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“ケアマネの卵”が考える介護とは?

「令和」が幕を開けてから、まもなく半年が経ちます。AI(人工知能)を活用したケアマネジメント、事業所内での書類の削減…。近い将来、ケアマネジャーは働き方の変革を迫られることになります。激動の時代を迎えるケアマネについて、新時代の介護を担う学生たちはどう考えているのでしょうか。今回、東洋大ライフデザイン学部生活支援学科の高野龍昭准教授の協力で、来年春から介護福祉士として現場に立つ5人の学生にお話を伺いました。

学生のホンネ座談会

東洋大ライフデザイン学部生活支援学科
写真左から:高野龍昭准教授、介護福祉コース4年・斉藤晴奈さん、三井涼雅さん、石井誠さん、佐々木勇人さん、渡邊光紀さん(以下、敬称略)

―皆さん、なぜ介護福祉士になろうと思ったんですか。

三井:入学後のガイダンスで、介護福祉士のコースがあることを知りました。「嫌なら途中で辞めればいいや」と思って、軽い気持ちで申し込んだら、2年の時に、祖母が病院に入院して、退院後に老健に入ることになったんです。そこから本腰を入れた感じです。

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石井:千葉の田舎が地元なんですが、高齢化率は40%で、本当に高齢者しかいないんです。高校3年の時に進路を考えた時に、将来地元で働くんだったら、福祉が一番必要だと思って、介護福祉士の資格が取れるこの学科を選びました。

高野:地方では、病院や老人ホームが有力な就職先になっていて、従業員数が一番多い会社が、病院や特養だったりする。その意味では、地方の学生の方が、介護は一般的な仕事と言えるよね。

佐々木:僕はもともと美容師になるつもりだったんですけど、親の反対とかいろいろあって、悩んだ末にこの大学に決めました。自分の仕事選びのポリシーとして、「人に感謝される」「やりがいを感じられる」「人に関わる」という3つの軸があったので、保育と介護の学科を両方受けて、最終的にこの学科の介護コースに入りました。

高野:授業では言っていないけど、福祉の仕事って、そんなにいつも感謝されるわけじゃないぞ(苦笑)。でも、職業選択としては重要な考え方だね。

渡邊:私は高校1年の時、部活で障がい者陸上競技大会に補助員として参加したことをきっかけに、福祉の現場に興味を持ちました。障がいを持つ選手のサポートをしている方たちがすごく楽しそうで、自分もそういうことができたらいいなと思ったんです。小学生ぐらいの時から、地域の高齢者の方とお話をするのが好きでした。それもあって、介護福祉士と社会福祉士が両方取れるこの学科に入学しました。

斉藤:私は高校も福祉科だったので、社会福祉士と介護福祉士の資格が取れる大学を探して、ここに来ました。私の家も田舎の方で、近所に高齢者しかいなくて、昔から高齢の方と接する機会が多かったので、そういう仕事もいいかなと思って選びました。

認知症の利用者から「死になさい」?

―4年間でデイサービス、特養、障がい者施設、訪問介護と、さまざまな現場の実習に参加していますが、印象に残っていることはありますか?

渡邊:社会福祉士の実習で行った特養で、入所者の方の言葉がすごく印象に残っています。認知症の進んでいる方がショートステイに来ていて、突然、人生について聞かれたんです。「あなた、人生で何かこだわりあるの?」と急に言われて、頭がパニックになって、「ないかもしれないです」って答えたら、その方が「こだわりがないなら死になさい」って(笑)。

高野:おそらく認知症になる前から、若い人に人生のことをきちんと考えてほしいと考えていたんだろうね。

渡邊:実習が始まった頃から、急に認知症が進んだみたいで、職員の方から「少し気性が激しくなっている」とは言われていたのですが、会話を断ち切る形になってしまって、もったいないことをしてしまいました。

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三井:自分も、特養での認知症の方との関わりが興味深かったです。実習の18日間だけでも、周辺症状が目まぐるしく変わるんですよね。前の日にずっと食堂で寝ていた人が、翌日に窓際で外の紅葉を見ながら、「きれいですよね」って話しかけてくる。こっちの働きかけ次第で落ち着いたり、気性が激しくなったりするのを見て、関わり方ってすごく大切だと思いました。

