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転倒・骨折編(2)
防げ、骨折!「転ばぬ先の現場の知恵」

2019/11/01 配信

高齢者の生活を脅かし続ける、転倒・骨折。ケアマネ覆面座談会の後編では、在宅や施設、地域包括支援センターで活躍する4人のケアマネジャーに、それぞれの立場で取り組んでいる転倒予防の工夫などについて語ってもらった。

前編はこちら

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A:地域包括支援センター勤務、男性
B:居宅介護支援事業所勤務、女性
C:有料老人ホーム勤務、男性
D:居宅介護支援事業所勤務、女性

まず大切な筋力の維持

―転倒に関し、それぞれの立場から利用者に注意を促したり、取り組んだりしていることを教えてください。

A:利用者には、主にロコモ体操に取り組むよう促しています。

B:そうですね。筋力が衰えると転ぶ可能性も高まりますから。運動を嫌がる人には、「コンビニにも行けなくなると困りますから」と言って、取り組むようお願いしています。

庭石、砂利、落ち葉…さまざまな場所や物に潜むリスク

A:運動を勧めた上で、家庭内や地域内で転びやすい場所を見つけ出し、注意するようアドバイスします。

C:具体的にどのような場所にリスクが潜んでいるのでしょう。

A:まずは階段です。屋内はもちろん、玄関から歩道などに出るための階段も要注意です。それから、庭がある家であれば、庭石が置いてあったり、砂利が敷いてあったりしますが、いずれも転倒リスクとなります。

D:確かに。庭石は歩行のバランスを崩す原因になりかねないし、砂利は杖の安定性を奪います。

A:ある意味、お金をかけた広い家や凝った庭ほど、転倒骨折のリスクは高いといえるでしょう。逆にいうと、間取りがコンパクトな家なら、そうしたリスクはそれほどありません。

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C:リスクがある家に住む利用者には、具体的に何を伝え、どのように対応してもらうのですか。

A:転びそうな場所を避けて歩くことをお願いします。例えば、砂利を避けるように杖を突く位置を決めて歩いてもらうとか。

D:杖といえば、特に男性では使いたがらない人が多いように思います。そんな男性には、「杖なしで転んでしまえば、がっちり介護を受けることになり、余計かっこ悪いですよ」と伝えます(笑)

B:季節の変わり目、特に秋から冬に変わる時は、普通の路上でもより転びやすくなるので注意してほしいと呼びかけています。秋には落ち葉が道を埋めることがありますが、それが水分を含むと滑りやすくなりますから。それから、季節を問わず風が強い日にも転びやすいので注意してほしいとアドバイスしています。

あえて「バリアーアリ」して転倒を防ぐ!

D:私は母を自宅で介護しているのですが、母が移動する廊下などには、あえてつかまれる家具などを配置しています。いわば「バリアーアリ」。仮にバランスを崩しても、つかまったり、もたれかかったりできる場所を作っているのです。

B:施設でも同じような工夫をしています。施設で住宅改修などをすると、利用者の10割負担になってしまうこともありますから。車いすの角度を工夫することもあります。

A:バリアフリーも、やりすぎはよくないと思う。あまりにフリーでフラットだと、歩く際の注意力まで失われます。その点、段差があると「気をつけなければ…」という意識が生まれます。

D:そうですね。車いすが必要になれば、バリアフリーのほうがいいのでしょうが、自分の足で動けるうちは、バリアーアリのほうがいいのかも。ただし、いくら工夫しても、転ぶときは転びます。だから私は「転びそうになったら、抵抗せずにゆっくりしゃがむよう心掛けてください」とアドバイスしています。

―施設では、どのような工夫をなさっていますか。

B:利用者に注意を促すより、スタッフの見守りを増やすなどの工夫が中心です。ただし人のやることには限界がある。だから離床センサーを活用したりして、安全を確保するよう努めています。

それでも、職員数が少ない夜勤中だと、対応が難しい場合もあります。トイレに行くリスクを回避するためにポータブルトイレを置くこともありますが、使おうとしない人もいますし…。

まだ低い「骨粗鬆症の進行を抑える意識」

―骨粗鬆症の進行を抑えることも大切だと思います。その進行を抑えるため、食生活や生活習慣などで配慮するよう、利用者にアドバイスすることはありますか。

B:骨を強くするビタミンDを体内で作るため、一定時間、日光浴をしてもらうようにしています。ただし、食生活については…。

D:骨粗鬆症の進行を抑えるために食生活を改善しようとする人は少ないです。特に閉経後の女性は骨がもろくなって当たり前と思っているから、あまり関心を持ってくれません。そもそも骨粗鬆症の怖さが、世間一般にあまり伝わっていない気がします。

D:骨粗鬆症の進行を抑えるためにどんな食事をして、何をすればいいのかについて、理解しているケアマネもあまりいません。

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A:薬剤師や理学療法士らと介護の連携は進んでいますが、栄養士や歯科衛生士との連携はまだ不十分です。その点も影響しているのでしょう。

さらに言えば骨粗鬆症は医師の診断によって、はじめてはっきりするものです。それだけに骨粗鬆症かどうかはっきりしないのに、何かを積極的に働きかけようとする動機は起こりにくいのかもしれません。

B:それでもサプリメントなどでカルシウムを積極的に摂取している人もいます。そういう人に対しては、薬と飲み合わせが悪いサプリメントを避けるよう、薬剤師さんに服用の可否を聞いてみてほしいとアドバイスしています。

診断を勧めるのも簡単ではない実情

―すると、骨粗鬆症かもしれない人に対し、診断を受けるよう勧めることが重要ですね。

A:確かにそうなのですが、それも簡単ではありません。

C:外見だけでは、骨粗鬆症かどうかを見分けることが難しいですから。ただ、出産経験が多い方には、「骨密度を調べたことがありますか」と聞いてみたりすることはあります。

D:転びやすい人には、受診を勧めることはありえますが…。

―転びやすい人は、どうやって見分けるのですか。

C:一概には言えませんが、体幹がぶれてふらついている人は危ないかなあと思うけど。

A:確かに。ただ、「危ないなあ」と思う人ほど転ばなかったりするんですよね。

C:そう。むしろ、転びそうにもないしっかりした人ほど、転ぶことが多いようにも思います。

アセスメントシートに骨密度や骨折に関する情報を

―例えば、アセスメントシートに骨密度や過去の骨折に関する情報を聞く項目を盛り込むと、骨粗鬆症に対する利用者やケアマネの意識を高めることはできるでしょうか。

C:ああ、なるほど!

A:確かに、そうですね。問題はどんなことを聞くかですが…。

D:転びやすいかどうかや、骨折しやすいかどうかがわかるような項目があると便利でしょうね。例えば50歳代に骨折したことがあるか、といった項目は有効なのでは。女性であれば、そのころから骨がもろくなる人もいますので。

B:そうですね。そういった情報が前もってあれば、準備も対応もしやすくなります。

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