【ケアマネジメント スキルアップ講座】Vol.16 総合事業の開始で、これから必要となるケアマネジメント力とは?

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2016年4月、『ケアマネジメントツール ~地域資源のつなぎ方~』を発行した川崎市。
『ケアマネジメントツール』シリーズは、すでに『訪問介護・ケアマネジメントツール ~生活援助の考え方~』(2007年)、『ケアマネジメントツール ~ケアプラン確認マニュアル~』(2011年)の発行実績があり(いずれも2014年改訂)、今回は第3弾の発行となるそうです。様々な地域の資源の活用が求められるなか、保険者と実務者がどのような経緯で第3弾のケアマネジメントツールを作成したのでしょうか。
座談会では、市の担当者および編集委員の方々に、制作の経緯や、これからのケアマネジメントのあり方などについてお話をうかがいました。

川崎市オリジナルの『ケアマネジメントツール』とは

―シリーズ第3弾がこの4月に発行されましたが、このシリーズは、もともとどのような経緯で発行に至ったのですか。

<中村>『ケアマネジメントツール』は、制度の変わり目につくっているのですが、そういう節目になると、ケアマネジメントのあり方が議論の対象になります。
第1弾『訪問介護・ケアマネジメントツール ~生活援助の考え方~』(2007年)は、「同居家族がいる場合の生活援助」の解釈が全国的に混乱していた時期に、考え方の整理を行いました。
第2弾『ケアマネジメントツール ~ケアプラン確認マニュアル~』(2011年)は、国が自治体に向けて配布した『ケアプラン点検支援マニュアル』を、ケアマネジャーの自己点検にも使ってもらえるように、ケアマネジメントプロセスに沿った構成に再編集しました。皆さんとの議論の結果、国マニュアルにはなかった「インテーク」のチェックシートを新しく追加するなど、現場の方が使いやすい形を追求した構成になっています。

<中馬>どちらも一番のポイントは、法的根拠を載せたことですね。根拠がはっきりしたことで、ケアマネジャーや訪問介護員が、自信をもって業務にあたれるようになりました。
誰でも無料でダウンロードできるようにしたら、全国各地でダウンロードされ、活用されました。

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保険者と実務者とが協力できる理由

―保険者と実務者とがいっしょに、しかも全国に先駆けて、目線合わせができるのはなぜですか?

<中村>現在は別の形になっていますが、川崎市では、在宅介護支援センター、介護支援専門員連絡会と保険者である行政が、制度運営について協議する場を設けていた歴史があります。そういったものがベースとなり、お互いに意見が言いやすい関係が続いています。

<中馬>様々な立場の人が『ケアマネジメントツール』の作成に関わってきましたが、介護保険制度や地域包括ケアの理念である「高齢者の自立支援」という目標は、関係者の中でブレていません。私たち連絡会は、「職能団体・職能人」としてどうあるべきか、を考えた活動を心がけています。そして自分たちの立場の主張ではなく「市民(利用者)」の生活のためにどうしたらよいかという視点で話をします。
それぞれが1つの目標に向かって、専門性を活かし意見交換をする機会を数多く持つことで、質の良い信頼関係が築けているのではないかと思います。

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第3弾を作ったきっかけ

第3弾となる『ケアマネジメントツール』を作ったきっかけを教えてください。

<中村>今回の第3弾『ケアマネジメントツール ~地域資源のつなぎ方~』は、将来的な介護ニーズの増加に備えて、保険サービスに限らず「多様な主体(地域資源)」が一体的に高齢者の暮らしを支えることが必要だ、という議論が出発点でした。
折しも総合事業が始まり、このテーマは取り上げられる機会が増えましたが、本来、ケアマネジメントに求められる要素の1つのはずです。
ただ、具体的な手法が整理されず、現場としても何をどうすればよいかが分からないという状態だったので、今回、整理をすることになりました。
福祉現場の方だけではなく、経済労働局の富澤係長にも議論に入ってもらったので、福祉的な視点とは違う切り口の内容も盛り込むことができました。

<富澤>ケアマネジメントツールの検討に先立って実施したアンケートでは、高齢者の支援につなげる“地域資源”というもののイメージが、福祉的なボランティアなどの特定のものに偏っているという結果が出ていました。
しかし実際には、介護・福祉が本業ではない民間企業が介護の分野に参入し、本業を生かしながら高齢者向けに事業展開を行うケースが増えています。経済労働局は、それをもっと多くの方に知ってもらいたかったんです。


―現場の方は、介護が本業でない民間企業が、シニア向けにサービスをシフトしてきていることをどう捉えていますか

<塚田>地域包括ケアに向けて、地域で高齢者を支えていこうとしても、まだまだその基盤は十分ではありません。将来に向けて地域づくりに取り組みながら、支援の主体に民間企業も含めて考える必要があると思います。

<中馬>「多様な主体」とは、ボランティア団体だけでなく、地域住民を含め、スーパーやコンビニ、クリニックもあてはまります。それを明確にするため、『ケアマネジメントツール』の冒頭部分で、「地域資源」という言葉の範囲を幅広く定義づけています。


―第3弾の最大のポイントはどこですか。

<塚田>われわれ実務者が地域にある様々な資源に気づけるような構成になっていることですね。ある事例では、酒屋からつながりが発展していくという流れが描かれています。
地域での暮らしを支えるには、制度上の決まった資源だけでなく、その人の住む町内の独自資源やその人の地域のなかでの日常的なつながりまで見ていく必要があります。
これまで以上に広い視野で見ていくことが必要だということが明確になったと思います。

<中村>塚田さんがおっしゃった「地域での暮らしを支える」ことが、実は第3弾の最大の狙いなんですよね。地域での暮らしを支えようとするときに、保険サービスだけではなく他の資源につなげたほうが、よい結果がでる場合もあるんじゃないかと。
専門職の支援も万能ではありません。時にはその人の地域とのつながりを疎遠にしてしまうことだってあります。
実際のケースを検討するなかでそのような考えに至り、この冊子では、いろいろな資源から最適なものを選ぶための入り口の部分を示すことを心がけました。

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『ケアマネジメントツール』は、以下よりダウンロードができます。≪川崎市介護支援専門員連絡会HP≫

座談会メンバー

中馬三和子
川崎市介護支援専門員連絡会 会長

塚田治孝
川崎市社会福祉協議会 登戸地域包括支援センター 所長

富澤昌希
川崎市経済労働局次世代産業推進室

中村肇
川崎市健康福祉局長寿社会部高齢者事業推進課

(敬称略、五十音順)

<司会>
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