し、結果として利益が減少するという事態が生じている。
今まで、相対的に利益率が高いデイサービスで他の事業の収益減をカバーすることで事業全体の収支バランスをとってした事業者が多くあるが、こうした事業経営の構造が大きく変わったと考えられ、在宅サービスを中心に展開する多くの事業者の経営状況が厳しくなっていることがうかがえる。

3)処遇改善加算の問題
処遇改善に係る費用が介護報酬上の「加算」として導入されたことで、利用料高騰を回避するために算定を手控える、算定対象から除外されている職種との関係で算定を見合わせるなどの事態は、処遇改善加算そのものの矛盾を改めて浮き彫りにした。
こうした中で、回答事業所の7割が今回の改定を「あまり評価しない」「評価しない」としており、今改定のさまざま問題点を指摘するとともに、今回の報酬改定を見直し、再改定を求める声も寄せられている。

◎全日本民医連
http://www.min-iren.gr.jp/
◎介護保険法2011年「改正」、介護報酬2012年改定後の影響調査
事業所アンケート調査結果報告
http://www.min-iren.gr.jp/inochi-jinken/kokuho/data/2013/01anketo.pdf

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【ケアマネジメントオンライン編集部 土倉】

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