行政ニュース : 各委員の意見――社会保障審議会介護保険部会・傍聴レポート2
厚生労働省は5月31日、社会保障審議会介護保険部会を開催した。2012年の介護報酬と診療報酬のダブル改定を前に、介護保険制度改革への議論が動き出した。本部会は今後月に1〜2回の頻度で開催され、11月をめどに介護保険法改正案をまとめる。以下、出席した委員らの主な意見を紹介する。
●橋本正明委員(立教大コミュニティ福祉学部教授)
「重労働・低賃金・キャリアパスもない介護業界に対し、福祉系学生の志望も減ってきている。介護保険制度としては、自立支援・在宅支援をキャッチフレーズにしているだけでよいのか。人は必ず死を迎える。生きることばかりではないという認識を持つ必要もある。看取り加算なども創設されたが天寿をまっとうするための支援が重要」
●貝塚啓明委員(東京大学経済学研究科特任教授)
「この10年で日本社会は変わった。一言で言えばコミュニティーが虚弱化した。また、かつての20〜30代ならもっと自立していたが大学院を出てもまともに就職できない世相もあり、モラトリアムの若い世代が増えている。こうした社会で高齢者を支えるのは不安だ」
●田中雅子委員(日本介護福祉士会名誉会長)
「これまで国は人材育成を事業者まかせにしてきたが、良質な人材の育成・確保が重要だ。一定の研修を修了した介護福祉士に医療行為を解禁する法的整備と報酬の保障を。利用者ニーズに沿ったサービスが現場に提供されるべき」

●三上裕司委員(日本医師会常任理事)
2006年の介護保険法改正により介護サービス情報公表制度が創設されたが、インターネットで見れる情報が利用者にとってどれくらい活用されているか疑問。利用者の事業所選びに貢献しているよりも、ほとんどケアマネが使っていて高齢者は見ない。
また、他の委員からも地域包括支援センターの機能と役割について発言があったが、認知症・うつなど地域での対応が大事。行政も認知症、予防と縦割りではなく横断的ネットワークを構築すべき」
●斉藤正身委員(医療法人真正会理事長)
「介護保険制度の多くの施策が専門職に理解されていないのが問題。また医師として、退院直後ではなく在宅療養中にレベルダウンした人が今こそリハビリが必要というとき、集中的にやれる制度が必要だ」
●桝田和平委員(全国老人福祉施設協議会介護保険委員会委員長)「特別養護老人ホームへの入所待機者は42万にのぼる。国がユニット型個室の特養を推進してきた近年、低所得者は経済的に入所できなくなった。利用者の所得区分や利用期間など費用対効果を検証した制度設計が必要」
●岩村正彦委員(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
「コムスンの頃から社会保障審議会にかかわっている。介護保険制度が発足した当初はサービスの給付拡大を第一に目指し急速に増大したが、10年経ってどう持続させるかにポイントが移っている。要介護認定や給付上限額は保険制度の根幹。公費負担を増やす要望も出ているが、財源の裏づけがないと何を議論しても空論で、税負担を意識しなくてはならない」
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・法改正へ、社会保障審議会介護保険部会が始動――傍聴レポート1
●橋本正明委員(立教大コミュニティ福祉学部教授)
「重労働・低賃金・キャリアパスもない介護業界に対し、福祉系学生の志望も減ってきている。介護保険制度としては、自立支援・在宅支援をキャッチフレーズにしているだけでよいのか。人は必ず死を迎える。生きることばかりではないという認識を持つ必要もある。看取り加算なども創設されたが天寿をまっとうするための支援が重要」
●貝塚啓明委員(東京大学経済学研究科特任教授)
「この10年で日本社会は変わった。一言で言えばコミュニティーが虚弱化した。また、かつての20〜30代ならもっと自立していたが大学院を出てもまともに就職できない世相もあり、モラトリアムの若い世代が増えている。こうした社会で高齢者を支えるのは不安だ」
●田中雅子委員(日本介護福祉士会名誉会長)
「これまで国は人材育成を事業者まかせにしてきたが、良質な人材の育成・確保が重要だ。一定の研修を修了した介護福祉士に医療行為を解禁する法的整備と報酬の保障を。利用者ニーズに沿ったサービスが現場に提供されるべき」

●三上裕司委員(日本医師会常任理事)
2006年の介護保険法改正により介護サービス情報公表制度が創設されたが、インターネットで見れる情報が利用者にとってどれくらい活用されているか疑問。利用者の事業所選びに貢献しているよりも、ほとんどケアマネが使っていて高齢者は見ない。
また、他の委員からも地域包括支援センターの機能と役割について発言があったが、認知症・うつなど地域での対応が大事。行政も認知症、予防と縦割りではなく横断的ネットワークを構築すべき」
●斉藤正身委員(医療法人真正会理事長)
「介護保険制度の多くの施策が専門職に理解されていないのが問題。また医師として、退院直後ではなく在宅療養中にレベルダウンした人が今こそリハビリが必要というとき、集中的にやれる制度が必要だ」
●桝田和平委員(全国老人福祉施設協議会介護保険委員会委員長)「特別養護老人ホームへの入所待機者は42万にのぼる。国がユニット型個室の特養を推進してきた近年、低所得者は経済的に入所できなくなった。利用者の所得区分や利用期間など費用対効果を検証した制度設計が必要」
●岩村正彦委員(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
「コムスンの頃から社会保障審議会にかかわっている。介護保険制度が発足した当初はサービスの給付拡大を第一に目指し急速に増大したが、10年経ってどう持続させるかにポイントが移っている。要介護認定や給付上限額は保険制度の根幹。公費負担を増やす要望も出ているが、財源の裏づけがないと何を議論しても空論で、税負担を意識しなくてはならない」
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