白木裕子の「実践! 仕事力の磨き方」 VOL.53
居宅介護支援での生産性の向上-誤解しがちな事、忘れてはならないポイント(中編)

日本ケアマネジメント学会副理事長の白木裕子先生が、介護保険制度や社会情勢に対応するためのポイントや心構えを、わかりやすく伝授する「実践! 仕事力の磨き方」。今回は、居宅介護支援の現場でも注目されはじめている生産性の向上について、誤解しがちな事と、忘れてはならないポイントを、白木先生がアドバイスします。
大切なのは「働きやすい環境を作る」という基本
最近、特に多いのが「生産性の向上=ケアプランデータ連携システムを導入」「生産性の向上=事務員の配置」という、短絡的な誤解をする人です。
いずれも国が全力で後押しする施策ですが「本気で生産性を高めたい!」と考えているのであれば、新たなツールを導入したり、人を雇ったりする前に、業務の見直し(業務の棚卸)をしてみましょう。
つまり「働きやすい職場」を実現する上での課題を洗い出し、対応策を講じよう、ということです。
当然のことですが、各事業所が抱える課題は千差万別。スタッフの残業が多いことで頭を痛めている管理者さんもいれば、新人の教育に時間が割かれ過ぎることに悩まされている管理者さんもいるでしょう。中には何年たっても所属するケアマネの持ち件数の平準化ができず、職場全体の雰囲気が悪いという事業所もあるかもしれません。そして、担当件数が増えず、売上が伸びないことで、胃が痛い思いをしている管理者さんは、たくさんいるはずです。
例えば「残業が多い」という課題を解決するには、「残業が多い人と少ない人は、一体、何が違うのか」を分析する必要があります。もしかすると残業が多い人は、記録作業が苦手なだけかもしれません。もし、そうした背景があるなら、ICレコーダーと文字起こしのアプリの活用だけで効率化が図れます。
まずやるべきは「事業所の課題の洗い出し」
担当件数を平準化するにしても、ご利用者を増やすにしても、新人の教育をうまく行くようにするにしても、まずは事業所の課題の「洗い出し」を優先すべきと思います。また、事業所に業務マニュアル・新人教育マニュアルなどが整備されていることも業務の効率化・平準化に欠かせないことだと思います。
とにもかくにも「事業所の抱える課題を洗い出し、その課題を解決し、働きやすい環境を作る」という基本を守ることこそが大切なのです。
- 白木 裕子 氏のご紹介
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株式会社フジケア社長。介護保険開始当初からケアマネジャーとして活躍。2006年、株式会社フジケアに副社長兼事業部長として入社し、実質的な責任者として居宅サービスから有料老人ホームの運営まで様々な高齢者介護事業を手がけてきた。また、北九州市近隣のケアマネジャーの連絡会「ケアマネット21」会長や一般社団法人日本ケアマネジメント学会副理事長として、後進のケアマネジャー育成にも注力している。著書に『ケアマネジャー実践マニュアル(ケアマネジャー@ワーク)』など。
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