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小濱道博の介護経営よもやま話 小濱道博の介護経営よもやま話

VOL.1制度改正の議論が本格化、居宅はどうなる?

2019/09/30 配信

第4次安倍再改造内閣が発足し、2021年の介護保険法改正に向けた審議が本格的に動き出した。焦点となるのが、給付と負担の見直しだ。厚生労働省は8月29日の社会保障審議会介護保険部会で、今後の検討課題となる8つの論点を示した。これは前回、2018年の法改正の審議に加え、政府の「改革工程表2018」や「骨太方針2019」などを踏まえたものだ。今回は、この8項目のポイントを解説したい。

(1)被保険者・受給者範囲

前回の法改正の審議に引き続き、介護保険料の負担年齢の引き下げが論点に加わった。

現行制度では、40歳から介護保険料の支払いが始まる。これは、介護保険サービスを利用する高齢者は、その子ども世代が支えるという前提で設けられた基準だ。介護保険法ができた2000年当時、65歳以上の親がいる子どもの年齢は、概ね40歳以上だった。

しかし、昨今の晩婚化によって、第1子の出産年齢も高くなっており、これに伴い、65歳以上の親を持つ子どもの年齢も若くなっている。2000年の時点では、65.4歳の母親の第1子が40歳だったが、2050年には33歳まで下がると予想されている。これに合わせて、負担年齢を30歳に引き下げようというわけだ。

前回の法改正の審議では、社会保障制度改革を優先させるべきであって、国民に負担をお願いするのは時期尚早だとの意見が多かった。この点を踏まえると、今回の審議でも先送りとなる公算が大きいだろう。

(2)補足給付に関する給付のあり方

現行の所得基準には、利用者が所有する不動産などの資産は含まれていない。このため、資産を勘案した基準に改めることが、前回の制度改正から継続審議されている。

実施に至らない理由としては、資産を把握したり、適切に評価したりすること自体が困難な点にある。

資産を「所得」と見なすことについても、問題が多い。所得の低い人が施設に入所している場合、食費と居住費の一部が、補足給付として補助されている。不動産などが対象に加わると、補助を受けられない人が出てしまうのだ。一見公正に見えるが、不動産は現金ではないため、年金収入などが少ない入所者は、支払いに窮することになる。

そこで検討されているのが、リバースモーゲージの導入だ。リバースモーゲージとは、不動産を担保とした貸付制度のこと。施設の入所者は、自分の所有する不動産を担保に借り入れを行い、利用料の自己負担額、食費、居住費などを支払う。貸付金は利用者の死亡後、相続人との調整の上で、不動産の売却によって回収される。回収までに長期間を要することが想定されるため、事業者の確保が課題とされている。

(3)多床室の室料負担

介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院などの多床室(4人部屋)の室料を介護保険から外し、自己負担とすることが検討されている。

特別養護老人ホームに関しては、2015年度から自己負担が導入されている(補足給付の対象者は除く)。このため、「不平等だ」とする意見も根強い。多床室の室料が自己負担になると、入所者の毎月の支払額は、1万5千円程度増える見込みだ。

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小濱道博(こはま・みちひろ)

小濱道博(こはま・みちひろ)
小濱介護経営事務所代表。北海道札幌市出身。全国で介護事業の経営支援、コンプライアンス支援を手掛ける。介護経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。個別相談、個別指導も全国で実施。全国の介護保険課、介護関連の各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター等主催の講演会での講師実績も多数。C-MAS介護事業経営研究会・最高顧問、CS-SR一般社団法人医療介護経営研究会専務理事なども兼ねる。

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