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現場発!CMOライター

ケアマネのドタバタ!遠距離介護日記(2)
車社会卒業、実はそんなに困らない

2020/03/23 配信

親が認知症になったら、うまく介護できるかな―。ケアマネだって、所詮は人の子。将来の介護に不安を抱えている方も多いのでは?首都圏で暮らすCMOライター・みいみさんが、親の遠距離介護で得た気づきや視点を、ちょっぴりユーモラスにつづった社会派介護エッセーです。

今回は、過疎の町で二人暮らしをする父と母に、車の運転を諦めさせた時のお話です。

発端は、2人が介護保険の認定を受ける4年前までさかのぼります。

「お父さんに『整形外科に連れて行って!』と言ったのに、全然別の所に行くの。途中でどこへ行くか忘れるのよ」―。ある日、母が笑って電話してきました。うーん…聞き流せません。

  • 私 「お母さん、運転やめさせたら?」
  • 母 「何言うの!私が病院に行けなくなるじゃない(母は免許を持っていません)。」
  • 私 「バスが家の前に来るよね?」
  • 母 「グルっと周回するから不便(いやいや、過疎の町で1日12本あるだけでも恵まれています)。」
  • 私 「タクシーだって20分ぐらいで来るでしょう?」
  • 母 「ぜいたくな!ここはどこへ行くにも車、1日何回も乗るの!都会とは違うのよ!」

いつも高笑いしながら、「私は後部座席に乗るから!」が母の決めゼリフ。悪魔です。

ところが、その2カ月後、母の決意を大きく揺るがす出来事が起こりました。中央分離帯がある片側二車線の道路で右折する際、父の車が反対車線に突っ込んだのです。

「事故にはならなかったけれど、もうお父さんの車には乗れない…」。その日、消沈した母が電話してきました。

数日後、急いで帰省し、父に「買い物に連れて行って」と頼みました。助手席で運転を観察です。

実は、運転中に母が変な注意やタイミングの合わないナビをするから、父が混乱したのではないかと内心疑っていました。でも、それは大きな間違いだったのです。しばらくは黙っていましたが、500メートルほど進んだところでたまらず注意しました。

「お父さん、急がないでゆっくり!」と私が言うと、「何を言っている、大丈夫だぞ!」と父。どうしてこの人は、こんなに訳もなく急いでいるんだろう。首も動かさなければ、目ははるか前方を見つめたまま、中央線をはみ出します。

30キロぐらいの速さでトロトロ進む、軽トラのばあちゃん達とは違い、父は猛スピードで突っ走る危険なタイプ。田んぼの用水路か貯水池に飛び込んで、車が横転する場面が目に浮かびました。

同居で説得も、運転忘れる日は訪れず…

父に運転を諦めさせるため、家族で相談して取った行動は3つ。

1.長期間、とにかく運転させないで、車のことを忘れさせる

これは大失敗。母が「車がないと困る」と言うので仕方なく、私が1年単身赴任をして同居。でも、父が車のことを忘れる日は訪れず、家族全員が精神的に参りました。ほとんど意味のない1年でしたが…、これで母も覚悟ができたようです。

2.免許を失効させる

母の希望で、免許の更新期間が過ぎるまで父に黙っていました。無事失効しましたが、当然、失効したことも毎日忘れます。

3.父の目の前で車を売り飛ばす

車を維持する意味がなくなるので、同居のタイムリミットが迫るタイミングで、母の同意を得て買い取りを手配しました。途中、父の同意署名を提出しなければならないという“ドッキリ”もありましたが、比較的落ち着いているタイミングを見計らい、母と説得してなんとかクリア。引き取り当日にも立ち合い、その場でまた父を説得しました。

「お父さん、免許失効したでしょう?また教習所通う?若い教官にあれこれ言われるけど」。私がこう話すと父は、「…いや、もういいよ」と一言。そして買い取り屋さんに向かって、「大切に乗った車だから、丁寧に扱ってくれ」と頼むと、思ったよりもあっさりと、引き渡しの署名をしてくれました。

同居を解消してしばらく、母から「バスは不便。本当に毎日疲れる」と、電話のたびに愚痴られましたが、我慢、我慢。そのうち、バスが面倒になったのか、タクシーを使いだしましたが、2カ月も経つと、親戚や友人が見かねて送迎してくれるようになりました。(帰省のたびにお詫びとお礼は欠かせません)

父はと言えば、「車はどこだ。娘が乗って行ったのか。全く勝手に!」と、今朝も怒っていたそうです。結局、どんなに家族が願っても、何年待っても、父が自発的に運転を諦める日は来なかったのです。

登場人物

みいみ

みいみ(私)
50代、首都圏在住。リケジョ後、子育てに専念。シンママとなり、2003年から介護職。ケアマネ歴4年。

両親

両親
紫綬褒章同等の勲章を持つ父はプライド高め。アルツハイマーと脳血管型混合の認知症を抱える。認知症はないが、過干渉で面倒な性格の母。地方の過疎の町、“ダンジョン”だらけの古民家で二人暮らし。

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