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おむつ実践講座 症状別の尿もれ対策方法をご紹介します。

自立排泄できるが尿もれにお悩みのIさん

対象者のプロフィール

【Iさん/85歳/女性/要支援2/45㎏/大阪府吹田市在住】
Iさんは、息子さんと同居。最近、夜間のトイレに間に合わなくなり、失禁するようになりました。ご本人は失禁を隠していましたが、日中に訪問したヘルパーさんが洗濯で気づき、その様子を息子さんへ伝えることで判明。息子さんが代わりにおむつを購入してきましたが、Iさんはおむつの着用を嫌がっています。悩んだ息子さんは、ドラッグストアでもらったパンフレットをもとに 「花王・リリーフふれあいダイヤル」 に電話されました。

相談内容

■最近、夜間のトイレに間に合わず、失禁してしまう
■自立排泄できるため、 「おむつの使用はまだ早い」 という意識を持っているが、失禁するのでおむつの着用を強くすすめた
■おむつを一晩試してみたが、おむつのサイズが合っておらず尿がもれ、不快感で眠れなかった。それをキッカケにおむつの着用を嫌がっている

助言内容・対応方法とその結果

メンタル面のケア

Iさんは失禁して気落ちしているところへ、息子さんからきつい口調でおむつの使用を強要された上、サイズやタイプが状態に合わなかったため、おむつに対して強い不信感を抱かれてしまいました。自立排泄が可能な方の中には、失禁の事実を認めなかったり、おむつの着用に強い抵抗感を示したりする方もいます。そこで、排泄補助製品は、老眼鏡や杖と同じように高齢者が自立した自分らしい生活を送るための“ちょっとした手助け”として利用できること、従来のかさばって外見からも一目で紙おむつとわかるようなものではなく、薄型で普通の下着感覚ではけるパンツタイプのおむつを多くの高齢者が使用されていることを説明してあげましょう。また、“おむつ”という表現ではなく、“使い捨ての下着”や“パンツ”と呼ぶことで、おむつへの抵抗感を軽減できます。

身体状況の確認

ご家族は、高齢者が夜間、トイレに急ごうとするあまり転倒するおそれがあることを心配しています。ご本人も、冬の冷えこむ時期は長時間の外出を控えている状況です。

アドバイスと対応

息子さんからIさんに 「転倒して骨折でもしたら大好きな観劇に行けなくなってしまう。専門家におむつのもれないはき方のアドバイスを聞いたので、夜、無理に起き上がらずに、もう1度パンツを試してみよう」 と、やさしく話してみてください。Iさんは1人でトイレに行き、パンツの上げ下げもできるので、普通の下着のように上げ下げがしやすく、肌触りのよい薄型パンツタイプのおむつがおすすめです。使い慣れた下着感覚で利用できるため、おむつに対する抵抗感を取り除けます。これらのご相談内容とアドバイスをまとめた冊子 「アドバイスブック」 を作成し、サンプル製品・製品カタログとともにお送りしました。

結果

後日、息子さんから 「花王・リリーフふれあいダイヤル」 でアドバイスされたとおり、母に話してみた。送ってもらったパンツタイプのおむつを手に取った母は、初めて試したタイプより薄型でやわらかいことに驚いていた。これならはいてみるというので試用してみたら、母は『このパンツはすっとはけて、ピッタリ身体に合うのに圧迫感がない。普段はいている下着みたいだし、夜間におむつに排尿してもサラサラなので、朝までぐっすり眠れた。好きな観劇にも出かけられる』と喜んでいた」 と電話をいただきました。

ケアマネジャーの皆さんへのワンポイントアドバイス

夜間の失禁を経験されると、私たちの想像以上に精神的ダメージが大きいことがあります。排泄補助製品をおすすめする際、同情めいた口調や子ども扱いした態度をとってしまうなど、気落ちしているご本人に対し、プライドを傷つけたりしないよう心掛けてください。おむつへの抵抗感を抱きやすい初心者には、下着感覚ではけるおむつの存在を知っていただきましょう。薄型でやわらかく、肌触りの良いパンツタイプは、おむつに対する抵抗感も減らします。外出したり、ご自分で排泄されたりするような比較的軽度の排泄障害の方におすすめです。

おむつはサイズが適正でないと、もれやすく、使用される方に不快感を与え、おむつ着用拒否の誘因となります。また大きすぎるおむつは、もれの原因となり、おむつがきつすぎると脚の付け根などに圧迫感を感じます。装着したときの腰の深さ、ウエストや脚まわりのサイズなど、体型に合ったものを選びましょう。おむつ使用時の肌のムレを防ぐためには、通気性のあるものを使用してください。通気性に優れたおむつは、尿をしっかりガードして、おむつの中の湿った空気を外に逃がしますから、ムレる心配がありません。排泄トラブルを解消するためには、その人の心や身体に合ったおむつを選びましょう。そのためには周囲の方々のきめ細かい観察力・注意力が必要です。ケアマネジャーの皆さんには、本人はもとよりヘルパーさんやご家族からの排泄状況に関する情報収集を継続的に行って、トラブルを解消または未然に防ぐようにしてください。

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