医療基礎知識
※この記事は 2011年9月1日 に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。
看護師ってどんな勉強をしているの?
- 2011/09/01 09:00 配信
- 医療基礎知識
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医療と介護、看護と介護の連携が増すなか、ますます接点が多くなっている看護師。
チームの一員として連携を取ることが重要とはわかっていつつも、どうも一歩踏み込みにくい…と感じている人も少なくないのではないでしょうか?
コミュニケーションをとるには、まずは相手を知ることが大切。
そこで、看護師がどんな勉強をしているのか、また、日々、どんな仕事を行っているのか、ご紹介します。
看護学校では何を勉強するの?
看護師になるための学校には、主に3つの種類があります。看護専門学校、看護短期大学、看護大学の3つです。このうち、看護専門学校と看護短期大学は3年制で、看護大学は4年制です(ただし、専門学校のなかには4年間の定時制、統合カリキュラム校と言われる4年制の学校も)。ここでは、もっともメジャーなコースである看護専門学校の基本的なカリキュラムを紹介しましょう。
看護学校の勉強は、人間や社会について学ぶ「基礎分野」、看護の基礎を学ぶ「専門基礎分野」、小児看護、老年看護、精神看護、母性看護などそれぞれの分野の看護を学ぶ「専門分野」、在宅看護や災害看護などを学ぶ「統合分野」――という4つに大きく分かれています。
具体的なカリキュラムは学校によって異なりますが、1年生のときには、心理学や論理的思考、人間科学などの人間について理解するための学問、体の構造・機能や病気のしくみ、治療方法といった医療・看護のベースとなる知識を中心に学びます。
2年生に上がると、より専門的な分野に突入。子ども、高齢者、大人、精神疾患の患者、妊婦といった、それぞれの対象に対してどんな看護を提供するかという具体的な方法論に入っていきます。
さらに仕上げの3年生になると、1年、2年で学んだことをいかして、実際に医療現場に入って看護師として働く前に必要な知識・技術を身につけていきます。
| 基礎分野 人間を学ぶ、社会を学ぶ 専門分野に入る前のベースとなる知識を身につけるとともに、さまざまな角度から、人間について理解するための授業。 |
1年次 | 2年次 | 3年次 |
|---|---|---|---|
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| 専門基礎分野
看護の基礎を学ぶ 人間の体のしくみや病気のこと、栄養のことなど、専門職として看護を提供するためのベースとなる基礎知識を身につけるための内容。 |
1年次 | 2年次 | 3年次 |
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| 専門分野
各分野の看護を学ぶ 看護学の基礎を身につけるとともに、成人看護、小児看護、精神看護など、それぞれの分野の看護について学ぶための授業。 |
1年次 | 2年次 | 3年次 |
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| 統合分野
看護をトータルに学ぶ 1年、2年次に学んだことをいかして、在宅での看護、複数の患者への看護など、看護しとして現場で働く前の知識、技術を身につけるための授業。 |
1年次 | 2年次 | 3年次 |
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『看護師になる!』より転載
どんな実習をやっているの?
看護師になるための勉強といえば、忘れてはならないのが実習です。1年、2年、3年と、実習の内容も専門的になっていき、3年生になると、学校に通うよりも、実習先の病院や介護施設に通うほうが多くなります。
1年生で行うのは、「基礎看護学実習」といって、患者とのコミュニケーション、病院という場所に慣れるための実習で、数日~1週間程度、病院に入り、患者の体を拭いたり、血圧を測ったりという基本的なケア、処置を行います。
2年生では、「基礎看護学実習」に加えて、「老年看護学実習」「成人看護学実習」「精神看護学実習」が行われます。実際に1人の患者を担当し、どういう看護を行うべきか計画を立てることからはじめ、担当患者とコミュニケーションをとりながら、看護を実践してきます。
最後の3年目は、2年生までの4つの実習に加えて「小児看護学実習」「在宅看護論実習」「母性看護学実習」「統合実習」が加わります。国家試験前の12月まで、2~4週間サイクルで、いろいろな現場を体験するため、毎日が実習の日々。最終的には1人だけではなく、複数の患者を担当したり、在宅での実習を行ったりと、実際に看護師として働き始めたときに役立つ実践力を身につけていきます。
看護大学では+αの知識を学ぶ?
さて、ここまで看護専門学校の学習内容をベースに紹介してきましたが、ここ最近、学校の数、入学者数ともに増えているのが、看護大学。チーム医療の推進とともに仕事の幅が広がり、専門性が高まっているなか、「もっとじっくり学びたい」、「もっと高い専門性を身につけたい」というニーズが増えているのが、その理由です。
看護学校に比べて1年長い看護大学では、看護専門学校で学ぶ内容に加え、+αの知識を身につけることが可能です。単に技術を学ぶのではなく、「なぜ、こういった看護が必要なのか?」という理論を深く学べることが最大の特徴。また、看護だけではなく、心理学や社会福祉などの周辺科目、語学や情報リテラシーなどの一般教養も含めて幅広い知識を吸収できることも、特徴の一つです。
看護師の仕事とは?
