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認定ケアマネジャーについて知りたい
主任ケアマネをスーパーバイズできる人材、それが認定ケアマネの将来像-日本ケアマネジメント学会・白澤政和理事長

主任ケアマネをスーパーバイズできる人材、それが認定ケアマネの将来像-日本ケアマネジメント学会・白澤政和理事長

現在、全国で2000人余りいる「認定ケアマネジャー」。その資格を持つ人は、全国の居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、介護関連の企業などで活躍しています。2年後には「成人式」を迎える認定ケアマネの特徴と魅力、そして将来性について、制度を運営する日本ケアマネジメント学会の白澤政和理事長にお聞きしました。

学術と現場を好循環させ、「実践知」を高めるための資格

認定ケアマネジャーが誕生したのは2004年のことです。日本ケアマネジメント学会の研究成果と、介護現場で得られた知見や情報を好循環させることで、現場のケアマネの「実践知」を高め続けることを目的とした資格でした。

「実践知」の向上を目的とした資格ですから、単に研修を受講する、というだけで得られる資格ではありません。認定試験を行い、ふさわしい人材にのみ、資格を付与しています。

認定試験で見極めるのは「実践力があるケアマネかどうか」。そして「常に新しい知識を学び続ける、意欲的な姿勢があるかどうか」。具体的には、受験者が手掛けた実際の事例に基づいた口頭試問によって、受験者の資質と能力を判断します。

経験がある人なら容易に想像がつくでしょうが、自分の提出した実績に基づき、口頭試問を受けるのは、相当な緊張を強いられるものです。正しい知識としっかりとした実践力がない人では、答えることすら難しいでしょう

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学び続ける姿勢こそが大切、自助組織も活躍

前述した通り、この資格ではアカデミズムとの連携が不可欠です。言い換えるなら、新たな知識を意欲的に取り入れ続けることが求められるわけです。5年に1度、資格の更新が求められているのは、新たな知識を取り入れ続ける姿勢を担保するためです。資格の更新には、日本ケアマネジメント学会が定めた研究大会や研修会などに参加し、規定のポイントを取得しなければなりません。具体的な研修とポイントは次の通りです。

区分 一般参加 講演、シンポジスト、研究発表、事例提供等
①本学会主催の学術大会 12 15(注)
②本学会(認定ケアマネジャーの会含む)主催の研修会、講演会、シンポジウム等 10 15
③本学会が他団体と共催する研修会、講演会、シンポジウム等 5 10
④本学会が後援するケアマネジメントに関する各種研修会、講演会、シンポジウム、フォーラム等 5 5
⑤本学会が承認する他学会 3 5
⑥地域のケアマネジャーの自主的組織の研修会、講演会、シンポジウム等 2 3
⑦ケアマネジメントに関する論文(事例研究論文を含む)、著書 10
⑧都道府県が実施する義務研修(実務研修、専門I・専門II研修、主任・主任更新研修、更新研修、再研修等)の講師、市町村(保険者)の実施するケアマネジメント関係の研修講師等 5

(注)①の講演・シンポジウム等については、座長・助言者も認める。研究発表は筆頭者のみでなく共同研究者も認める。

さらに、資格を取得した人が自発的に立ち上げた「認定ケアマネジャーの会」も精力的に活動を続けています。この会では、スーパーバイザー養成講座やフォローアップ研修などの活動を、年間を通じて行っており、質の向上の確かな原動力となっています。

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取得を後押しする企業や、保険外の活躍の場を提供する企業も

そんな認定ケアマネですから、現場でも指導的や立場で活躍したり、教育的な役割を担ったりすることが多いようです。例えば、大阪では、認定ケアマネが大阪市エイジレスセンターと協力し、ケアマネを対象にした事例研究会を定期的に開催しています。日本ケアマネジメント学会でも、ケアマネ向けの実習担当者を育成するため認定ケアマネを各地に派遣する事業も進めています。

企業の中にも認定ケアマネを積極的に活用しようとする動きが出始めています。在宅介護サービスを提供する「やさしい手」では、所属するケアマネに対し、できる限り認定ケアマネの資格を取得するよう勧めています。また、東京海上日動ベターライフサービスでは、介護離職防止などを目指し創設した「産業ケアマネジャー」として、認定ケアマネが活躍しています。

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将来は地域づくりに寄与する、「介護保険を超えた存在」に

今後、日本ケアマネジメント学会では、「主任ケアマネをスーパーバイズできる人材」を目指し、認定ケアマネの確保と育成に努める方針です。

認定ケアマネを取得していれば主任ケアマネになるための実務期間の要件を5年から3年に短縮できますし、更新研修も受講できます。それだけの高い評価を得ている以上、学会としても責任をもって認定ケアマネの質を上げる必要があると思うのです。

厳しい資格試験を課しているのも、資格を更新するためには継続的に学び続けなければならない仕組みを作ったのも、すべて、そのためです。学会だけでなく、自主的な活動を続ける「認定ケアマネジャーの会」のメンバーも、同じ思いで活動してくれています。

そして、認定ケアマネの活躍の場は、今後、さらに広がっていくと思われます。

期待される活躍の場としては、まず、市町村や都道府県といった地方自治体があげられます。ケアマネの研修を実施するのは主に地方自治体ですから、「主任ケアマネをスーパーバイズできる人材」にとって、活躍の場はたくさんあると思うのです。日本ケアマネジメント学会としても、地方自治体に認定ケアマネの活用を働きかけていきたいと考えています。

もう一つ、期待されるのは「地域づくり」での活躍です。この役割を担うには、介護が必要な高齢者はもちろん障害者や高齢者、子供にも目を向けられる資質が必要です。世帯全体に目を向け、ケアマネジメントができる人材とも言い換えることができるでしょう。

認定ケアマネは、そういう存在になってほしいし、学会としても、その方向を目指し、支援体制を整えたいと考えています。実際、認定ケアマネ向けの研修では、医療や障害福祉、児童の虐待にも対応できるような、汎用性の高い相談援助職となるための内容が盛り込まれています。

国が掲げる地域共生社会の実現を思えば、どうしても、そういう「介護保険のケアマネを超えた存在」が必要になってくると思うのです。

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