今年第6回を迎える「認知症を知り地域をつくる」キャンペーン報告会が3月6日、日経ホール(東京都千代田区)で開かれた。
第1部は「認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議」のキャンペーン報告会。同会議の中核事業の1つが「認知症サポーター100万人キャラバン」による住民・職域・学校講座で、昨年は目標の100万人を達成し、現在は約160万人の国民がサポーターの証であるオレンジリング(腕輪)を持っている。
当日の資料発表によると、サポーターの年齢層は70代以上が28%と最も多く、次いで60代、50代と中高年層が多い。学齢期の10代も全体の1割を占めた。
さらに、どこでサポーター講座を修了したかを年齢・性別でみると、50〜60代男性は「企業」、40〜50代女性は「シンポジウム」、70代以上は「自治体」経由と特色がはっきり分かれた。
都道府県別で、総人口に占めるサポーター数が最も多いのは岩手県の4万人で、65歳以上高齢者9人に1人の割合で受講した実績となる(全国平均は20人に1人)。2位以下は熊本県、滋賀県、福井県、富山県と続く。東京・大阪・愛知といった都市部は、サポーター数は突出して多いもの、総人口に占める割合はまだまだ低い。新たな目標値400万人に向け、キャンペーン後半の5年間はさらなる拡充が図られる。
同事業が平成17年にスタートして、いよいよ10カ年計画の中間年という節目。今年は21年度の総括だけでなく、その最前線で頑張る市民を壇上に招き、「認知症啓発活動にかける思い」を聴くというユニークな形式で発表が行われた。

東京都武蔵野市のごみ収集業務を受託する企業の社員・清水秀晃さんは、収集作業員全員が受けたサポーター講座を通し、「難しい分別法などを押し付けるやり方を改め、相手が理解できる説明を1人ひとりが考えるようになった」とコメント。
アルツハイマー病の妻を在宅介護する夫・西村文雄さんは、家族全体の生活史をセンター方式で再認識し、利用中の施設職員にもシートを提供。「人材流動が激しい福祉業界だからこそ、センター方式が標準になれば混乱なく良いケアが保てる。行政からも後押しが欲しい」と、家族の立場から訴えた。
阿佐谷介護者の会(東京都杉並区)の山川由美子さんも「行政は、介護者どうしで支え合う機会の大切さを理解して、家族会活動に協力してほしい」と強調。
また若年認知症当事者である青津優子さん(千葉県)、並川由美子さん(大阪府)は明るいトークで会場を笑わせ、仲間や趣味がいかに元気の源となるかを印象づけると共に、最後は「病気のことをわかってくれる人が増えてほしい」というメッセージで締めくくった。
議長を務める堀田力氏(弁護士)は、「せっかくの取り組みも、家族は家族、施設は施設、地域は地域とバラバラなままでは意味がない。認知症になっても普通の暮らしを続けたいと願う本人を中心にしっかり芯を通し、その意思を補う市民後見なども拡充しなければ」と講評した。
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認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議