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結城教授の深掘り!介護保険 結城教授の深掘り!介護保険

VOL.17要支援者のケアプランが、居宅に戻ってくる?!

2019/11/14 配信

2021年4月の実施に向けた介護保険制度改正の議論が、大詰めを迎えつつある。前回取り上げた「ケアプラン有料化の是非」を筆頭に、注目すべきテーマや動きはたくさんあるが、かつてケアマネジャーの業務に取り組んだ身としては、どうしても気になることがある。

地域包括支援センター(支援センター)が担っている要支援者のケアプランを、居宅介護支援事業所に戻そうとする動きがあることだ。

要支援者のケアプランの作成が居宅介護支援事業所に戻されることになれば、多くのケアマネにとって、経済的にも業務的にも大きな変化を強いられる。介護保険部会の議論の趨勢から考えて、その可能性は高いとは言えないが、今回はこの点について考えてみたい。

6500円だった要支援者のケアプランの単価

居宅介護支援事業所が要支援者のケアプランの作成も担っていた03年当時、私はケアマネとして働いていた。当時、その介護報酬は1件につき6500円。現在の4300円とは大きく異なっていた。ケアマネジメントのプロセスは、要介護者とほぼ同様で、毎月1回の訪問も義務付けられていた。

この状況が大きく変わったのは支援センターが誕生した06年4月以降だ。要支援者のケアプランに関する業務は支援センターの業務と位置付けられ、報酬も1件当たり4000円に引き下げられた。居宅介護支援事業所は支援センターからの委託を受け、要支援者のケアプランの作成を担う仕組みとなった。

委託である以上、単価は額面の4000円よりも低くなるのが普通だ。その後の介護報酬改定で要支援者のケアプランの報酬は多少引き上げられたが、今でも委託料が1件あたり4000円に満たない地域も珍しくない。(図)

居宅が要支援を「お付き合い程度」にしか受けない理由

報酬が低い分、利用者宅への訪問は3か月に1回でよいなど、負担は緩和されている。ただし、実際に引き受けてしまうと、毎月のように訪問しなければならないケースもある。さらに支援センターでのケアプラン確認などの業務もあり、その負担感は、要介護者のケアプランとあまり変らない。

むしろ、要支援者の方が要介護者よりも負担が重い場合もあり得る。例えば、何かとクレームをつけたがる人や、長い電話対応を強いる人は、要介護者より要支援者に多い気がする。

そうした事情からか、支援センターからの委託は「お付き合い程度」にしか引き受けない居宅介護支援事業所が多い。支援センターでも、居宅介護支援事業所への委託があまり期待できないため、要支援者のケアプランを作成するための専門職員を雇う例が多いと聞く。

この状況は、国の施策が生み出した結果だ。だが今、国は改めて要支援者のケアプラン作成を、できるだけ居宅介護支援に担ってもらいたいと考え始めている。

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結城 康博(ゆうき・やすひろ)
1969年、北海道生まれ。淑徳大学社会福祉学部卒、法政大学大学院修了(経済学修士、政治学博士)。介護職やケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護系の仕事に10年間従事。現在、淑徳大学教授(社会保障論、社会福祉学)。社会福祉士や介護福祉士、ケアマネジャーの資格も持つ。著書に岩波ブックレット『介護職がいなくなる』など、その他著書多数がある。

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