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ケアマネなら知っておきたい!食事の基礎知識

今、改めて注目されている高齢者をめぐる“食事”の問題。特に在宅で介護を受ける高齢者の場合、その約7割が低栄養か低栄養になるおそれがある状態に置かれているという調査結果もあります。そして栄養状態が悪いままでは、どれだけよい介護サービスを準備しても、体の機能の改善は期待できません。
「ケアマネジメント・オンライン」では、高齢者の生活を支えるケアマネジャーにとっても、決して無視できない“食事”に関する基礎知識講座を数回に渡ってお送りします。

ケアマネなら知っておきたい!“介護食”の基礎知識

間違えたくない「とろみ剤」の使い方

■とろみをつけよう ~応用編Ⅱ~

ジュースや牛乳、みそ汁など、混ざり物の多い飲み物は「とろみ」がつくのが遅いのは先述の通り。このような飲み物に、「とろみ」をつけるには、「2度混ぜ法」が便利です。

<2度混ぜ法>
(1)コップに飲み物と「とろみ剤」を入れる
(2)30秒間、かき混ぜる
(3)待つ(飲み物と「とろみ剤」の種類によりますが、10~15分待つ必要があることも…)
(4)「とろみ」がついたら再度かき混ぜる
(5)「とろみ」がしっかりついていることを確認する

正直、10分待っている間に温かい飲み物は冷めてしまいますが、この点は気にしなくて大丈夫。高齢者は私たちが思っているような適温よりも人肌に近い温度の食べ物を好む傾向が強いからです。10分待ったほうが適温になっている可能性もあります。

■「とろみ」の強さの決定は、専門の病院などに相談を

「とろみ」の強さを数値化するためには、「B型粘度計」などの大型の機械で調べる必要があります。しかし、一般家庭や介護施設で「B型粘度計」を持っているところは皆無と言ってよいでしょう。そのため従来、「とろみ」の強さについては、「ポタージュスープ状」「はちみつ状」などあいまいな表現がとられていました。

2013年になってやっと「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013」で3段階の分類が示されました。

介護食利用者の状態にあった「とろみ」をつけることが大切。写真の飲み物は左から右に、「とろみ」が強い順に並んでいる。

実際に、この分類のどの強さ(もしくは2つの強さの中間も考えられます)が、利用者に適しているのかを調べるためには、嚥下造影法を実施している病院か、言語聴覚士に相談するのが一番です。

確かに素人目でも飲み込む動作をしたかどうかの判断はできます。男性ならのど仏が動きますし、女性ものどをよく見ていると、のどが一瞬、上がるのが分かるでしょう。しかし、飲み込んだ動作をしていても、誤嚥している可能性はあります。さらに怖いことに、誤嚥をしていてもむせ込まない人もいます。高齢者の場合、喉から肺へのルートと胃へのルートをコントロールしている咽頭蓋(いんとうがい)の機能が低下している人もいます。濃いとろみは誤嚥を防ぐため、ゆっくり食道を通過しますが、それでも間に合わず、肺に飲み物がダラダラと入り続ける人もいます。そして、誤嚥に気付かないまま肺炎を発症させてしまう事例も少なくありません。

「とろみ」をつける行為は、在宅・施設を問わず、日常的に行われている、何気ない行為です。ただし、利用者に適した「とろみ」でなければ、時にはその健康を損なう要因になります。どの程度の「とろみ」が最も適当なのかについては、やはり嚥下造影法を実施している病院か、言語聴覚士に相談して決めるべきでしょう。

管理栄養士の平井千里さん

平井千里(ひらい・ちさと)
女子栄養大学大学院(博士課程)修了。名古屋女子大学助手、一宮女子短期大学専任講師を経て大学院へ進学。「メタボリックシンドロームと遺伝子多型」について研究。博士課程終了後、介護療養型病院を経て、現職では病院栄養士業務全般と糖尿病患者の栄養相談を行うかたわら、メタボリックシンドロームの対処方法を発信。総合情報サイトAll Aboutで「管理栄養士 /実践栄養」ガイドも務める。

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