知っておきたい高齢者の食事講座

vol.11 食に健康求める団塊世代、連携して対応を

買い物の有無で「食べているか」を確認

ある意味、知識を増やすことより大切と言えるのが、「高齢者が食べているかどうかを確認する」ことです。独居の高齢者や高齢者だけの世帯が増えていることを思えば、今後、その重要性はさらに増すと考えられます。

食べているかどうかを確認するには、「買い物に行っているかどうか」を見るべきですね。買い物に行かれないということは、食べ物を確保できないということとほぼ同義です。買い物に行っていないという情報を得たら、まずは、もう一度その部分に関して再アセスメントをする必要があります。

ちなみに買い物については、都市部とそうでないところでは、状況は全く違います。都市部では、少し歩けばスーパーやコンビニエンスストアにたどり着ける場合が多い環境にあります。

一方、山間部など人口密度が低い地域では、足腰がしっかりしていて預金がある人でも、自動車が使えなくなるだけで、買い物弱者になる可能性があります。今、認知症関連の施策として、高齢者に運転免許を返納させる動きが活発になっていますが、各自治体は、その取り組みを進める一方で、住民の買い物の“足”を確保する取り組みにも力を入れてほしいですね。この点についてはケアマネジャーも、もっと積極的に取り組むべきです。具体的には、巡回バスの確保などを、地域ケア会議を通し、自治体などに提案してほしいのです。

予想される利用者負担導入、「説明力」向上を

今回は食に関するテーマで話しましたが、このテーマだけでも、ケアマネジャーが身に付けるべき知識はかなりの量になります。中には、「普段の業務だけでも大変なのに、さらに勉強しなければならないのか」と感じる人もいるかもしれません。特に1人で事業所を切り盛りしている人は、そう思うでしょう。実際、1人で事業所を運営し、利用者と向き合いながら、新たな技術や知見を身に付けていくのは、本当に難しいと思います。

こうした状況に対応するため、1人ケアマネジャーの事業所も、もっと積極的に他事業所と連携すべきです。事業所間の連携が進めば、さまざまな研修も受けやすくなり、必要な知識も得やすくなります。さらに言えば、規模の小さな事業所同士が合併し、事業所の規模拡大も目指すべきではないかと思うのです。

大規模化というとそれだけで反発する人も少なくありません。確かに「自分が思い描くケアマネジメントを実現するためには1人で頑張るのが一番いい」という思いも理解できます。

ただし、その思い一つで、さまざまなニーズを抱える団塊の世代に対応できるでしょうか。

さらに近い将来、ケアマネジメントに利用者負担が導入される可能性が高いことも忘れてはなりません。なにしろ、今まで無料だったサービスにお金を払わなければならないのです。払う側であるご利用者のサービスへの意識が高まるのは火を見るより明らか。この変化を見据え、ケアマネジャーは今からより丁寧で納得して頂ける説明をするよう心掛けましょう。利用者負担の導入は、説明力のあるケアマネジャーとないケアマネジャーの「明暗」をくっきりと分けるはずですから。

制度にしても利用者像にしても、ケアマネジャーをめぐる環境は、かつてないほど激しく変化しています。そして、その変化は、ますます激しさを増すはずです。

ただし、食や制度などの知識をしっかりと吸収し、他事業所との連携にも乗り出せるケアマネジャーにとって、この変化は、リスクではなく大きなチャンスとなります。リスクをチャンスに変えるためにも、知識の吸収と他事業所との連携を、さらに心掛けてほしいですね。

吉良 厚子 先生

吉良 厚子 先生

京都介護医療総研株式会社 代表取締役、主任介護支援専門員・看護師。
愛媛県立中央病院、訪問看護ステーションにて看護師として勤務後、介護支援専門員として勤務し、地域包括支援センターで勤務。
公益社団法人京都府介護支援専門員会にて事務局長として介護支援専門員の研修に注力した後、現職。

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