さて、こうした勉強を行い、専門知識を身につけている看護師の仕事とはどのようなものでしょうか。
看護業務は、ケア、処置、観察の大きく3つにわかれています。
清潔なタオルで患者の体を拭いたり、食事の介助を行ったり、髪を洗ったりという日常生活の援助を行うのが、ケア。医師の指示のもと、注射や点滴を行ったり、経管栄養や人工呼吸器、ドレーンカテーテルの管理を行ったりするのが、処置。そして、ケアをしながら、処置をしながら、患者にいつもと違うところがないか絶えずチェックするのが、観察。医療現場で最も長い時間患者と接するのが看護師であるだけに、看護師の観察から得られる情報は非常に重要。ときには、異常、病気の早期発見につながることも。
このほか、記録業務も重要な仕事の一つです。看護も医療もチームで行うものだけに、スタッフ間で情報を共有することが重要。患者ごとに、「どんな看護を行ったのか」、「どんな状態にあるのか」、「気をつけるべきことは」といった共有すべき情報を看護記録にまとめ、交代で勤務に入るスタッフに申し送りをして、1日の仕事が終わります。
看護師の基本的な1日
病棟で働く看護師の1日の仕事の流れを紹介しましょう。 まず、日勤の日の基本的な1日は次のようなスケジュールになります。
| 8:15 | 出勤 |
|---|---|
| 8:30 | 担当患者の情報収集 点滴などの準備 |
| 8:50 | リーダーに前日の情報を伝える |
| 9:00 | ケアワーカー(看護助手)と看護師で1日の情報を共有 チームに分かれてミーティング |
| 9:10 | 環境整備(ベッド周りの整理) バイタルチェック オムツ交換 体位交換 |
| 11:00 | 経管栄養の患者の準備 処置 |
| 11:45 | 患者の昼食介助 食事が終わった患者から洗面、ベッドへ |
| 13:00 | 体位交換 患者をリハビリテーション室へ |
| 15:00 | オムツ交換 体位交換 温度表の記入 残っている処置 記録 |
| 16:00 | 経管栄養の準備 バルーンカテーテルを破棄 |
| 16:30 | 夜勤スタッフへの申し送り |
| 17:00 | 終了 |
続いて、夜勤の日の基本的なスケジュールは次のようなもの。
夜勤といえども、業務はたくさん。患者が落ち着いている場合は仮眠をとり、慌しい日には休憩時間を確保することも難しいようです。
| 16:30 | 日勤スタッフからの申し送り |
|---|---|
| 17:00 | 夜勤スタッフ同士での打ち合わせ バイタルチェック 経管栄養の回収 |
| 17:45 | 患者の夕食介助 食事が終わった患者から洗面、ベッドへ |
| 18:30 | ナースコール対応 経管栄養、寝る前に飲む薬の準備 |
| 20:00 | 部屋回り 口腔ケアなどの処置 |
| 21:30 | 消灯 記録 温度表の記入 |
| 23:00 | 部屋回り |
| 2:00 | 部屋回り |
| 4:00 | ケアワーカー中心にオムツ交換 経管栄養の準備 朝の薬の準備 |
| 6:00 | 経管栄養の回収 バイタルチェック 部屋回り 温度表の記入 記録 |
| 8:30 | 申し送り |
| 9:00 | 終了 |
いかがでしたか。看護師の3つの業務のうち、「ケア」と「観察」は介護の世界でも基本とする業務です。唯一違うとしたら、それが「看護」として提供されるのか、「介護」なのかの違いでしょうか。ヘルパーや施設介護職員、あるいはケアマネジャーも、「観察」はできても「処置」はできません。しかし、治療の必要がある方の「看護」と、生活のなかで受ける「介護」では、最初から土俵が違います。
現在、介護職員による医療行為が条件付きで解除されたり、次年度より実施される地域包括ケアシステムの提供事業所に訪問看護の併設必須など、医療と介護の連携は水面下で進んでいます。一方で厚労省は「医療系ケアマネ」「介護系ケアマネ」と線引きしようとしているようにも見えます(第79回社保審ニュースより)。
しかしケアマネジャーにとっては、基礎資格が看護師だろうと介護系だろうと、利用者の自立支援のためという目的は同じです。今回、介護系ケアマネジャーさんに知っていただくために、「看護職になるには」を取り上げましたが、いずれ、看護系ケアマネジャーさんのための「福祉系スキル」についても、課外授業で紹介していきたいと考えています。
参考
『看護師になる!―2012社会に必要とされる就職率100%のしごと』橋口 佐紀子 著(日労研)
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