【特別寄稿】地域密着型サービスの改定ポイント―2015年度介護報酬改定


2014/12/16 17:00 配信   | 行政ニュース

社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋・分科会長 以下、分科会)は12月19日の第117回で「審議報告の取りまとめに向けて」の議論を行い、年内の審議は終了となる。

介護報酬・運営基準の改正は年越しとなるが、在宅サービスの事業所の運営基準などに改定については、社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋・分科会長 以下、分科会)の第116回に厚生労働省老健局が提出した案(資料1)をもとに現在、パブリックコメント「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令(仮称)案(概要)に関する意見募集」を大晦日まで募集中だ。

10月から2ヵ月間、毎週開催された分科会は、この間、3週間以上のペースダウンとなり、マスコミの報道は、「在宅復帰支援強化の施設に介護報酬上乗せへ」(NHK)、「認知症、在宅介護支援を手厚く 報酬見直しで厚労省方針」(共同通信)、「介護ショートステイ拡大、厚労省 緊急時は居室以外使用も」(共同通信)など、厚生労働省資料と同じく焦点の定まらない内容となっている。

老健局、予防給付の総合事業への早期移行を促す
12月14日の総選挙特集では、通常国会で成立した改正介護保険法について、「介護保険、要支援サービスは国から地方へ 『人材も財源もない』不安な高齢者 戸惑う自治体」(毎日新聞)、「介護 『要支援者』市町村へ 担う自治体、対応を模索」(毎日新聞)、「要支援者の介護地域資源活用へ 三豊市議会一般質問」(四国新聞)など、介護予防ホームヘルプ・サービス(利用者44.9万人)と介護予防デイサービス(利用者48.3万人)の地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業)への移行についての報道が目立った。

なお、予防給付から地域支援事業への移行時期は経過措置期間が設けられ、保険者である市区町村ごとにスタート時期が拡散するが、老健局は12月10日から来年1月9日まで、全国6会場で無料セミナー「総合事業への早期移行に向けたセミナー」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社、2014年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金)を開き、早期移行を促している。

定員増の認知症グループホームと小規模多機能
今回は分科会資料をもとに、地域密着型サービスの「論点」をまとめた。
2006年度からはじまった地域密着型サービスは、「住み慣れた地域での生活を支えるため、身近な市町村で提供されることが適当なサービス類型」と説明されてきたが、見直しのポイントは利用定員の緩和だ。
小規模多機能型居宅介護と複合型サービスは現行「25人以下」から「29人以下」に利用者を増やす。
「家庭的な環境に少人数で共同入居」と定義された認知症グループホームは、認知症デイサービスとともに現行「1又は2」から「3ユニット」とユニット数が増える。
定期巡回・随時対応サービスは、2012年度から「地域包括ケアシステム」の主力サービスとして新設され、利用者はいまだ1万人未満と低迷しているが、一体型事業所の外注が認められ、連携型事業所との違いが縮小する。また、夜間オペレーターの配置基準も緩和される。
なお、認知症グループホームと小規模多機能型居宅介護は「看取り介護加算」の引き上げが提案されている。

「外部評価」不要の3サービス
ちなみに、地域密着型サービスは外部評価が義務付けられているが、定期巡回・随時対応サービスと小規模多機能型居宅介護、複合型サービス(「看護小規模多機能型居宅介護」に名称変更予定)の3サービスは、外部評価機関のチェックが廃止になり、「運営推進会議」か「介護・医療連携推進会議」に自己評価結果を報告すれば事足りることになった。
分科会では外部評価についての報告や検証は見当たらないが、外部評価と「会議」が重複している、会議には「第三者」(市区町村や地域包括支援センター)が参加している、というのが廃止の理由となっている。
各サービスの「論点」の詳細については、リンクした各分科会資料を参照してもらいたい。

認知症グループホーム―3ユニットまでOK、福祉施設と併設も可
[利用者]
介護予防認知症対応型共同生活介護0.1万人、認知症対応型共同生活介護18.3万人(「介護給付費実態調査月報(平成26年9月審査分)」、以下同)
[資料]
第115回(2014.11.19)資料3「認知症対応型共同生活介護の報酬・基準について(案)」
[加算]
論点1.「夜間ケア加算」で宿直職員の夜間加配を新たに評価する
論点2.「看取り介護加算」は新たな要件で引き上げる
[運営基準(案)]
論点3.標準ユニット数を現行「1又は2」から「3ユニット」にする
論点4.広域型特別養護老人ホームなどの社会福祉施設と同一建物に併設を認める

