有識者コラム「何から始めればいいか分からない」現場のための相談窓口――長野県介護・障がい福祉生産性向上総合相談センターの取り組み【前編】
介護現場では、人材不足や業務負担の増加が続く中、業務の在り方を見直したいと感じている方も多いのではないでしょうか。また、ICTの活用や業務効率化に関心はあっても、「何から始めればいいか分からない」「導入後に使いこなせるか不安」といった声も少なくありません。こうした状況を踏まえ、長野県では2024年に「長野県介護・障がい福祉生産性向上総合相談センター」を設置し、ICT化をはじめとした生産性向上や人材確保に関する相談をワンストップで受け付けています。前編となる本記事では、同センターの設立の背景や事業内容、相談の実際について伺います。

介護と障がい福祉、現場の共通課題を背景に生まれた一体型の支援体制
篠原:長野県介護・障がい福祉生産性向上総合相談センターは、介護および障がい福祉の現場の生産性向上と人材確保を進めていくことを目的として開設されました。当初は県の介護支援課と障がい者支援課が別個に相談窓口の設置を考えていたのですが、両現場が抱える課題には共通点が多いことから、「垣根を設けず一つの相談窓口で対応しよう!」となったのです。

浅野:主な事業内容としては、長野県内の介護・障害福祉サービス事業者などを対象に、生産性向上のための情報提供や、専門家への取り次ぎ・連携支援を行うワンストップ窓口としての対応があります。相談は主に電話でお受けしていますが、必要に応じて実際に訪問することもあります。
また、事業所の課題解決の一環として、介護ロボットやICT機器の試用・導入に関する支援も行っています。「介護ロボットで負担軽減できないだろうか」といった相談に対し、ニーズの整理や必要な情報提供を行い、県の補助制度を活用できる場合には、その内容や手続きについても説明し、必要に応じてメーカーと試用貸出の調整を行うなどのサポートをしています。
「機器ありき」ではなく、まずは悩みを相談してほしい

大日方:最初から「この機器を使いたい」といった具体的な相談よりも、「○○の介助に困っている」「機器導入の補助制度があると聞きましたが……」といった相談が多いですね。例えば、「入浴介助の負担が重くて困っている」といった相談があれば、解決策として、細かい泡が出てゴシゴシこすらずに体をきれいにできる「ファインバブル」という機能のある機器を紹介するなどしています。特に、もともとある浴槽に後付けできるタイプは手軽で、人気も高いですね。結果として、介護者の腰痛の軽減や入浴時間の短縮につながっています。
浅野:事業者がいきなりメーカーに連絡するのは、時間的にも心理的にもハードルが高いため、こちらで他のご相談と併せて一括して受け付け、情報提供や調整を行っています。他にも、各事業所の課題を聞き取り、取り組みを一緒に考えながら支援する「伴走支援」も行っています。当センターだけではなく、例えば経営支援はよろず支援拠点、人材確保は社会福祉協議会や産業雇用安定センターなど、内容に応じて関係機関とも連携しています。
加えて、年に数回、展示会や研修会を実施しています。今年度は長野市と岡谷市で介護ロボット・ICT機器の展示会を開催し、15社ほどのメーカーに出展していただきました。さらに、専門家の協力を得ながら、生産性向上をテーマとしたビギナーズセミナーなどのさまざまな研修会も実施しています。
このように、業務改善やテクノロジーの導入によって生まれた時間を、人材育成や利用者さんと向き合うことに充て、ケアの質の向上につなげられるようサポートしています。
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