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おむつ実践講座 症状別の尿もれ対策方法をご紹介します。

おむつを使っていても、暑い季節は爽快な気分で過ごしたいMさん

対象者のプロフィール

【Mさん/70歳/男性/要支援1】
Mさんは、動作はゆっくりですが、一人でトイレに行き、問題なく排尿できていました。しかし最近は頻尿傾向にあり、夜中に3回ほどトイレに起きることがあります。日中は健康維持のために家の周囲を散歩していますが、外出時にもトイレに間に合わなくなったらどうしようという不安が強くなり始め、外出頻度が減ってきています。

このようなMさんを心配した同居の娘さんが、厚型の紙パンツを買ってきて、Mさんにすすめました。Mさんは「トイレに間に合わないかもしれない」という不安が解消されたらと考え、試しに使い始めました。
しかし気温が高い日が数日続いてからは、Mさんはおむつを使わなくなってしまいました。どうやら暖かい日には、おむつの中のムレが気になってしまうようです。娘さんは、どのおむつがMさんに合っているのか分からない状況で選んでしまったことを後悔しました。

娘さんは、たまたまお店でみつけた紙パンツを買ってきたのですが、確かに気温が高い日に厚型の紙パンツではムレそうだし、Mさんが外出時に履くズボンのシルエットがいつもと違ってモコモコしていることが気になっていました。
「もっと父に合うおむつはないだろうか?」。そう考えた娘さんは、Mさんが暑い時期も快適に過ごせるおむつはないか、ケアマネジャーに相談しました。
するとケアマネジャーは「花王・リリーフふれあいダイヤル」を紹介してくださり、娘さんは早速、相談の電話をしました。

相談内容

■昼間もトイレに間に合わないかもしれないという不安があり、日課である散歩などの外出頻度が減ってきている
■夜間頻尿がある
■外出時、厚型の紙パンツを使っているとムレる
■Mさんにあったおむつを選び、暑い時期も快適であってほしい

助言内容・対応方法とその結果

メンタル面のケア

Mさんは要支援1で、身の回りのことはご自身で行っています。しかし最近、失禁に対する不安が大きくなってきています。娘さんはこの不安を解決してあげたいという気持ちから、初めてのおむつ選びは、たくさんモレても大丈夫なようにと、お店ですすめられるままに厚型の紙パンツを購入しました。

娘さんのすすめでおむつを使い始めたMさんですが、今までの下着と比べて、ムレ等の違和感があるご様子です。心優しいMさんは、自分のためにおむつを買ってきてくれた娘さんに直接「いやだ」とは言いませんが、厚型の紙パンツを使うことで、「ついにおむつを使うようになってしまったか」という思いがあり、Mさんご自身の自尊心が傷ついていることが懸念されます。

そして娘さんが感じている以上に、Mさんご自身が出来るだけ快適に過ごしたいと思っているのではないでしょうか。「花王・リリーフふれあいダイヤル」では、Mさんの自尊心に配慮した上で、相談対応を行いました。排泄ケア用品は、ご利用者様にとってより快適で安心できる対処品選びが重要です。

身体状況の確認

Mさんは、大きな病気こそ抱えていませんが、動作に時間がかかります。自力でトイレで排尿ができていますが、昼間も夜間も頻尿傾向にあるので、「トイレに間に合わないかもしれない」という不安をお持ちです。

アドバイスと対応

【対処品の選び方 ~紙パンツの種類と選び方~】
尿失禁が心配で、外出を控えていた方も、紙パンツを上手に使うことで、心配から開放され、今までと変わらない生活を送ることができます。また、夜間も、何度もトイレに起きることなく、ぐっすりおやすみいただくことができます。

下着につける失禁専用のパッドでは不安な場合は、紙パンツを選びますが、紙パンツと一口に言っても、吸収力、厚み、はき心地などは商品によって異なります。そのため、ご利用者様のお身体の状況、取り替え頻度、トイレでの排泄がどの程度できるか等によって使い分けましょう。

ご自分でトイレに行って排尿できるかどうかが、紙パンツを選ぶ目安となります。Mさんのように、通常はトイレで排尿していて、安心のためにおむつを使用したい場合は、下着に近い薄い紙パンツを使うと、違和感も少なく、移行がスムーズに行えます。