小規模多機能型居宅介護―登録定員の拡大、看護職員の配置緩和
[利用者]
介護予防小規模多機能型居宅介護0.8万人、小規模多機能化型居宅介護7.5万人
[資料]
第111回(2014.10.22)資料3「小規模多機能型居宅介護の報酬・基準について(案)」
[基本報酬]
論点6-②.利用者の居所(事業所と同一建物に居住するか否か)に応じた基本報酬の新設
[加算]
論点1-①「訪問体制強化加算」の新設
論点2.「看取り介護加算」の新設
論点7.「事業開始時支援加算」の時限措置の終了
論点10.中山間地域等の利用者に通常の事業実施地域を越えてサービス提供(送迎・訪問)を行う場合、加算を新設
[減算]
論点6.「同一建物減算」の廃止
[運営基準(案)]
論点1-②登録定員を現行「25人以下」から「29人以下」に緩和
論点3.外部評価を廃止し、自己評価を運営推進会議に報告した上で公表する仕組みとする
論点4.看護職員の配置要件の緩和
①看護職員が兼務可能な施設・事業所を「同一敷地内」だけでなく、同一敷地内又は道路を隔てて隣接する施設・事業所と兼務可能とする。兼務可能な施設・事業所の種別を見直す。
②「看護職員配置加算Ⅰ」と「看護職員配置加算Ⅱ」を、現行の常勤要件から、常勤換算1人以上の准看護師の配置に変更する。
論点5.
①管理者の、総合事業の訪問型サービスや通所型サービス等との兼務を認める
② 総合事業(訪問型サービスや通所型サービス等)と設備(居間及び食堂を除く)の共用を認める
論点8.グループホームと併設している場合、夜間職員の兼務を認める
論点9.同一建物に併設できる施設・事業所を見直す

認知症デイサービス―「運営推進会議」の設置義務づけ
[利用者]
介護予防認知症対応型通所介護0.1万人、認知症対応型通所介護5.9万人
[資料]
第115回(2014.11.19)資料4「認知症対応型通所介護の報酬・基準について(案)」
[基本報酬]
論点5.送迎時に行った居宅内介助等を所要時間に含める(デイサービス、デイケアと共通)
[加算]
論点6.「所要時間7時間以上9時間未満」(算定率53.47%)のサービス提供後から「宿泊サービス」実施前までの「延長加算」は算定不可(デイサービス、デイケアと共通)
[減算]
論点4.送迎を行っていない場合は減算する(デイサービス、デイケアと共通)
[運営基準(案)]
論点1.利用者定員を現行「1事業所3人以下」から「1ユニット3人以下」に見直す
論点2.運営基準で「運営推進会議」の設置を義務づける
論点3.「宿泊サービス」を実施している事業所に届出制の導入、事故報告の仕組みを構築、情報の公表を推進(デイサービス、デイケアと共通)

定期巡回・随時対応型サービス 一体型事業所の外注化
[利用者]
定期巡回・随時対応型訪問介護看護0.9万人
[資料]
第111回(2014.10.22)資料2.「 定期巡回・随時対応型訪問介護看護の報酬・基準について(案)」
[減算]
論点2.通所介護、通所リハビリテーション、認知症対応型通所介護の利用者にサービス提供した場合の減算(1日あたり所定単位数の2/3相当額)の軽減
論点5.「同一建物減算」(一定数以上の利用者が同一建物に居住する場合)の新設
[運営基準(案)]
論点1.一体型事業所(158事業所)の訪問看護サービスの一部を、他事業所に委託することを認める。
論点3.オペレーターの配置基準の緩和
・夜間オペレーターに施設職員が兼務(兼務職員95.4%)できる施設を併設施設に限定している要件を緩和し、同一敷地内、道路を隔てて隣接する同一法人が経営する他の施設・事業所等の職員を充てることを認める。
・利用者の心身の状況に応じて必要な対応を行う観点から、支障がない場合には、複数の定期巡回・随時対応サービス事業所の機能を集約し、通報を受け付ける業務形態について認める。
論点4.外部評価の義務付けを廃止し、自己評価を介護・医療連携推進会議に報告して、評価等を受け、公表する仕組みとする。

複合型サービス―「看護小規模多機能型居宅介護」に名称変更
[利用者]
複合型サービス0.3万人
[資料]
第111回(2014.10.22)資料4「複合型サービスの報酬・基準について(案)」
[基本報酬]
論点2.利用者の居所(事業所と同一建物に居住するか否か)に応じた基本報酬の新設
[加算]
論点1-②利用者の医療ニーズに重点的に対応している事業所のサービス提供体制に加算を新設
論点8.「事業開始時支援加算」(500単位/月、算定率16.9%)の時限措置を2018年度末まで延長
[減算]
論点1-①訪問看護を実施していない利用者が一定割合以上の事業所(半数以下66.6%)は、基本報酬の訪問看護サービス部分を減算
[運営基準(案)]
論点3.登録定員を現行「25人以下」から「29人以下」に緩和
論点4.外部評価を廃止し、自己評価を運営推進会議に報告した上で公表する仕組みとする
論点5.「看護小規模多機能型居宅介護」に名称変更

市民福祉情報オフィス・ハスカップ 小竹雅子)


ケアマネジャーのための専門サイト
【ケアマネジメントオンライン編集部】

この記事を印刷する

今日は何の日?

ケアマネジメント・オンライン おすすめ情報

  • 種類、選び方はもちろん、「こんな時どうする?」実例集も掲載
  • ご利用者の床ずれ防止をマットレスから考えてみませんか?
  • 健康と笑顔をつくる3時間リハビリ型デイサービス
  • 知っておきたい高齢者の食事講座
  • 自立に役立ち、介助する方の使いやすい福祉用具をご提供
  • 住宅改修の正しい知識で、自立支援につながるプランを

介護関連商品・サービスのご案内

ログインしてください
ユーザ名
パスワード

ログインができない方

最近閲覧したニュース

お知らせ

ニュースに関する問合せ

お名前
お問い合わせ メールアドレス
お勤め先
電話番号
※送信後、受付完了メールが自動配信されます
SSL GMOグローバルサインのサイトシール
SSLとは?