ケアマネジメント・オンラ
イン 介護支援専門員サイト

ログイン

小濱道博の介護経営よもやま話 小濱道博の介護経営よもやま話

VOL.8コロナで新局面、今こそケアマネのあり方を問い直せ!

2020/04/30 配信

2000年4月に介護保険制度がスタートして、早いもので20年になる。今回は、ケアマネジャー誕生の経緯を振り返ってみたい。

1.旧厚生省内における検討

1993年11月、旧厚生省内に「高齢者介護問題に関する省内検討プロジェクトチーム」が設置された。プロジェクトチームは翌年3月、専門家が利用者の心身の状況などを総合的に判定・評価した上で、介護サービスをパッケージとして組み立て、その後のフォローアップまでを行う「ケアマネジメント」の制度化を求める試案を公表。高齢者の自立に必要なサービスを、最適な組み合わせで提供することが目的だった。

同年12月には、学識経験者による「高齢者介護・自立支援システム研究会」が報告書を発表し、新たな介護システムの大きな柱の一つとして、「ケアマネジメントの確立」を提言した。

ケアマネジメントは、日本の介護保険制度の大きな特色の一つだ。利用者保護の観点から、高齢者や家族を専門的な立場で支援するという発想は、主として福祉分野で提唱・実践されていた「ケースマネジメント」の考え方に基づく。

先の報告書の中で、ケアマネジメントの機能として特に強調されたのが、「介護の必要な高齢者や家族のニーズを把握し、そのニーズや介護の必要度に応じ、関係者が一緒になってケアの基本方針とケア内容を定めたケアプランを作成する」ことだ。この段階では、「ケアマネジャー」という文言はまだ出てこない。

ケアマネジャーという言葉が登場するのは、1995年の老人保健福祉審議会(老健審)の審議以降であり、介護保険法で「介護支援専門員」が規定された後、社会に広がっていった。

介護保険制度は、行政がサービスの内容を決める措置制度の廃止に伴って創設された。給付と負担の関係が明確な「社会保険方式」が採用された以上、行政がケアマネジメントを独占する仕組みとすることはあり得ず、論理的帰結として「社会保険方式+ケアマネジメント」という形態がとられた。

2.老人保健福祉審議会での審議

老健審の審議では、社会保険方式でケアマネジメントを導入する意義として、社会保険の基本理念である本人の「選択権」が強調された。

すなわち、(1)サービスの利用は本人の申し込みによって開始する(2)ケアマネジメントは「サービスの仲介」に過ぎず、専門機関にケアプランの作成を依頼するかどうかは本人の「選択」である(3)サービスの利用決定も、本人が直接またはケアマネジメント機関の仲介で、サービス提供機関と契約した上で行われる―ということだ。

さらに、要介護認定とケアマネジメントの関係についても、「保険給付を受けるためには要介護認定を受ける必要があり、要介護認定とケアプラン作成は別建てである」という考え方が示された。

3.日本医師会の提案

審議の中で、「高齢者介護調整機構」という具体案を示したのが日本医師会(日医)だった。現行制度に反映されている内容も多いので、当時の日医の委員の説明を以下に抜粋したい。

「介護保険のプロセスでは、高齢者は『高齢者介護調整機構』に申告する。その機構の中でサービス提供者側、費用支払側、ケアチームから現場を知っている人が参加して要介護認定を行う。要介護認定を受けた人にはケアプランが作られ、その内容を納得するとケアプランに沿った介護が受けられるが、本人が納得しない場合もあり得る。その場合は自己決定権を持たせるべき。また、一定の時期を見てケアプランの見直しや認定の見直しを行う。そして、ケアプランは、ケアを担当する各専門家がチームとなって作成する。なお、要介護認定で介護不要とされた時でも、リハビリやフィットネスなど生活支援の分野で何らかのフォローをすべきではないか」

日医側は、「介護を要する状態になる原因のほとんどが何らかの疾病によるものである。地域においてかかりつけ医師の役割は極めて大きい」「医療なくして高齢者介護はあり得ない。かかりつけ医師を中心に、包括的ケアを提供する体制を整備することが必要である」とし、高齢者介護の分野においても、かかりつけ医の存在が重要であると強調した。

ケアチームのメンバーの1人として、かかりつけ医が参加するという提案は、医師の絶対的優位性を認める医療保険制度とは大きく異なるもので、従来の日医の考え方を超えるものだった。その後、日医は老健審の議論をリードしていくことになる。

次ページ>>4.ケアマネジメントをめぐる議論

  • 1
  • 2

小濱道博(こはま・みちひろ)

小濱道博(こはま・みちひろ)
小濱介護経営事務所代表。北海道札幌市出身。全国で介護事業の経営支援、コンプライアンス支援を手掛ける。介護経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。個別相談、個別指導も全国で実施。全国の介護保険課、介護関連の各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター等主催の講演会での講師実績も多数。C-MAS介護事業経営研究会・最高顧問、CS-SR一般社団法人医療介護経営研究会専務理事なども兼ねる。

記事一覧へ

ケアマネジメント・オンライン おすすめ情報

  • 種類、選び方はもちろん、「こんな時どうする?」実例集も掲載
  • 健康と笑顔をつくる3時間リハビリ型デイサービス
  • 動いたあとのエネルギー・たんぱく質補給に!おやつがわりにも
  • 医療連携、高齢者に多い疾患、住宅改修等を掘り下げます
  • 事務作業の負担軽減のために開発した業務支援システムです
  • ケアマネに必要な高齢者への「食事」の支援方法

介護関連商品・サービスのご案内

ログインしてください

広告掲載・マーケティング支援に関するお問い合わせはこちら >>

お知らせ