【ケアマネジメント スキルアップ講座】Vol.2 福祉用具、住宅改修に関して求められるスキルとは(住宅改修編)

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在宅の要介護者にとって、自立支援につながる重要なサービスである福祉用具と住宅改修。福祉用具を取り上げた前編では、高齢者生活福祉研究所所長で理学療法士の加島 守先生にお話を伺い、福祉用具に関してケアマネジャーに求められる3つのスキルについて紹介しました。後編の今回は、住宅改修に関して求められる3つのスキルについて引き続きご紹介します。

住宅改修に関してケアマネジャーに求められるスキル

背後にある解決すべきニーズを見つけるスキル
タイムリーによい提案をできるよう備えておくスキル
利用者・事業者間のコミュニケーション不足を補うスキル

上記の3つのポイントを意識しながら、利用者様の目線で関わることが重要です

必要スキル【1】背後にある解決すべきニーズを見つけるスキル

加島 守 先生

住宅改修では、歩行が不安定になってきたから手すりが必要ではないかなど、漠然としたニーズからスタートする場合と、利用者から「風呂場のここに手すりを付けてほしい」というような具体的な要望を受ける場合があります。どちらの場合も、大切なのは背後に解決すべきどのようなニーズがあるかを考えることです。

ケアマネジャーは利用者のお宅におじゃましたとき、居間で座って話を聞く、あるいは利用者のベッドサイドで話を聞くことが多いかもしれません。しかし、利用者の実際の生活では、たとえば寝室からトイレに行ったり、食堂から居間に移動したり、様々な動きがあります。ニーズが漠然としているときには、たとえば「食事のあとはどこにどんなふうに移動して過ごされていますか」「ベッドからトイレにはどんなふうに移動されていますか」など具体的に聞いてみて、できれば実際にどう動くかを見せていただくとよいと思います。そうすると、洗濯物を干しに縁側まで行くとき、少しふらついているからここに手すりを設置した方がよいなど、生活動線のどこに不便や危険があるかが見えてくると思います。

加島 守 先生

反対に、改修箇所の要望がはっきりしている場合は、住宅改修のプランとイコールになりがちなので注意が必要です。この場合は、なぜその住宅改修が必要だと思ったのかを聞いてみることです。たとえば、またいでお風呂に入ろうとしたときに転びそうになったからここに手すりがほしい、という答えだったとします。その場合は、ほかに足を上げる動作で転びそうになることはないか、足を上げる場所でほかに危険な箇所はないかを考え、確かめてみるとよいと思います。すると、ズボンの着替えの動作や玄関の上がり框(かまち)など、ほかにも危険な動作、箇所が見つかり、生活上の解決すべきニーズがさらに浮かび上がってくるはずです。

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必要スキル【2】タイムリーによい提案をできるよう備えておくスキル

加島 守 先生

ただ、生活上の解決すべきニーズが新たに見つかったとしても、必ずしもすぐにすべての箇所の改修を提案した方がいいとは限りません。住宅改修は、一気にやってしまいたいという利用者もいれば、一つの改修でも大きな心理的負担になる方もいます。経済的な問題、こころのキャパシティ、家族との関係など、その利用者の抱える様々な事情を考慮することが大切です。どれほど利用者のためを思って提案しても、時には「改修をするつもりはなかったのに無理に勧められて、せざるを得なかった」と、あとになって利用者が感じてしまうこともあります。ニーズの把握は、あくまでも利用者や家族が必要だと感じたタイミングを見逃さずに、タイムリーによい提案するための「準備」と考えておきましょう。よい提案をできると、利用者の生活を劇的に改善することもできます。

住宅改修前の浴室

たとえば、私が関わらせていただいた住宅改修では、3時間かかっていた入浴を1時間でできるようになったことがありました。独居で左股関節に可動域制限があり、普段は家の中を伝い歩きで過ごしている方の例です。この方は1人での入浴に3時間もかかるため、億劫で月2回しか入浴していませんでした。入浴環境を見せていただくと、脱衣室から風呂場に移動するには約10㎝の段差があります。浴槽は埋め込み式で立ってまたぐのは困難でした。仕方なく、細い手すりにつかまり、股関節が曲がらない分、膝を深く折り曲げて身体を傾けて入っていたそうです。風呂イスは低すぎて、一度座ると立ち上がるのに非常に時間がかかっていました。

住宅改修後の浴室

この時の改修では、まず洗い場をかさ上げして段差をなくし、洗い場に向かって開く風呂場の扉を折れ戸に変え、風呂場に入りやすくしました。浴槽は埋め込みの高さを調整し、座った状態で浴槽をまたげるようにしました。さらに、浴槽の縁と一体型の入浴台を設け、そこに座ったまま身体を洗うことができるよう、シャワーを設置したのです。埋め込みの高さを調整したことで、この入浴台からはお尻をずらして身体を傾ければそのまま足から浴槽に入れます。また、湯船の中には浴槽台を設置して立ち上がりやすくしました。こうした改修によって1人でも容易に入浴できるようになり、それまで保清のために億劫な気持ちを押して入浴していたこの方は、リラックスのために1日おきに入浴するようになったのです。

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加島 守 先生のご紹介

加島 守 先生

医療ソーシャルワーカーとして勤務後、理学療法士資格取得。病院等での勤務を経て、平成16年10月に高齢者生活福祉研究所を設立。所長を務める。財団法人保健福祉広報協会評議員。『明解!福祉用具サービス計画の手引き』(共著/筒井書房刊)、『住宅改修アセスメントのすべて 介護保険「理由書」の書き方・使い方マニュアル』(三和書籍)などがある。

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