令和元年度(第22回・再試験)介護支援専門員実務研修受講試験 解答

【解答速報】

【総評】

2019(令和元)年度「第22回」介護支援専門員実務研修受講試験は、2019年10月13日に実施されました。しかし、試験日前日から当日朝にかけ、台風19号が関東に上陸、公共交通機関の運休などの様々な障害が生じる可能性があったため、1都12県で当該試験が延期となりました。その結果、年が明けた本年(2020年)3月8日に、「第22回試験の再試験」実施の運びとなりましたが、今度は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大という災禍に見舞われました。

全国小中高の一斉休校要請や、集会・イベントの中止要請などが政府から出されたため、またしても、再試験の中止も危惧されましたが、再試験の中止はなく、延期となった1都12県では、予定通り3月8日(日)午前10時より、「第22回試験の再試験」が実施されました。

ただ、今般の感染症災禍により、再試験実施の地方自治体では、当該感染症の陽性判定を受けた受験者はもちろん、理由の如何を問わず①再試験受験者の棄権を認め、②棄権した者で希望する者には受験料を全額返還し、③次年度(2020年度)「第23回」試験を受験する場合は、「第22回試験申込」にて提出した証明資料につき、「第23回」試験での転用(再提出不要)とする―などの対策が講じられたと聞いています。再試験会場のすべてを知るものではありませんが、試験会場には、欠席スペースも多かったのではないかと推察しています。

新潟県中越地震などの自然災害による試験中止や再試験は、過去にもありましたが、ここまで受験者に試験学習以外の試練が課せられた年度もなかったのではないでしょうか。たとえるなら今回、再試験への対応を求められた方は、マラソンでゴール前まできて、いきなり目の前のゴールテープを1キロ先に移動されてしまったようなものです。延期決定後のモチベーションの維持、あるいは一度途切れた緊張や意欲の糸を、再び張り直すのに、様々なご苦労や葛藤があったと思います。勤務先との調整などに苦労された受験者も少なくなったでしょう。

それでも再試験に挑まれた受験者の皆様。本当に、本当にお疲れ様でした。

◆試験全体の出題傾向・難易度について

昨年10月実施の本試験(以下、10月試験といいます)が、今般の予想問題の位置づけになると考えられ、その出題内容、難易度なども、10月試験とのバランスが図られると予想していました。

再試験だからという「配慮」があったとは思えません。合格基準は10月試験(介護支援分野15点/25問、保健医療福祉分野24点/35問)と、ほぼ同程度だったと思われます。

10月試験の出題と同じ項目としては、介護支援分野の「介護サービス情報の公表制度」や、福祉サービスの知識等の「通所介護」「訪問入浴介護」「短期入所生活介護」などがあげられます。国が、これらの取り組みを重要事項と位置付けていることがうかがい知れます。一方、国が普及を目指す「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」や「看護小規模多機能型居宅介護」「小規模多機能型居宅介護」に関する問題が、10月試験、今回と連続して出題されなかったのは、色々な観点から興味深いことでした。

◆介護支援分野について

介護支援分野では、介護保険法の第1条、第2条、第7条と、条文内容についての出題がありましたが、それぞれ長寿社会開発センター版基本テキストの解説の範囲内でした。

10月試験では出題のなかった基礎基本的内容の「医療保険者」「年金保険者」「住所地特例」「保険事故と保険給付」などについては、いずれも受験者を悩ますものではなかったと思えます。

「介護認定審査会」についての出題は久しぶりでした。あわせて、「介護保険審査会」に関する出題も数年ぶりと思えますが、いずれも過去問題で取り扱われたレベルといえるでしょう。 とはいえ、問題4・選択肢4の「介護保険の保険事故に該当することと、第三者行為求償の対象となることの違い」や、問題13の「地域支援事業の分類内容」など、簡単ながら、限られた試験時間内の緊張の下では、ケアレスミスを招くような問題もあり、思い込みや表面上の理解だけでは思わぬ失点につながる可能性も予想されました。

◆保健医療福祉分野について

保健医療サービスの知識等では、10月試験の出題傾向(出題形式)を踏襲した内容でした。「てんかん」や「皮膚疾患」「排泄の介護」など、個別単独の出題や、様々な理解を並行して問うもので、いずれも、医療関係資格者には比較的簡単、介護福祉職には解答に時間がかかる出題だったと思えます。レベルとしては、10月試験と同様、例年並みの難易度だったと思います。

認知症に関しては、「中核症状と行動・心理症状(BPSD)」や「認知症初期集中支援チーム」「臨床と新オレンジプラン(地域支援事業)」など、広範にわたる出題となりました。「在宅医療管理」「検査値」など、10月試験でも出題された内容も多く、より基本的な印象を受けました。

「栄養ケア関連」や「薬剤管理関連」「訪問看護」「リハビリテーションとリハビリテーションサービス」などについては、10月試験では出題のなかったものですが、いずれも、今回試験では出題が予想できましたし、その内容も、想定の範囲内だったと思います。

福祉サービスの知識などは、10月試験も含めて例年の過去問題出題と同じレベルでした。それだけに高得点の争いになると思われます。特に10月試験で出題されたサービスや項目などを復習していた方は、余裕をもって解答できたのではないかと思われます。

もっとも、一癖ある問題も潜んでいました。例えば問題58の選択肢2の「障害程度区分」は、障害者自立支援法での区分名。しかも、現在は「障害支援区分」に名前が変わっています。これなどは、なかなかやっかいなヒッカケ問題だったといえるかもしれません。

「虐待防止(権利擁護)」関連の出題は、ありませんでした。また、問題60の「後期高齢者医療制度」に関しての出題は予想できませんでした。ただし、その内容は基本的で易しいものでした。

◆最後に…次年度「第23回」試験への影響と展望について

今回試験を解析しますと、一見、易しそうに見えますが、ケアレスミスを誘う問題も散見されました。合格基準設定も再試験だからと優遇されることはないでしょう。ただし、10月試験の合格基準とのバランスも図られると推測すれば、合格基準は介護支援分野15~16点/25問、保健医療福祉分野23~25点/35問(合計38点~41点:最大68%。正答率70%を基準として勘案)といったところで落ち着くのではないかと推察します。

さらに、次年度(2020年度)「第23回」試験の出題内容と難易度は、ある程度の合格者数の確保は必要であることから10月試験や今回の再試験のレベルでの実施となるでしょう。実施日は10月の第2日曜か第3日曜と予想します。

ここ数年、様々な面で、介護支援専門員(ケアマネジャー)受難の状況が続いていますが、介護支援専門員の重要な役割は変わっていません。さらに、現役介護支援専門員の高齢化も進んでいます。現場の関係者は、引き続き志をもって、ケアマネ資格取得並びに業務従事を考えて頂ければ幸いです。同時に、国や地方公共団体(保険者)、社会福祉協議会なども、この資格取得の支援にもう少し力を入れて頂ければとも思っています。

高齢社会権利擁護研究所 所長 野島 正典

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