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ケアマネを支える先進自治体 VOL.24
【千代田区】コロナ禍でも認知症の人のための集いを継続!(後編)

2022年11月初旬の昼下がり。東京都千代田区にある「デニーズ二番町店」の1階部分を貸し切り、千代田区が主催する認知症本人ミーティング「実桜(みお)の会」が開催されました。この日は認知症の人やそのご家族、実習で見学に来ていた学生らに加え、樋口高顕区長も飛び入り参加しました。

「このミーティングでお願いしているのは、『他の人の想いを聴きましょう』『他の人の想いを受け止めましょう』『話したこと、聴いたことは、この場に置いて帰りましょう』ということだけ。あとは、話す内容も含めて、すべて認知症の人やご家族にお任せで進めています」(菊池洋光・保健福祉部在宅支援課長)。

千代田区の皆様に、この会を進める狙いなどについてお聞きしました。

前編はこちら「認知症カフェとの違いは…」

【千代田区】コロナ禍でも認知症の人のための集いを継続! 写真左から:石倉美千代さん(保健福祉部在宅支援課 地域包括ケア推進係 保健師)
歌川さとみさん(社会福祉協議会事務局長、元保健福祉部長)
菊池洋光さん(保健福祉部在宅支援課長)
島田知子さん(保健福祉部在宅支援課 地域包括ケア推進係長)

他愛もないおしゃべりを、にぎやかに続けてもらう工夫

―貴区の職員さんと認知症の人、ご家族の熱意によって進められている「実桜の会」ですが、皆さん、どんな話をされているのですか。

島田:圧倒的に多いのは、日常生活に関する話題ですね。撮った写真とか作った料理とか。ほんと、他愛もない話ばかりです。

石倉:そうそう!例えば、卵かけご飯の話。「ご飯に卵を全部かけるか、別の器に割ってからご飯にかけるか、黄身だけご飯にかけるか、そもそも卵かけご飯は食べない」とか。

菊池:それこそ我々が休み時間に話すような内容ばかり。ご家族もそうですね。

―そういえば「実桜の会」ではテーマも掲げられていないのに、皆さん、ごく自然に話に花を咲かせていらっしゃいました。

【千代田区】コロナ禍でも認知症の人のための集いを継続!(後編)

菊池:テーマを掲げると「会議」になってしまう(笑)。自然に発生する会話こそ大切にしています。

島田:若年性認知症の方の中に、ファシリテーター役を担う方はいます。彼は上手に話を振ってくれますが、普段は、その方がいなくても自然とおしゃべりが始まっています。

―大人同士で雑談が自然発生する、というのは、簡単なようで案外難しいように思います。何か工夫されていることはありますか。

菊池:ファミリーレストランや喫茶店を会場にしていることが良いのだと思います。

実は以前、認知症家族の会(「四葉会」)を開催していた時には、高齢者総合サポートセンターかがやきプラザの会議室を使っていたのですが、白い壁と機能的な机と明るい蛍光灯に囲まれた部屋に入ると、みなさん、どうしても「会議」しているような会話になってしまい、あまり盛り上がらなかったようです。そこで、大盛りのパフェやおいしいジュースを頼めるファミリーレストランに会場を変えたところ、雰囲気が一変したのです。

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「笑顔あふれる居場所」こそが大切

―「実桜の会」の活動を拝見していて、ふと介護者の集いを取材したときのことを思い出しました。その集いに参加した人は、自身のご苦労を涙ながらに語りあっていらっしゃいました。その点、「実桜の会」の皆様が、和やかに談笑されていた様子が、いい意味で衝撃的でした。

石倉:介護者の集いでは「悩みを打ち明けましょう、吐き出しましょう」というテーマがありますよね。だから、自然とそのような雰囲気になるのだと思います。もちろん、そうした場も大切ですし、間違いなく必要です。でも…。

【千代田区】コロナ禍でも認知症の人のための集いを継続!(後編)

島田:「実桜の会」のような「笑顔あふれる居場所」も必要です。当たり前のことですが、認知症の人も、楽しく笑いあえる時間を持てますし、誰かと和やかな時間を過ごしたいと思われているのですから。

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2022年から開始した認知症サポート認証制度

―今後の「実桜の会」の展望について、お聞かせください。

島田:まずはこの活動を、地域にもっと根付かせたいですね。その一環として、2022年度から「認知症サポート企業・大学認証制度」を始めました。

千代田区は昼間人口がとても多い土地です。だからこそ、認知症の人を積極的に支援している企業や大学を認証し、連携していこうという活動です。ちなみに、認証第一号は「実桜の会」の会場を無償で提供してくださっている「デニーズ二番町店」と「カフェのん散歩」でした。

菊池:こうした連携先を増やすことにより、区のいろいろなところで「実桜の会」のような取り組みが自主的に開催される状態に持っていきたいですね。

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ケアマネジャーに期待したいこと―「会を社会資源としてとらえてほしい」

―「実桜の会」にケアマネジャーが参加することもあるのでしょうか。

島田:見学で訪れた施設のケアマネジャーさんが、次に参加された際、施設内の認知症の人を連れて来られたことがありました。また、新宿で活動されているケアマネジャーさんが半年くらい続けて参加されていたこともありました。

―貴区としては、ケアマネジャーがどのように「実桜の会」に関わってほしいと考えられていますか。また、昼間人口と夜間人口に大きな差がある上、地域によっても人口構成が全く違う貴区ですが、区内で活動するケアマネジャーに特に期待したいのはどのようなことでしょうか。

島田:端的にいえば、「実桜の会」を、認知症の人を支援する上での社会資源としてとらえてほしいですね。

【千代田区】コロナ禍でも認知症の人のための集いを継続!(後編)

単身世帯や高齢者のみ世帯が多いのも千代田区の特徴です。特に高齢者人口の7割くらいは、そのどちらかに該当するでしょう。さらに全体の人口の8~9割はマンションに住んでいます。そしてもう一つ。個人のプライバシーを守ろうという意識が高いのも区民の特徴です。

この状況を思えば、区内の高齢者は、地域から孤立しやすい状況に置かれているといえるでしょう。

そんな高齢者の孤立を防ぎうるのが、ケアマネジャーさんです。ぜひ、「実桜の会」のような介護保険外サービスの社会資源も積極的に活用し、孤立しがちな高齢者を地域に溶け込ませていく役割を担っていただけると嬉しいですね。

【千代田区】コロナ禍でも認知症の人のための集いを継続! 認知症の人の作品を集めた「Fun Piece! 挑戦の作品展」。千代田区が企画した

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