福祉用具の適切な供給と利用について、利用者・事業者・専門職らが意見交流を行う協働団体「福祉用具国民会議」は12月3日、厚生労働大臣と経済産業大臣宛てに意見書を提出した。
「福祉用具国民会議」は平成18年の発足以来、介護保険改定に対する提言、軽度者における福祉用具貸与の事例調査報告など、現場視点をもとに関係省庁に対する働きかけを行い、国・自治体レベル双方の施策に影響を及ぼしてきた経緯がある。
今回提出した「福祉用具サービス向上のための意見書」は、政権交代と行政刷新会議の動き等を鑑み、新内閣および来年度以降の長期検討課題に盛り込んでほしい視点を、現場サイドから表現した内容。策定には福祉用具専門相談員やケアマネジャーら専門職、貸与や製造に関わる供給事業者、有識者などが多角的に加わった。
以下、意見書のおもな項目を紹介する(全文は事務局HPを参照)。
●軽要介護者にも適切な福祉用具活用を
ICFで言われるところの「環境因子」を論拠として、「介護とは単に身体状況だけでなく、環境も含めた生活を支援するという視点」を説き、介護予防や社会参加という観点からも軽要介護者への適切な活用を求める。
●施設でのレンタル認め、在宅からのサービス継続を実現
在宅でのレンタル福祉用具は、施設入所・入院により利用継続できないのが実態。福祉用具は施設の“備品”ではなく、本来は利用する方に“備わる”ものであるとの認識から、心身状況に応じた個別ケアが継続できるよう、介護保険施設での福祉用具の原則貸与を提案する。
●価格開示には、事業所の「質」の情報公開も併せて
福祉用具貸与価格の現行の情報開示では、料金のみが選ぶ基準になる危惧がある。貸与価格は物的サービス+人的サービスの合計で、その結果として価格差が生じることを周知するためにも、貸与事業者のサービスの「質」の情報公開と基準づくりが必要である。
●ケアマネジャーと福祉用具専門相談員のレベルアップ
福祉用具貸与の意義や仕組みについてのケアマネジャーの理解、また福祉用具専門相談員が記録やケアマネジメントについて理解を深めるための、レベルアップが必要。そのための報酬加算等の支援策を検討してほしい。
このほか、「福祉用具における保険給付のあり方検討会」における費用対効果の調査、介護保険事業所指定の要件に個別援助計画を導入する提案、福祉用具法および時代の流れに即した産業振興策への是正、と7項目にわたる。
この意見書は、すでに提出済みの民主党・自民党に続き、他の与野党および関係団体にも配布し、問題意識を広く共有する方向。実際の意見交流の場である「福祉用具国民会議」は2010年も全国各地で開催予定で、利用者、事業者、専門職らどの立場からの参加を広く募っていく。
◎
福祉用具国民会議事務局
〒102-0072 東京都千代田区神田須田町2-4 株式会社サルースエイド内
TEL 080-6511-5691 FAX 03-6423-1352
Email
f-kokuminkaigi@upto-care.net