【ケアマネジメント スキルアップ講座】Vol.7 ケアプラン作成のコツ・着眼点・改善方法(前編)~その利用者らしさを引き出すアセスメント~

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ケアマネジャーに求められるスキルについて、その分野の専門家からのアドバイスを紹介する「ケアマネジメントスキルアップ講座」。今回はアセスメントとケアプラン作成を取り上げます。
ケアプランについては、今も「自立支援に資するプランになっていない」「個別性への配慮が足りない」などの批判を受けがちです。そこで、よりよいケアプラン作成のために必要なスキルについて、アセスメントのあり方から、日本ケアマネジメント学会理事で株式会社フジケア社長の白木裕子先生に伺いました。
2回シリーズ前編のテーマは、「その利用者らしさを引き出すアセスメント」に必要なスキルです。

その利用者らしさを引き出すアセスメントに必要なスキルとは?

困りごとの背景にある思いを聞き取る面接力
時代背景、生活環境についての情報力
本人の気づかないニーズを見出す注意力

上記の3つのポイントを意識しながら、利用者様の目線で関わることが重要です

必要なこと【1】困りごとの背景にある思いを聞き取る面接力

白木 裕子 先生

ケアプラン作成というと、書き方ばかりに意識が向いているケアマネジャーが少なくありません。しかし大切なのは、ケアプラン以前にアセスメント。まず、アセスメントでその利用者らしさを聞き取れなくては、その方の思いを反映したケアプランは作れません。そこで必要なのが面接力です。

例えば、買い物に行けなくて困っていると聞いて、いきなり「ではヘルパーさんに買い物に行ってもらいましょう」と提案していませんか。そうではなく、まずは買い物に行けない背景を確認しなくてはいけません。近くの商店が閉店したからなのか。最近転倒して1人で歩くのが怖いのか。重いものが持てなくなったのか。認知症で計算ができなくなったのか。背景とそこにある思いを聞くのです。

認知症の人の場合には、サービスを勧めても、「大丈夫、何も困ってないから」と言われることがよくあります。では、「大丈夫」の背景にはどんな思いがあるのか。老いた自分を認めたくないのか。記憶が薄れていく自分が不安なのか。周囲に迷惑をかけたくないのか。そうした心理社会的背景を想像し、聞き取っていく力が必要です。それができないと、その方の生活モデルは見えてきません。

「もう一度買い物に行けるようになって、旬の食材で料理をしたい」「夫と苦労して建てたこの家で暮らし続けたい」というような、その方の思いから発せられる言葉を聞き取ってこそ、その方の生活の奥行きを知ることができます。そしてそれが、その方らしさを反映したケアプランにつながっていくのです。

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必要なこと【2】時代背景、生活環境についての情報力

白木 裕子 先生

その方らしさを理解するには、その方が生きてきた時代背景や生活環境について、ある程度思い描けるだけの情報を持っておくことも大切です。例えば、昭和ひとケタ生まれの女性が田舎で女学校を卒業したあと東京に出てきて就職し、結婚したと聞いたとしたら、どうでしょう。この時代に娘を女学校に通わせられるだけの経済力のある家庭だった、単身で東京に出てくることができる人的社会資源があった、娘を単身で東京に就職させる進歩的な父親だった、というようなことがパッと思い浮かべられるといいですね。そこで、こちらから「進歩的なおとうさまだったんですね」という言葉が出れば、「そうなのよ、うちの父はね…」とその方の生活史が自ずと語られていくのではないでしょうか。

では、思い浮かべられるだけの情報力をどうやって身につければよいでしょうか。一番には、事例検討会に参加してできるだけ多くの事例に触れることです。ケアマネジャーとして自分で担当できる人数は限られています。どういう時代にどういう環境の中で育った人が、どのような人生を送ってきたのか、様々な事例を聞くことでイメージしやすくなると思います。また、いろいろな小説を読んだり、映画を見たりするのもいいと思います。要は、人生の多様性を知ることが大切なのです。

白木 裕子 先生アセスメントで標準項目を聞き取れたからといって、それでその方をアセスメントできたわけではありませんし、ニーズがつかめるわけでもありません。標準ではないところにその方なりの人生があり、その方らしさがあるのです。この人はどんな人だろう、どんな生活を送ってきたのだろう、もっと知りたいと、情報力を駆使しながらその方に関心を持って聞き取ってほしいのです。その方の全体像がつかめたところから、ようやくケアマネジャーの仕事は始まるのです。アセスメントは1回で終わるものではないことをわかっていてほしいと思います。

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白木 裕子 先生のご紹介

白木 裕子 先生

介護保険開始当初からケアマネジャーとして活躍。2006年、株式会社フジケアに副社長兼事業部長として入社し、実質的な責任者として居宅サービスから有料老人ホームの運営まで様々な高齢者介護事業を手がけている。また、北九州市近隣のケアマネジャーの連絡会「ケアマネット21」会長や日本ケアマネジメント学会理事として、後進のケアマネジャー育成にも注力している。著書に『ケアマネジャー実践マニュアル(ケアマネジャー@ワーク)』など。公益社団法人福岡県介護支援門員協会常任理事。

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