白木裕子の「実践! 仕事力の磨き方」 VOL.52
居宅介護支援での生産性の向上-誤解しがちな事、忘れてはならないポイント(前編)

日本ケアマネジメント学会副理事長の白木裕子先生が、介護保険制度や社会情勢に対応するためのポイントや心構えを、わかりやすく伝授する「実践! 仕事力の磨き方」。今回は、居宅介護支援の現場でも注目されはじめている生産性の向上について、誤解しがちな事と、忘れてはならないポイントを、白木先生がアドバイスします。
「件数が多いほど…」の誤解の先にある、恐ろしい事態
典型的な誤解は「担当件数が多い人ほど、生産性が高い」でしょう。まじめにご利用者と向き合っているケアマネジャーなら、この誤解の危険性はすぐに理解されることでしょう。
「より多くの人を担当する」ということは、「より多くの記録と書類を作成する」義務が生じるということでもあります。当然ながら「より多く」ばかりを追いかけ続ければ、どこかで書類や記録の作成が追い付かなくなることも想定できます。また、そのような状況下で運営指導が入れば、かなりの残業をして書類の整備や点検を行うことになります。その上、書類などの不具合により運営基準違反と判断され、返戻を命じられるという事態に陥れば、まさに本末転倒です。
「効率よさ」のみを意識し、利用者本位を忘れた例
「効率よく仕事をこなすことが生産性の向上」と誤解する人や「コストパフォーマンスが高いことが生産性の向上」と誤解する人も少なくないようです。
実際、ある在宅医師から「『みんなが集まってサービス担当者会議を開くのは、時間のムダ。生産性を向上させるためにもサービスの内容を担当者同士で照会するだけにしよう』と呼びかけるケアマネが増えたように思える」という話を聞きました。
照会であれば、参加者のスケジュールを調整したり、会議の記録を作ったりする手間は省けます。しかし照会だけでは、ご利用者とご家族は完全に蚊帳の外となるため、利用者本位のケアマネジメントの実現など、望むべくもありません。そして、サービス事業者の間で「顔が見える連携」を深めることもできません。
- 白木 裕子 氏のご紹介
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株式会社フジケア社長。介護保険開始当初からケアマネジャーとして活躍。2006年、株式会社フジケアに副社長兼事業部長として入社し、実質的な責任者として居宅サービスから有料老人ホームの運営まで様々な高齢者介護事業を手がけてきた。また、北九州市近隣のケアマネジャーの連絡会「ケアマネット21」会長や一般社団法人日本ケアマネジメント学会副理事長として、後進のケアマネジャー育成にも注力している。著書に『ケアマネジャー実践マニュアル(ケアマネジャー@ワーク)』など。
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