渡邊:特養で関わったロングショートの利用者さんも印象に残っています。その方は、「あの人は髪の毛が薄くて汚らしい」とか、他の利用者さんの悪口ばかり言っていました。いつも1人で、どこか寂しそうだったので、会うたびにお話をしていたら、どんどん笑顔が増えて、ネガティブな発言も少なくなり、他の利用者さんが集まるテーブルにも来てくれるようになったんです。きっと、不安だったんでしょうね。それを軽くしてあげただけで、言動が変わったんだと思います。良い経験になりました。

高野:特にショートステイの場合、本人の意向とは別の理由で利用することもあるので、ネガティブな反応が出やすいんだと思います。「本当は、ここに来るはずじゃなかったのに・・・」という気持ちがどこかにあるから、他人を馬鹿にしたり、さげすむような発言をしたりする。でも、職員が親身に対応することで、少しずつ心を開いて、環境に溶け込んでいくんだよね。

施設と地域との繋がりの弱さを痛感

佐々木:1年生の実習で行ったデイサービスが、すごくお洒落でした。送迎バスに書いてある施設名も施設っぽくなくて、職員さんのエプロンがカフェの店員さんみたいだった。自分がアルバイトで働いている施設が古いところなので、思い描いていたイメージと全然違って、びっくりしました。

三井:自分も施設でアルバイトをしているんですが、実習で訪問介護の現場を見て、施設と地域との関わりが少ないことに気づきました。施設って、まだまだ地域から断絶されているんですよね。訪問介護の実習で社会資源とのつながりというか、制度外のサービスの必要性を強く感じました。

高野:授業では、施設と地域がつながり始めてきていると教わっているから、実習で現場を見て、なおさら気になったんだね。

三井:在宅の場合、社会との距離が近いので、挨拶してくれる近所の人でさえ社会資源になる。でも、施設はそれすらなくて、本当に孤立した環境なんだなって。まだまだ改善の余地はあるんじゃないかと思いました。

石井:自分の地元にも、たくさん施設があるんですけど、やっぱり地域から孤立していて、「あそこに入ったらもう終わり」みたいなことを言う人もいる。実習で現場を見ると、施設側は地域とつながりを持ちたいと考えているのに、住民の方は、施設と関わりを持とうという意識が低いようにも感じました。

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高野:地域の人が関わっているケースでも、「かわいそうな人たちだから、行ってあげる」といった“上から目線”の人もいる。同じ仲間として接しているところはまだまだ少ないと思います。施設の方も、もっと気軽に遊びに行けるような雰囲気にならないと、真の相互交流にはつながらないよね。

居宅と施設の“ハイブリッド型”が必要

―在宅と施設の両方の実習を経験して、何か違いは感じましたか。

石井:訪問介護って、職員と利用者さんが1対1じゃないですか。だから、もし何かあった時にどう対応したらいいのかとか、1人しかいない中で、時間内にサービスを終わらせなければいけないとか、施設よりも責任が大きい印象を受けました。

三井:訪問の方が選択肢は広いと思うんですけど、ケアマネさんが忙しいせいもあって、すごく似ているプランがある。施設の場合、選択肢が施設内にとどまってしまうので、訪問の選択肢の広さと、施設の専門性の両方がうまく混ざってほしいんですよね。

高野:施設の場合、利用者のアセスメントをしっかりやって、ニーズをきちんと把握しても、サービスの内容は画一的になりがち。一方、在宅はサービスの種類は豊富だけど、ケアマネが利用者と接する時間は施設よりも少ないので、アセスメントが不足して、似たようなケアプランになってしまう。在宅は支援策が無数にあるはずなのに、もったいない結果になっているという話だね。

三井:両方のいいところが混ざればいいなと。

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渡邊:施設だと、例えば福祉用具も、こういった方にはこれを使うみたいに決まっているので、サイズが合わないこともあると思うんですけど、在宅の場合、ご家族のこととか金銭面とか、家の造りだとかを考えながら、その人に本当に合う物を選んで使っている印象を受けました。

訪問の場合、時間は短いけれども、職員の方と利用者さんが向き合えるので、利用し始めたばかりの方でも、職員さんとすごく仲良さそうに話していました。利用者さん自身の考えが出やすいというか、「これしたい」「あれしたい」という思いが尊重されている気がしました。でも、施設は集団を見ているので、サービスや支援の内容が、本当にその方に合っているのか疑問に思うこともありました。

斉藤:訪問の場合、職員の方と利用者さんが1対1で接するので、周りに人がいると話しにくいことでも、相談しやすいと思います。一方で、自宅のごみを捨てないままという方もいて、衛生面では、施設の方がいいかなとも思いました。

この続きは後編で!

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