どうするICTへの対応…居宅のための導入講座どうするICTへの対応…居宅のための導入講座

有識者コラム「便利そう、でも不安」を超えて――ICTが変える介護の未来 【前編】

テクノロジーは、私たちの生活を便利に、そして豊かにしてくれます。介護の現場も例外ではありません。しかしながら、「パソコンやタブレットは苦手」「かえって大変そう」という現場の声も少なからず聞かれます。そこで今回は、茨城県小美玉市議会議員であり、現役のケアマネジャー(以下、ケアマネ)として「政治と介護を紡ぐ会」副会長も務める山崎晴生氏に、介護のICT化についてお話を伺いました。

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「実際に触れて分かった、「ICTは怖くない」」

「現場の声で介護を変えよう」――介護福祉職による全国ネットワーク

「政治と介護を紡ぐ会」は、現役の介護福祉職である議員を中心に、全国で介護福祉の課題解決に取り組んでいる団体です。毎月の定例会で現場の声を出し合い、議会での質問につなげたり、全国の介護福祉職に向けてセミナーや講演会を開いたりしています。まさに、介護の現場と政治をつなぐネットワークです。

年1回は厚生労働省や国会議員と意見交換を行い、どうすれば現場の課題を改善できるか、具体的に話し合っています。例えば、全国でも特に厳しいとされていた東京都の主任介護支援専門員研修・更新研修の受講要件が、2025年度から見直されることになりました。これも、私たちの働きかけが形になった一例です。従来は「常勤専従」「区市町村の推薦」など厳しい条件が重なり、更新研修を機に現役を退く方も少なくありませんでしたが、要件の整理と改善が進み、主任介護支援専門員が安心して働ける環境づくりへとつながっています。

このように、地方議員であっても現場の声を出発点に、国や都道府県に届けることで制度や仕組みを動かすことができます。政治と介護を紡ぐ会は、これからも現場からの視点を大切にしながら、介護の仕組みをより良いものへと変えていく会です。

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便利なはずのシステムが「負担」になってしまう現場の本音

こうして現場の声を多く受け止めてきた私ですが、介護のICT化には大きな可能性があると感じており、業務負担の軽減につながることからも積極的に推進したいと考えています。ただ、介護現場ではこれまでICTを使う経験が少なく、教育の機会もほとんどありませんでした。そのため、ICT化に前向きな一部の経営者と、現場のケアマネとの間に温度差を感じることもあります。世代も大きく影響しているかもしれません。「新たに作業を覚えるのは大変」「よく知らないシステムに頼るのは不安」という世代と、新しいテクノロジーに抵抗のない若い世代とでは、受け入れ方も異なります。

本来テクノロジーは人を助けるものですが、多くのケアマネにとっては「新しい操作を覚える」こと自体が負担で、助けるどころかハードルになっています。「慣れると楽になる」と言われても、その慣れるまでが大変なのです。さらに「効率化」という言葉への抵抗も感じます。「流れ作業的になる」「心がなくなる」といった印象を受ける介護職も少なくありません。私は逆に、効率化によって利用者さんとじっくり向き合える時間と心の余裕が生まれ、より良いケアにつながると考えています。

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まずは書類の山から解放!ChatGPTを活用した実践研修

「ハードルがある」とは言いましたが、現場のケアマネも決してかたくなに拒んでいるわけではありません。多くの人が「きっと便利なのだろうな」と頭では理解しているでしょう。多くのケアマネが「興味はある」と回答したアンケート結果も出ています。私が会長を務める小美玉市ケアマネジャー研究会では、2024年度のテーマに「多様なニーズに対応!地域連携とICTで専門性を高めよう!」を掲げ、知り合いの議員を招いてChatGPTの勉強会も開きました。ケアマネにとって一番大変なのは、やはり書類の仕事。そこでまずは、実務に即した書類を、ICTを用いて作成する企画を考えたのです。

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山崎晴生(やまざき・はるお)
茨城県小美玉市在住。介護支援専門員として現場経験を重ね、地域に根差した支援に取り組む。有限会社シニアライフを設立し、代表取締役として介護事業を展開する中で感じた課題を行政に届けたい、地域の福祉を良くしたいと市議会議員に立候補。現在は小美玉市議会議員としても活動し、介護現場と行政の橋渡し役として「政治と介護を紡ぐ会」副会長も務めている。

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