知っておきたい高齢者の食事講座

vol.7 認知症の人の口腔ケアは「急がば回れ」

Q4:誤嚥性肺炎と肺炎の違いは?

■誤嚥性肺炎は肺炎の一種

肺炎とは、文字通り肺に炎症が起きている状態のことです。肺が炎症を起こす原因はいろいろありますが、その中でも誤嚥した食べ物や唾液およびそれに含まれる細菌が原因となっているものが誤嚥性肺炎と呼ばれます。つまり、誤嚥性肺炎は肺炎の一種ということなります。誤嚥以外で肺炎を起こす原因としては細菌やウイルスの感染などがあります。そのほか間質性肺炎という病気もあります。これは感染症ではなく、免疫系の理由などで肺が炎症を起こす疾患です。

Q5:胃婁があるのに誤嚥性肺炎を起こす人いるが、
それを防ぐための工夫は?

■「唾液の誤嚥」と「栄養剤の逆流」が主な原因に

胃婁をし、口から食べていない人が誤嚥性肺炎を起こすケースとしては、「唾液を誤嚥する」と「逆流した栄養剤を誤嚥する」の2パターンが考えられます。

唾液による誤嚥性肺炎を防止するには、口の中を清潔にすること。横向きに寝て、就寝時の誤嚥を抑えることも有効です。

栄養剤の逆流を防ぐには、半固形の栄養剤を使うことが考えられます。また、高カロリーの栄養剤を選び、一度に入れる栄養剤の量を減らすことも効果が期待できます。その場合、脱水にならないよう、食間などにこまめに液体だけを入れましょう。

Q6:食事をもっと楽しみ、満足できる方法を教えてほしい。

■お勧めは、フードコートなどでの外食

外食を楽しむようにするのも一つの方法です。お勧めは、屋外のカフェやフードコートで「お茶をする」こと。杖や車いすでも行きやすいし、2人で出かけても1000円もあれば十分に楽しめます。カフェには、コーヒーゼリーや各種のスムージー、プリンなど嚥下食によく似た商品がありますし、メニューに写真が乗っていることも多いため、あまり行ったことがない店でも安心して注文できます。その上、通常の店舗に比べると店員さんが少なく、気兼ねなく楽しめるというメリットもあります。

ファミリーレストランもいいですね。シチューやドリア、中華がゆなど、やわらかめのメニューがたくさんある上、スプーンですくえるデザート類も豊富です。特にお勧めはお孫さんなどと大人数で行くこと。大人数であれば、複数のメニューを頼み、ちょっとずつ試すことができます。

外食を楽しむということは家族や本人だけでは、なかなか思いつきません。できれば、ケアマネさんから、さりげなく勧めてもらうのがいいと思います。

18年度の法改正を踏まえて

4月の同時改定で、医師や看護師だけでなく、病院の管理栄養士さんとケアマネさんが情報交換をしても、病院にも診療報酬が付けられるようになりました。
これだけ環境が整ったわけですから、分からないことがあったら遠慮なく病院に問い合わせてください。例えば、病院からもらった栄養関連のサマリーで分からないことがあったりしたら、すぐに病院の管理栄養士に問い合わせましょう。
特に利用者さんがもうすぐ退院する時には、ぜひ病院に出向いて、看護師さんや栄養士さんと情報交換をしてください。さらに「退院した後、栄養に関して地域に相談する先がない」という場合は、退院から2週間後程度に、病院の管理栄養士から栄養指導を受けるという約束をしておくといいです。とにかく臆せず、上手に病院の機能を利用してください。
藤谷 順子 先生

藤谷 順子 先生

国立国際医療研究センターリハビリテーション科医長。医学博士。
1987年、筑波大学医学専門学群卒業。東京医科歯科大学神経内科、東京大学医学部附属病院リハビリテーション、国立療養所東京病院、埼玉医科大学リハビリテーション科、東京都リハビリテーション病院を経て現職。

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