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有識者コラムケアマネジャーは夢のある仕事、業務には正当な対価を主張

ケアマネジャー業務とICTについて、一般社団法人日本介護支援専門員協会の柴口里則会長に伺う後編では、4月からスタートした厚生労働省の「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」などについて伺いました。柴口会長はケアマネジャーの業務範囲について「問題は本来業務以外の業務が、無償で行われていることにある」と、正当な対価を得て業務を実施すべきと話します。柴口会長に、検討会の議論の行方やケアマネジャーという仕事の可能性について教えていただきました。

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「ケアマネジャーは専門職としてICTを活用すべき」

厚労省がケアマネジャーの課題を議論する検討会を設置

今年4月から厚生労働省で「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」の議論がスタートしました。この検討会では、ケアマネジャーの業務のあり方、人材確保・定着に向けた方策、法定研修のあり方、ケアマネジメントの質向上に向けた取り組みの促進などについて議論する予定です。4月に第1回目の会合が開かれて、現時点では7月頃を目処に議論を踏まえて議事内容を取りまとめる予定となっています。

ケアマネジャーの業務に関しては課題が山積していますが、中でもケアマネジャーに求められる役割・業務の範囲が広がり続けていることが大きな課題として指摘されています。また、ケアマネジャーが本来の業務として捉えていることと、利用者や家族、多職種が求めることがかけ離れているため、ケアマネジャーが「何でも屋」になっているという指摘もあります。

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問題は、本来業務以外の業務が“無償”で行われていること

この問題に対する私の見解は、「求められる役割があるならば、ケアマネジャーはそれに応えるべきである」というものです。しかし、行った業務に対する正当な対価は必要です。ケアマネジャーの本来業務はケアプランの作成と給付管理ですが、「利用者のために何でもやろう」という精神が今日の評価を築きました。もし私たちが「これもできません」「あれもできません」と言っていたら、ケアマネジャーに対する今日の評価はなかったでしょう。

私は、ケアマネジャーの業務範囲が広くなること自体は問題ではないと考えています。それは利用者や家族、他職種からの期待の表れだからです。しかし、現在は多くの業務が無償で行われていることが問題です。行っている業務を評価し、正当な対価を得ることができれば、業務範囲が広がること自体は問題ではありません。ケアマネジャーは、自分のキャパシティや能力の範囲内で業務を引き受ければ良いのです。

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ひとりで開業できるのは医師、歯科医師、薬剤師とケアマネだけ

ケアマネジャーは専門職としてプライドを持って仕事をするべきであり、未来に向けて可能性のある職業であることはぜひ自覚してほしいと思います。有資格者ひとりで開業できるのは、医師、歯科医師、薬剤師、そしてケアマネジャーだけです。看護師が訪問看護ステーションを開設するには、常勤換算で2.5人の看護師が必要です。このように考えると、ケアマネジャーはひとりで開業権を持つ、極めて夢のある職種なのです。

だからこそ、自分たちでその価値を狭めるようなことはしてはなりません。期待された結果業務が広がるならば、それに応えつつ、正当な対価をしっかり受けるべきです。私は常々ケアマネジャーの年収を500万円にすべきと訴えてきましたが、期待に応えて正当な対価を受け取ることで、年収500万円が実現できると考えています。処遇改善加算などに頼るのではなく、自分たちで単価を上げる努力が必要です。

ICTやケアマネジャーの業務、専門性などについて述べてきましたが、私は今こそチャンスであると思っています。コロナ禍を経てオンラインが広く普及し、ケアマネジャーの業務も大きく変わりつつあります。だからこそ、「できない」ではなく「やります」という積極的な姿勢を示すことで、高い専門性を持つプロフェッショナルとしての存在感を発揮してほしいと願っています。

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柴口 里則(しばぐち・さとのり)
一般社団法人日本介護支援専門員協会会長。
平成7年宗像水光会総合病院医療相談室室長、福間町在宅介護支援センター所長、水光会地域総合ケアセンター長・福津市地域包括支援センター長を経て平成22年から株式会社グリーンケア専務取締役を務める。一般社団法人日本介護支援専門員常任理事・副会長を務め、平成29年6月より同協会会長に就任。令和4年11月より一般社団法人つなぐ共生会代表。

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