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ケアタウン総合研究所・高室代表の現場のためのマネジメント講座 ケアタウン総合研究所・高室代表の現場のためのマネジメント講座

乗り越えろ、5月病!現場のモチベーションアップ術

2019/05/28 配信

もう5月も終わりのはずなのに、どうにも明日の仕事への意欲がわかない―。案外、そんな人が多いのでは?ケアタウン総合研究所の高室成幸代表に、ケアマネジャーがモチベーションを保ち続けるためのポイントを紹介してもらいました。

厳しい「感情労働」を求められるのがケアマネ

5月病。いやな響きですね。もっとも、ケアマネをはじめとした介護従事者には、5月に限らず、燃え尽きるように仕事への意欲を失い、離職してしまう人がいます。

介護従事者が燃え尽きてしまう最大の理由は、介護の仕事が「感情労働」ということにあります。

肉体労働とは主に身体を使った労働のこと。頭脳労働とは主に頭を使った労働。「感情労働」は主に心や感情を使った労働と考えればよいでしょう。例えるなら、マンションの建設現場は肉体労働、設計士や現場監督の仕事は頭脳労働、完成したマンションを販売する営業職が感情労働といったところでしょうか。

感情社会学者のA.R.ホックシールドは、ユーザーに接する仕事で各種の店員や接客業など自分の感情をコントロールするサービス業の多くが「感情労働」に該当する、としました。その中でもとりわけ厳しい「感情労働」は介護と看護であると指摘しています。

例えば、店員は顧客に商品を販売する際、できる限り「にこやかな感情」を使って接することを求められます。ただし、販売の仕事の多くは、長い時間、連続して笑顔でいることを求められるわけではありません。例えばコンビニエンスストアの店員であれば、せいぜい1分程度でしょう。他の接客業でも、長くて1時間くらいではないでしょうか。

ところが、ケアマネを初めとした介護従事者は、それよりもずっと長い時間、連続して「感情労働」を強いられます。働いている間中、自分の感情を使って対人援助を行うことを強いられているのが介護現場です。

さらに介護・看護などにおける「感情労働」の難しさは、単に笑顔で愛想よければいい、というわけではないという点です。みなさんが寄り添わなければならない利用者(家族)は、イライラしていたり怒っていたり、悲しんでいたり、自罰的だったりと、マイナスの感情を抱えている場合が多いでしょう。そんな利用者に共感的に寄り添うためには、笑顔だけではなく、怒りや悲しみの感情を使って寄り添うことになります。これはほかの感情労働者よりはるかに難易度の高い行為です。

その上、介護を受ける人は、一時的に改善がみられても長いレンジでみれば身体機能や認知機能が衰えていくプロセスを経ます。ですからみなさんは「達成感」を得るより「不全感」「未達感」のなかで仕事をしなければなりません。

つまり介護従事者は、他業種と比べても難しい感情労働を、それも長い時間にわたってこなしているのです。だから本人の自覚の有無に関係なく心が疲れてしまっている(感情疲労)。疲れが高じて心的感覚麻痺の状態になれば、「感じることさえ」できなくなります。「これではダメだ」と自分をさらに追いつめてしまうと、やがて燃え尽きてしまう職員が生まれるのです。

対策その1-自分の性格と価値観を改めて把握して!

この環境で燃え尽きずに働き続けるには、まず、自分がどういう性格で、どんな価値観の持ち主なのかを、しっかり自己覚知(把握)する必要があります。

価値観は100種類くらいあるといわれます。例えば、のんびりとした性格の人はせっかちさんにイライラします。おしゃべり好きの性格は寡黙で静かな人は苦手なものです。約束を守ることを大事している人であれば、約束や規則にだらしない人を見ると、それだけで腹が立ってくるでしょう。誠実な言動を大切にしている人であれば、平気で嘘をつく人は許せないと思うはずです。

つまり、性格分析と価値観の把握を通し、「自分が何にストレスを感じるか」を把握しておくということです。それが分かっていれば、ストレスから自分を守りやすくなります。

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高室成幸(たかむろ・しげゆき)

高室成幸(たかむろ・しげゆき)
ケアタウン総合研究所代表。日本福祉大社会福祉学部卒。「地域包括ケアシステム構築と新しい福祉の人材育成」を掲げ、介護支援専門員、主任介護支援専門員、地域包括支援センター職員、施設の管理職、民生児童委員らを対象とした研修会で講師を務める。「わかりやすく、元気が湧いてくる講師」として知られる。
研修のテーマはケアマネジメント、介護予防ケアマネジメント、地域ケア会議、ケアプラン点検、ケアプラン作成にはじまり、メンタルマネジメント、施設マネジメントまで幅広い。著書に「新・ケアマネジメントの仕事術」 (中央法規刊)、「ケアマネ育成指導者用講義テキスト」(日総研刊)、「地域ケア会議コーディネートブック」(第一法規刊)、「本人を動機づける介護予防プラン作成ガイド」(日総研刊)、「ケアマネジャーの質問力」(中央法規刊)など著書多数。
公式サイト:ケアタウン総合研究所

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