「8万円の処遇改善」、ケアマネはどうなる?-厚労省が「別の加算」提案


2018/10/15 16:00 配信   | 行政ニュース

厚生労働省は15日、社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田中滋・埼玉県立大理事長)に、来年10月の消費税率の引き上げに合わせ、ベテランの介護福祉士らを対象に実施される月額平均8万円相当の処遇改善の具体的な枠組みについて案を示した。案では、現在ある介護職員処遇改善加算とは「別の加算」を設ける方針が示されている。この方針を強く否定する意見は出なかった。今後、同分科会では、「別の加算」の対象職種や算定するための要件などを議論する見通しだ。場合によっては、ケアマネジャーが対象から外れる可能性もあり、年末までの同分科会の議論がさらに注目される。

昨年末に閣議決定された2兆円規模の「新しい経済政策パッケージ」(政策パッケージ)には、勤続年数10年以上の介護福祉士に、月額平均8万円相当の処遇改善を行うことが盛り込まれた。また、この施策に伴う収入については、介護福祉士だけでなく、他の介護職員の処遇改善などにも充てることができるなど、柔軟な運用を認める方針も示された。さらに、処遇改善の実施時期については「消費税率の引き上げに伴う報酬改定において対応し、2019年10月から実施する」としている。

この方針を踏まえ、15日の介護給付費分科会では、厚労省が来年10月に実施する新たな処遇改善の具体的な方針として「現行の介護職員の処遇改善とは別の加算で対応する方針」とすることを提案。さらに、「別の加算」で対応する上での考え方として、次の点も提案した。

(1)介護職員の処遇改善を進めるだけでなく、人材の定着促進も目指す
(2)各事業所の判断で、介護福祉士だけでなく、その他の職員の処遇改善にも充てられるよう、さらに検討を進める
(3)処遇改善に合わせ、各事業所の「離職防止」や「人材育成」「雇用管理改善」などの取り組みをさらに支援する


(社会保障審議会の介護給付費分科会)

このうち(1)や(3)は、「別の加算」では、離職防止や人材育成などの取り組みに関する要件が課される可能性が高いことを示している。また(2)は、ケアマネや看護師なども対象にするかどうか検討することを示したものだ。

■注目点その1―「介護職員処遇改善加算の算定」を前提とするかどうか

ただし、ケアマネも「別の加算」の対象となる方針が固まったわけではない。当日の分科会の議論でも、厚労省の担当者はその対象をどこまで拡大するかについて明言しなかった。さらにこの日の議論では、対象をケアマネなどに拡大すべきという意見の一方、「『別の加算』は、現行の介護職員処遇改善加算Iの算定を前提とすべき」(瀬戸雅嗣・全国老人福祉施設協議会理事・統括幹事)といった意見も出ている。

現行の介護職員処遇改善加算の算定が前提となれば、ケアマネや看護師は、「別の加算」の対象から外れることになる。「別の加算」の前提条件に、現行の介護職員処遇改善加算の算定が加わるかどうかは、ケアマネや看護師にとって、特に注目すべきポイントといえる。

■注目点その2―どのように定義する?「勤続10年」

もう一つ注目されるのは、政策パッケージで示された「勤続年数10年以上の介護福祉士」の考え方だ。例えば、「同じ法人や同じ事業所内で連続して働いていること」を要件とすれば、その実績を証明するのは簡単だ。ただし、転職経験がある介護福祉士は対象から外れる可能性が高くなるし、開設されて間もない法人や事業所に勤務している職員も対象外になってしまう。

一方、「法人や事業所に関わらず、働いた時期が10年を超えている」とするなら、転職経験がある人や、開設したばかりの事業所で働く人が対象外となる可能性は低くなる。ただし、複数の事業所で働いている人の場合、過去に勤務した事業所が閉鎖している場合なども考えられ、その実績を証明するのが難しくなる。

この日の同分科会の議論では、「勤続10年」の考え方についても、委員の間で意見が分かれた。



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【ケアマネジメントオンライン編集部 ただ正芳】

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