有識者コラムついに居宅ケアマネの処遇改善!現場はどう変わる?今後の課題は? 【前編】
ケアマネジャーの処遇改善は長年の課題とされてきました。人手不足が深刻な中、2025年12月の補正予算や2026年6月の臨時報酬改定により、居宅介護支援でも処遇改善が実現し、ようやく前向きな動きが見え始めています。この流れは今後どう広がり、現場をどう変えていくのか、一般社団法人全国介護事業者連盟理事長の斉藤正行氏に解説していただきました。前編では、今回の処遇改善の意義と、現場に見え始めた変化を整理します。

2025年12月の補正予算、そして2026年6月の臨時報酬改定により、居宅介護支援においてもやっと処遇改善(約2.1%)が実現しました。従来、施設のケアマネジャーや他職種の処遇改善は進んでいた一方で、居宅のケアマネジャーは「取り残されてきた」状況でした。 厚生労働省は2024年に「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」を設置しましたが、当初は「人材確保が軸」「処遇改善には触れない」という方向性でした。しかし、「処遇改善なしに人材確保は進まない」という現場の実感に基づく問題意識を繰り返し伝えてきた結果、今回の措置につながりました。議論が始まってから10数年、ようやく一つの節目を迎えたと言えます。いわば「悲願の達成」であり、過去最大規模の予算が確保された点は評価できるでしょう。 「1人当たり月額1~1.9万円程度」と聞くと小さな額に思えるかもしれませんが、改定率としてはこれまでにない大きな動きです。手続き負担の増加はやや気になりますが、「ようやくここまで来た」という実感を強く覚えています。 ケアマネジャーの人手不足・なり手不足が深刻化する昨今ですが、かつてのように介護職の若者が「いつかはケアマネジャーに」と将来の目標とする状況に戻っていくことも期待しています。そのためにも、この流れを次につなげ、さらなる改革を進めていきたいですね。 ケアマネジャーの報酬は、2000年に介護保険法がスタートした当初から低い水準で推移し、以来26年の経過の中でも大きく改善してきたとは言いがたい状況です。背景には、介護が「生活援助の延長」「家族の代わり」といったイメージで捉えられ、専門性が十分に評価されてこなかった点にあると考えています。専門職としての体系化が進む一方で、「誰でもできる仕事」と見られてきた側面もあります。 もちろん、これらは大きな誤解ではありますが、「せっかくケアマネジャーになっても処遇が変わらない。むしろ、介護職で夜勤をこなしていた時の方が給料はよかった」という声も聞かれていました。 今回の処遇改善はまだ途上であり、来年4月の報酬改定も含め、公的な枠組みの中で賃上げが進むことが期待されます。今後はさらに、一律の引き上げだけでなく、専門性に応じて評価される仕組みづくりや、主任ケアマネジャーの位置付けの見直しなども重要なポイントになってくると考えています。 一方で、ケアマネジャー自身の質の向上も欠かせません。「ケアマネジャーになったらゴール」ではなく、学び続けて知識やスキルをアップデートする姿勢が求められます。もちろん、自助努力も必要ですが、それを支援する仕組みもさらに充実させていきたいところ。更新制度など実務以外の負担が大きい部分は引き続き見直していく必要がありますが、法定研修のように質を担保するための制度は残していくべきでしょう。負担を軽くすることと、専門職としての質を保つこと、そのバランスをどう取るかが今後の課題です。ようやく動いた「処遇改善」の流れ

なぜケアマネジャーの処遇は変わらなかったのか

ケアマネジャーの働き方、これからどうなる?

- 斉藤正行(さいとう・まさゆき)
- 2000年に立命館大学卒業後、コンサルティング会社に入社し、飲食業のコンサルティング、事業再生などを手がける。2003年に介護業界へ転身し、メディカル・ケア・サービス株式会社の取締役運営事業本部長や、株式会社日本介護福祉グループの取締役副社長を歴任。2013年、株式会社日本介護ベンチャーコンサルティンググループ設立。2018年、法人種別・サービス種別の垣根を超えた介護事業者の横断的組織・一般社団法人全国介護事業者連盟の設立に参画。2020年より理事長を務める。
業務効率化におすすめの介護ソフト

- 介護事業の一番身近なパートナー「介舟ファミリー」
- 初めての方でも安心のすぐに覚えられる介護ソフト。
ワンストップ体制でサポートいたします!


