モニター体験談危機的なケースで「おむピタ」を活用、
家族関係を改善する優れた一手

排泄ケアのお悩みを解決する、フィッティング付きおむつ配送サービス「おむピタ」。その方の課題や背景に合わせておむつメーカーがおむつを選定・提案し、使い方などの情報と共にお届けするものです。モニターとして本サービスを体験した利用者さんやご家族、そしてケアマネジャーに、使うことで分かった「おむピタ」の魅力を語っていただきました。今回登場するのは、大阪府で活動するケアマネジャーのHさんです

息子さんの怒鳴り声が止み、柔らかな表情が戻ってきた

私が担当するAさん(88歳女性・要介護1)は独居で生活していますが、骨折で入院し、自宅に戻ってからは息子さんが頻繁に様子を見に来るようになりました。ADLが比較的良好なため、ご自身でトイレまで行き紙パンツと尿とりパッドを替えていましたが、認知機能の低下や持病の影響からトイレに行く前に漏れてしまったり、処理や交換がうまくいかなかったりすることが増えていました。異性ということもあり、息子さんが排泄ケアに関わることはなかったようです。

日中だけでなく、夜間に泊まり込みで様子を見ることも増えていった息子さん。一緒に過ごす時間が増えたことで、徐々に尿臭が気になり出したそうです。一日中、途切れることのないにおいが大きなストレスになり、息子さんの対応にも余裕がなくなり、Aさんに対して声を荒げてしまう様子が見られていたようです。心配した近隣の方から地域包括支援センターに連絡が入り、私も一緒により慎重な介入が必要な事例として検討し始めていたほどです。ケアマネジャーとして危機的な状況であると判断し、事態がエスカレートしないように対策を考えていたところ「おむピタ」のモニターについて知り、応募しました。

「おむピタ」から送られてきた製品は、SSサイズの紙パンツと消臭効果に優れた尿とりパッドでした。実は、Aさんはかなり小柄な体型で、息子さんがドラッグストアで購入していたMサイズでは体に合わず横漏れが起きていたのです。提案してもらった製品を試したところ効果てきめんで、横漏れが減って衣類や寝具が汚れにくくなり、尿臭が大幅に減少しました。そして、気になるにおいが減ったことに伴い、Aさん自身のQOLが向上したことはもちろん、息子さんのストレスも目に見えて改善。Aさんへの対応にも余裕が生まれ、とても柔らかな表情になって、息子さんが本来の生き生きとした様子を取り戻せたのです。以前はにおいを消そうとするあまり強烈な消臭剤の香りが家中に漂っていたのですが、そうしたこともなくなり、生活の質が改善されたことを実感しました。

介護のプロと一般の人、排泄ケアへの感覚は同じではない

製品を変えただけでなく、「おむつ提案書」で正しいおむつの選び方や使い方を知ってもらえたことも大きかったと思います。以前、虐待防止などのパンフレットを渡したときはほとんど読んでもらえなかったのですが、「おむつ提案書」は興味深い内容で読みやすさにも配慮されていたので、Aさんも息子さんもしっかりと目を通してくれました。お二人が「おむつなら何でもいいと思っていました」と話していたことが印象的です。また、そもそもドラッグストアなどではSSサイズを取り扱っていないことも多いものです。 わざわざ遠くの大型店へ買い出しに行く必要なく、家族に合った製品を家まで届けてもらえる点もありがたいとのことでした。

Aさんのケースを振り返ってみると、私自身は、そこまで尿臭が気になる程度ではなかったように感じていました。しかし、健康診断で「胃が荒れている」と医師から指摘されるくらい、息子さんが強いストレスを抱えていたことも事実です。排泄ケアに慣れている介護のプロと一般の人では、感覚がかなり異なることを再認識しました。Aさんとは別のケースでも、家族の排泄臭に直面し、1週間ほど寝込んでしまった方に出会ったこともあります。今回のように虐待防止につながる可能性も考えると、予防的な介入がいかに大切か分かりますね。

これまでの経験上、担当している利用者さんの半数以上は、排泄に何らかの課題を抱えている印象です。排泄トラブルの有無は家族負担や生活環境に大きく関わり、在宅生活の壁になることを、常日頃から感じていました。一筋縄でいかないことも多いからこそ、ケアマネジャーが一人で抱え込まず、「おむピタ」のようなサービスを上手に活用する意識を持つことが欠かせないはずです。私自身も積極的に活用したいですし、「おむピタ」を導入している事業所などあれば連携して、よりよいケアにつなげていきたいです。