モニター体験談プロに選んでもらうメリットを実感、
ケアマネジャーの新たな選択肢に

排泄ケアのお悩みを解決する、フィッティング付きおむつ配送サービス「おむピタ」。その方の課題や背景に合わせておむつメーカーがおむつを選定・提案し、使い方などの情報と共にお届けするものです。モニターとして本サービスを体験した利用者さんやご家族、そしてケアマネジャーに、使うことで分かった「おむピタ」の魅力を語っていただきました。今回登場するのは、ケアマネジャーの豊田庄三さん(社会福祉法人東秩父村社会福祉協議会)です。
漏れる頻度が減り、家族の負担が大きく減少
担当している利用者Sさん(80代・要介護3)の漏れ対策に悩んでいたことから、今回のモニターに参加しました。奥さん(70代)と息子さんの3人で暮らすSさんは、認知症を発症していてもの忘れが多いですが、とても穏やかな方です。仕事がある息子さんは日中ほとんど自宅にいないので、身の回りの世話を担うのは奥さんが中心。日中はトイレに行って排泄できるSさんですが、夜間や早朝には紙パンツを使っても尿が漏れてしまうことがよくありました。
持病の治療のため利尿薬を使い始めてからは、夜から朝にかけて漏れる頻度や量がさらに目立ち出して、陰部には発赤も見られるように。吸収量が多い900㏄吸収の尿とりパッドを使っても、朝にはおむつや寝衣だけでなくベッドシーツまでびっしょりで……。奥さんは、Sさんをシャワーに入れたり、濡れたものを洗濯・交換したりする日々に追われていたのです。ご家族の負担も考えて、どうにかしてこの状況を改善したかったのですが、おむつ製品に詳しい福祉用具事業所に相談しながら試行錯誤しても、これといった打ち手が見つからない状況でした。

おむピタを申し込むときに提出する「フィッティング依頼アセスメントシート」は、ケアマネジャーである私が記入しました。手続きして間もなく、おむつの使い方が記載された「おむつ提案書」と一緒に、うす型の紙パンツ(L/LLサイズ)と尿とりパッド2種類(紙パンツにくっつくタイプ/約10回分の吸収量が多いタイプ)が届きました。夜間用としてご提案いただいた、吸収量が多いタイプの尿とりパッドが特によかったようで、尿を素早く吸収してくれることにより、漏れる場面がグッと減少。シーツ交換などに苦労する頻度が大幅に下がり、奥さんはとても喜んでいました。
「おむつのプロに頼る」という新しい選択肢
ご家族が感謝していた背景には、漏れる頻度や家事の負担が減ったこと以外に、もう一つ大きな理由がありました。実は、びっしょり濡れて重くなったおむつを不快に感じた本人が、自らおむつを外してトイレに投げ込んだり、お尻の方にずらしたりすることが頻繁にあったのです。実際にトイレが詰まってしまったこともあり、奥さんはおむつを使うのが嫌になるほど頭を抱えていました。ところが、届いた製品を試用している期間は、そのような行動が見られなかったのです。新しいおむつの軽やかな使用感が、いつもの不快感や違和感を払拭してくれたのかもしれません。

「おむつ提案書」も大活躍でした。多過ぎない文字量で分かりやすく書かれていたので、奥さんも読みやすかったようです。また、製品の正しい使用法を知るきっかけにもなりました。私自身、提案書を見ながら奥さんに説明していたとき、これまで尿パッドのギャザーを立てずに使っていたことに気付かされたのです。漏れが減ったのは、このアドバイスのおかげもあったと思います。その他にも「なるほど!」と腹落ちする情報が多く、ケアマネジャーとしてもあらためて知識の確認ができました。
今回、初めておむピタのサービスを体験してみて、「おむつメーカーの専門家に頼る」こともケアマネジャーとしての手腕の一つだと実感しました。もちろん、経験年数を重ねるごとに、おむつに関する知識は増えます。しかし、市場に出回っている製品の特徴を一つひとつ理解したり、新製品の情報をタイムリーに把握し続けたりすることは、現実的には難しいでしょう。対象者や状況に合わせて、数ある商品の中からプロが提案してくれるサービスは実に画期的で、心に響くものがありました。こうしたサービスの利用者が増えて、一人でも多くの高齢者が快適に過ごせる未来の到来を願っています。