【ケアマネジメント スキルアップ講座】Vol.6 医療との連携のために必要なこと(実践編)

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国の方針としても強く打ち出されている医療との連携。「ケアマネジメントスキルアップ講座」では今回、連携のために必要なスキルを取り上げて、千葉県松戸市・あおぞら診療所院長の川越正平先生にお話を伺いました。前編では「連携のために事前に必要なこと」について紹介。後編では、「医療と連携する上で必要なこと」についてお伝えします。

医療と連携する上で必要なこととは?

医師の事情を考えた対応を心がける
医師の適切な判断を仰げる状況をつくる
医師にケアマネジャーと連携すると得だと思わせる

上記の3つのポイントを意識しながら、利用者様の目線で関わることが重要です

必要なこと【1】医師の事情を考えた対応を心がける

川越 正平 先生

時に患者の命にも係わる判断を担う医師にとって、診療時間中は患者と向き合うことだけに集中したいもの。ケアマネジャーが診療時間中にいきなり医師を訪ねたり、電話をかけてきたりすることを負担や迷惑と感じる医師がいることは確かです。

たとえば、外科医であれば、手術中に対応できないのは当然のこと。月水金が手術日であれば、手術の前後も含め忙しいものです。緊急事態でなければ、連絡を取るのは火曜日か木曜日にするという配慮がほしいものです。さらに、ソーシャルワーカーや看護師に、「○○先生にお聞きしたいことがあるのですが、何時頃お電話すればお手すきでしょうか」と事前に確認してもらえると、医師も対応しやすいと思います。いつ、どのような方法なら、ケアマネジャーからの相談に対応できるか、私が松戸市内の開業医に調査して「ケアマネタイム」の一覧表を作成したのも、スムーズに連携できるように考えてのことです(コラム参照)。

しかし連携するといっても、そもそも会ったこともない人といきなりうまく連携しようとするのは困難です。人間関係の基本は顔を合わせること。顔を合わせる機会を増やし、相手がどういうタイプの人かを知るのは大切なステップです。

医療職と顔を合わせる正攻法のやり方は、サービス担当者会議への参加を求めることでしょう。ケアマネジャーの中には、日程調整の問い合わせもせずに、参加できないものと決めつけてしまって、医師に「担当者会議に参加できない理由」を書いて返送してほしいというファクスを送ってくる人もいます。それだけ医師が参加に消極的だということかもしれませんが、それでも事前に会議に参加してほしい理由を伝えて参加を求め、できるだけ日程調整をしてほしいと思います。

それ以外に顔を合わせる機会をつくるとしたら、たとえばケアマネジャーも参加できる医師会主催の勉強会に参加したり、医師会主催の防災訓練に参加したりという方法があります。また、私が患者の家に訪問診療に行ったら、ケアマネジャーが待っていることもあります。これも一つの方法です。考え得る様々な機会を捉えて、できるだけ会って話す機会を作り、医師の人となりやその医師なりの事情を知っておくと、相談や連絡がしやすくなると思います。

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必要なこと【2】医師の適切な判断を仰げる状況をつくる

川越 正平 先生

医療界は、医療界なりのルールがあって動いています。そのルールを理解せずに動くと、思わぬトラブルを招いてしまうことがあります。利用者や家族が薬を変えてからどうも調子が悪いというのを聞き、「薬が合わないようなんですが」と医師に伝える。病院の専門医に他科で処方された薬との飲み合わせについて質問する。主治医に相談せずに他科受診を勧める。ケアマネジャーがこういったことをすると、トラブルを招きかねません。

ケアマネジャーが「薬が合わない」と診断するのは明らかに越権行為ですから、医師が不快感を抱きかねないということは理解するべきでしょう。そういうときは起きた現象だけを伝えればいいのです。新しくこんな症状が出ています、そういえば、この薬を飲み始めてからです、と伝えれば、医師は新しい薬が影響しているとピンと来るはずです。

また病院の専門医に、たとえば他科で処方されている薬との飲み合わせについての相談をするのは得策ではありません。前編でお話ししたように、専門医以外に全身を診てくれる主治医を別に持つことが必要であり、薬のことなどはその主治医から専門医に確認してもらえばよいのです。つまり、主治医は患者にとっての「医療代理人」であり、専門各科間の治療方針の調整や、医師同士が相談すべきことがおまかせできる医師だと考えてください。この医療代理人を通せば、患者やその家族、ケアマネジャーが直接、専門医に確認するより話が早いと思います。

川越 正平 先生医師の中には、自分の頭越しに他の医師に診てもらうことを良しとしない人もいます。褥瘡のことで医師の判断を仰ぎたいのなら、「褥瘡のことが気になるので皮膚科にかかりたいと家族が希望していますが話を進めていいですか」と投げかけるといいでしょう。その上で皮膚科の受診に同行すれば、皮膚科医からスムーズに適切な判断を仰げるでしょう。

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川越 正平 先生のご紹介

川越 正平 先生

東京医科歯科大学医学部卒。虎の門病院内科、血液科勤務を経て、1999年、千葉県松戸市にあおぞら診療所を開設。医療面だけでなく生活を支える視点も持って、在宅療養している子どもから高齢者までの患者に対する訪問診療を行っている。また、よりよい臨床活動を行っていくために、介護等との連携や教育、研究、啓発などの活動にも熱心に取り組んでいる。

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