今回は、暑い季節も快適に過ごせ、木綿の下着のように薄いはき心地の「リリーフ パンツタイプ 超うす型まるで下着」をおすすめしました。 また、おむつ内に排尿することが、1日のうちに数回ある場合は、尿とりパッドを併用しやすい「薄型」を、夜間の頻尿など量が多い場合は、吸収量がたっぷりある「厚型」をおすすめします。

【超うす型の紙パンツの特長】
1)外出先でトイレが間に合うか気になる方が、長時間使う場合に適しています。おむつの全面が通気性に優れ、木綿の下着のように薄い「リリーフ パンツタイプ 超うす型まるで下着着」なら、ムレやかぶれに悩まされることがありません。 また木綿の下着のように薄くてやわらかいので、おむつの使用に抵抗がある方でも違和感が少なく、下着代わりとして安心して今までどおりの生活を送っていただけます。

2)従来の「薄型」や「厚型」の紙パンツは、胴まわりにギャザーがあり、モコモコしがちです。しかし「リリーフ パンツタイプ 超うす型まるで下着」は、胴まわりに伸縮性のある素材を使用しているため、生地自体が伸び縮みします。そのため、おなかまわりもスッキリし、ズボンをはいても目立たず、シルエットがスッキリします。

【家族から使用をすすめる場合のワンポイント】
「トイレに間に合わないかもしれない」という不安が出てきたからと言って、いきなりおむつを商品パッケージごと渡されたら、どなたでもショックを受けるのではないでしょうか。Mさんの場合も、娘さんがよかれと思って買ってきてくれたものであっても、ごわごわした厚型の紙パンツを渡されたことで、口には出さなくても少なからず自尊心が傷ついている可能性があります。

超うす型の紙パンツは、下着の代わりに履いていただくものですので、ご利用者様には敢えて「おむつ」と言わず、「新しい下着ですよ」「便利な使い捨ての下着がありますよ」などと伝えるようにすると、スムーズに受け入れてくださるかもしれません。また、商品パッケージのまま部屋に置くようなことはせず、紙パンツをパッケージから出し、下着が入っているタンスにしまいましょう。それだけで、ご利用者様の気持ちも、ずいぶん和らぐものです。

結果

Mさんの娘さんに、紙パンツの選び方の説明とサンプルをお送りしたところ、以下のような返事をいただきました。
「モレが心配で、厚型の紙パンツを買いましたが、父はひとりでトイレにも行けるので、排尿5回分の厚型の紙パンツまでは必要なかったのですね。アドバイスをいただいて、紙パンツにもいろいろな種類があることがわかりました。

厚型の紙パンツはモコモコしてしまい、傍目からもかわいそうに見えました。後になって父に聞いたら、外に散歩に行くと、おむつの中がムレて不快だったそうです。
しかも、『ついにおむつを使うようになったのか。もうおしまいだ』と思い、かなり気落ちして、外出も嫌になっていたそうですが、わたしのほうでは、そこまでは気がつきませんでした。
アドバイス通りに「リリーフ パンツタイプ 超うす型まるで下着」をすすめたら、『これなら、外に行くのも恥ずかしくない。町内の友だちの家に将棋をさしに行きたい』と明るい表情を見せてくれました。
今回、専門のアドバイザーの方に、紙パンツの選び方やすすめ方をわかりやすく説明してもらえて、ありがたく思いました。そして何より父の笑顔を見ることができたことが、私にとっては救いでした。非常にうれしかったですね」。

ケアマネジャーの皆さんへのワンポイントアドバイス

トイレが心配になってきたご利用者様とご家族様は、お店に行ってもいろいろな商品があり、どれを選んだらよいかわからないケースが少なくありません。 排泄はとてもデリケートな問題ですが、ケアマネジャーとして、ご利用者様がどの程度の頻度でトイレの不安があるのか、基本的にトイレで排尿できるのかをしっかりと把握し、安心して過ごせる対処方法を判断するアセスメントが重要です。

例えば、トイレに間に合わない不安が大きい場合でも、通常はトイレで排尿できる方で、できるだけ下着で過ごしたいのであれば、失禁パッドを選ぶこともあるでしょう。しかし、今回のMさんのように安心感を求める方の場合、はき心地が下着に近い紙パンツを使うことで、ご利用者様も今までどおりの生活をすることができます。 特に梅雨や暑さが気になる時期には、ご利用者様ご本人が少しでも快適に過ごすことができるよう、できるだけ商品の情報を集め、上手におむつを選びましょう。

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