医療基礎知識
※この記事は 2011年7月15日 に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。
領収証、明細書がわかると、受けた医療がわかる!
- 2011/07/15 09:00 配信
- 医療基礎知識
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病院でもらう「領収証」と「明細書」
普通の買い物の場合は、レジでお金を支払う前にそれぞれの商品の値段がわかっているので、自分のお財布と相談しながら買うものを決めることができます。だからこそ、レジで予想外の金額にびっくりするということはあまりありません。
レストランで食事をするときも同じです。一部の高級店など例外はありますが、メニューには、料理の名前とともに値段が載っています。
ところが、ちょっと違うのが病院での支払いです。
診察が終わり、最後の会計のときになって、ようやく「今日の費用はいくら」ということがわかります。定期的に通っている場合でも、「前回より安いな」、「同じような内容だった気がするのに、ちょっと高い」などと気づくこともあるのではないでしょうか。
そうした「なぜ?」の答えとなるのが、会計のときにもらう「領収証」と「明細書」です。
領収証とは、「初・再診料」、「入院料等」、「注射」、「リハビリテーション」など、項目ごとにかかった費用(診療報酬点数)が明記されているもの。
図1が標準的なフォーマットです。

一方、明細書とは、「点滴注射 ●●点 1回」、「微生物学的検査判断料 ●●点 1回」など、診療報酬点数上の具体的な項目名と、それぞれの点数(1点10円)、回数が記載されているシートです。投薬や注射に関しては、薬の名前まで明記することになっています。
図2が標準的なフォーマットにおける記載例です。

領収証の項目
では、医科診療報酬の領収証について、それぞれの項目を見てみましょう。
保険
- 初・再診料
初診、再診にかかった費用。診察の基本料金のようなもの。休日や夜間などの受診では基本の初・再診料よりも高くなります。 - 入院料等
入院にかかった基本料金。病床の種類、病棟にいる看護師の数、平均入院期間などによって異なります。 - 医学管理等
特定の病気に対して、計画に基づいて必要な指導や管理が行われた場合にかかる費用。他の医療機関へ転院する際に、紹介状を書いてもらったときの費用なども含まれます。 - 在宅医療
往診や訪問診療、訪問リハビリテーションなど、医師や看護師などの医療スタッフが患者の自宅に訪問して行った医療にかかる費用。 - 検査
尿検査や血液検査、腫瘍マーカー、心電図、超音波検査など、検査に関係する費用。 - 画像診断
レントゲンやマンモグラフィ、CT、MRIなど、画像診断にかかった費用。 - 投薬
入院中の投薬や薬の処方箋を出してもらった場合などにかかる費用。 - 注射
動脈注射、静脈内注射、点滴注射など、注射に関する費用。 - リハビリテーション
心大血管疾患、脳血管疾患、運動器、呼吸器といったリハビリテーションを行った場合にかかる費用。複数の医療スタッフがリハビリテーションに関する計画を立てた場合の費用も含まれます。 - 精神科専門療法
精神科で、入院や外来などで医療を受けたときにかかる費用。 - 処置
やけどや傷の手当、包帯やガーゼの交換、たんの吸引、透析、人工呼吸など、一つひとつの処置に対してかかる費用。 - 手術
手術にかかった費用。手術の種類、部位、手術箇所の大きさなどによって異なります。 - 麻酔
手術中の麻酔、あるいは痛みや緊張をとるための麻酔にかかった費用。休日や深夜に緊急に手術を行った場合は高くなります。 - 放射線治療
放射線を使った治療にかかる費用。 - 病理診断
患者さんの体から採取した細胞や組織から標本をつくり、顕微鏡で診断する病理診断にかかった費用。 - 診断群分類(DPC)
「DPC」とは、入院料や投薬、注射、処置、画像にかかった費用が包括され、病気の種類によって入院1日あたりの費用が包括点数として決まっている制度。入院した病院がDPCを導入していれば、この欄に記載されます。ただし、手術やリハビリテーションなどの費用は別途、かかります。 - 食事療養
入院中の食事にかかった費用。点数ではなく、「円」で記載されます。一般的には一食あたりの自己負担額は260円。低所得者の場合、負担額が低くなります。 - 生活療養
65歳以上で療養病床に長期入院した場合の食事と居住費(光熱水費)。これも「円」で記載。所得によって1食あたり、1日あたりの金額は異なります。
保険外負担
- 評価療養 / 選定療養
「評価療養」とは、今後、保険の対象として認めるかどうか評価する必要がある医療のこと。先進医療や医薬品・医療機器の治験などが含まれます。「選定療養」とは、差額ベッド代、紹介状なしに大病院を受けた場合の初診、予約診療、前歯部の金属材料差額、180日以上の入院など、保険に導入される予定はなく、患者が“選ぶ”ことのできるオプションのようなもの。
2010年4月から明細書の発行が始まった!
2010年4月の診療報酬改定では、「詳細な個別の点数項目までわかる明細書」を原則、無料で発行することが決まりました。一方、「医療費の内容のわかる領収証」は、2006年度の診療報酬改定から、すでに無料で発行することが義務化されています。
明細書の義務化を後押ししたのが、診療報酬の中身について話し合う中央社会医療協議会で、患者代表の委員が診療情報の公開を強く主張したこと。長女を医療事故で亡くしたことを機に、医療情報の公開を求める市民運動を続けてきた同委員は、健全な医療をつくるには患者自身が医療費の明細を把握することが必要と主張していました。
そうした結果、これまでは「明細書がほしい」という患者からの要望があった場合のみに提供が義務づけられていたものの、2010年度からは全保健医療機関で原則、無料で提供することになりました。ただし、例外があります。
例外的に、義務化の対象外となるのは下記のようなケースです。
- 明細書発行機能が付与されていないレセコンを使用している場合
- 自動入金機を活用しており、自動入金機で明細書発行を行おうとした場合には、自動入金機の改修が必要な場合
また、明細書を見ると、具体的な薬剤名や手術の内容、そのほか治療の内容がわかるため、なかには「知りたくない」という人もいるかもしれません。そのため、病院の会計窓口には「明細書を希望しない場合は申し出てください」といった案内が掲示されています。
おわりに
いかがでしたか。これまでの医療は医師に言われるままにという“お任せ型”が主流でしたが、これからは患者自身も自分の治療内容を把握し、医師をはじめとした医療スタッフとともにより良い医療を追求する“参加型”の医療に変わりつつあります。そのために必要なのが、医療情報の公開。領収証や明細書はその大きなツールです。患者さん、利用者さんをサポートする意味でも、領収書や明細書が読めるようになるとよいかもしれません。
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