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今さら聞けない基礎知識

あなたにも取れる? 認知症専門の資格

現在、180万人と言われる認知症高齢者は、団塊世代が後期高齢者となる2025年には300万人を超えると予測されています。認知症患者は、介護に携わる人の認知症に対する知識や理解、ケアなどの情報が必須。そうしたニーズに合わせるかのように、最近、認知症の資格が次々誕生し、認知症について深く学びたい、仕事に生かしたいという思いで受験する人が年々増えています。こうした専門の資格を持っていることでどんなメリットがあるのでしょうか。それぞれの資格を比較してみました。

「認知症ケア専門士」は認知症資格のパイオニア

認知症の資格を最初につくったのは、日本認知症ケア学会です。認知症高齢者のケアに関する研究や、質の高いケアの実現を目指して、本間昭氏(認知症介護研究・研修センター・センター長)ら、多くの認知症にかかわる専門家により2000年に発足しました。その一貫として「認知症ケア専門士」の養成が始まり、2005年から年1回、資格試験を行い、6年間で約2万人(2010年4月現在)の専門士が誕生しています。

「専門士」と名づけられているように、「介護のプロにしっかりとしたケアの知識を持ってもらい、周囲の人を指導する立場にまでレベルを上げてほしい」というのが学会の願いです。従って資格試験も「基礎」「実践・総論」「実際・各論」「社会資源」と4科目あり、広範囲で専門的。しかも、しっかりと自分の意見が求められ、筆記試験に合格した者への面接、論文も用意されています。

その結果、平均合格率は50%前後とかなりハードルが高い資格ですが、1回の試験で全て合格しなくても、4科目を5年かけて合格すればよいということで、少しずつ勉強して資格が得られる仕組みになっています。

さらに、資格を得たあとも、5年間で30単位取得して更新することが義務付けられていて、講演会や学会大会への参加、インターネット講義受講、論文発表などが単位として認められます。つまり、日々、勉強・研究して、新たな知識を得たり、ケアの質を高めたりしていくことこそ大事だという考えがうかがえます。さらに、指導者という立場がはっきりするように、上級の専門士の資格も用意されています。

HP上の専門士アンケートによると、資格を得たことでのメリットは、給料が上がるなどの効果があった人は数パーセント足らず。しかし、「知識が向上した」「自信がついた」「患者への見方が変わった」といったプラスの意見が70%以上もあり、まずは認知症ケアの質を高めようとする学会の思いが資格取得者にも着実に届いているようです。

学会としても、専門士の社会的な地位の向上に努め、学会誌や事例集を発行したり、優秀な実践を表彰したり、専門士への勉強の機会を多くもつなど、しっかりとしたバックアップができていて、「日々、生かせる資格になっている」という印象を受けました。

ケアマネの受験も多い「認知症ライフパートナー検定」「認知症ケア指導管理士」
    

介護家族や周りの人に認知症の知識やケア方法を広めたいという思いで作られた資格もあります。日本認知症コミュニケーション協議会が2009年に開始した「認知症ライフパートナー検定」です。その特徴は、多種多様なアクティビティを使って生活支援できる人になってほしいというもの。基礎検定と応用検定があり、応用検定は認知症に関してアドバイスできる専門職の育成を目指しています。

ここで言う「アクティビティ」とは、その人が好む音楽や園芸、習慣として行っていた散歩や運動、調理などで、言葉によるコミュニケーションができない認知症の人にとって、アクティビティが生きがい作りや生活の質の向上につながるという考えに基づいています。 これまでに3回の基礎検定試験が実施され、10代~70代までの幅広い年齢層から4,000人あまりが受験し、約3,000人が合格しています。応用検定試験も第1回目が行われ、1,000人が受験しました。

受験者は、基礎・応用共に、介護福祉士、ケアマネジャーの割合が多く、協議会常務理事の渡辺さんは「介護職の人が基礎検定を受けるのは意外でしたが、現場ではまだ基礎知識が不足している現状がうかがえます」と語り、さらにテキストについて「事例を多く載せているのでとても評判がよく、日々のケアにどんどん生かしてほしい」と強調していました。

2010年夏に第1回目の試験を終えたばかりなのが、職業技能振興会が実施する「認知症ケア指導管理士」です。医療・介護現場で働く人のスキルアップを目的としたものですが、「初級」の受験資格は特になく、1回目は250名が受験し、85%の合格率でした。2年ごとの更新制度、「上級」管理士の制度、フォローアップ研修など、今後、徐々に準備していく段階だそうです。同会では、このほかにも、「健康予防管理専門士」「整容介護コーディネーター」など、さまざまな認定制度を手がけています。

以上、紹介した4つの資格試験はどれもテキストを作り、認知症ケア指導管理士以外は受験対策のための講習会を開くなどのフォローがされています。

「認定専門介護福祉士」は介護福祉士の上級資格

もうひとつ、2006年に「日本介護福祉士会」のモデル事業として始まったのが「(仮称)認定専門介護福祉士(認知症)」の研修制度です。介護福祉士の上級資格として位置づけられる「専門介護福祉士」の中で、認知症に特化して、認知症のリーダ的役割を担う人材を育成するのを目的としています。受講資格は、認知症ケア専門士よりも厳しく、1回の研修を受ける人数も数十名と限られています。5年間に200名ほどが受講し、資格取得後は給料がアップしたという例もわずかにあるとのこと。今年度の研修はまだ公表されていませんが、年明けには行われるそうです。

このほか、日本スウェーデン福祉研究所が行っている「タクティールケア」でも、2010年5月から認定資格制度を採用しました。タクティールケアは、手や足、背中全体をやわらかく包み込むように"ゆっくり"なでることによって効果が得られるタッチケアで、「Ⅰコース」は基本となる背中・手・足の手技を2日間でマスター。認知症患者のケアに従事する職員などが受講しています。

ざっと見た限り、認知症の資格試験は、合格することで待遇が改善されるといったメリットは今のところ望めないようです。しかし、自分自身の認知症への理解や認知症ケアの質を高めるきっかけ、利用者からの信頼度アップ、また、職場でリーダーシップを発揮するには有効かもしれません。それなりに費用がかかりますので、まずは、気になる資格のテキストの入手から始めてみては?

  認知症ケア専門士 認知症ライフパートナー 認知症ケア指導管理士
主催 日本認知症ケア学会  一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協議会  財団法人 職業技能振興会 
資格の目的 ・認知症ケアに対する優れた学識と高度の技能、倫理観を備えた専門技術士の養成。
・認知症ケア技術の向上や保健・福祉に貢献する人材の認定。
・介護家族などへの認知症の知識やアクティビティによるケア方法の普及。
・認知症のアドバイスができる専門職の育成。
・医療・介護現場で働く職員のスキル・アップ。
・介護家族への知識やケアの普及。
特徴 ・2005年開始。試験は年1回開催。
・認定委員は、学会会員である認知症の名だたる専門家。
・資格保有者は約2万人。介護福祉士、ケアマネジャーが、それぞれ6割ずつ(重複あり)。
・生涯学習と捉え、資格取得後も、学会が勉強の機会を多彩に用意。
・資格取得者の7割が、資格の効果を実感(HPアンケートより)。
・社会的な役割、新人専門士の指導を担う上級専門士を養成。
・2009年開始。試験は年数回開催。
・生きがい作り、生活の質の向上を図ることができるアクティビティ(音楽、園芸、散歩、運動、調理など)を本人に合わせて提供するノウハウが学べる。
・資格保有者は約4000人。介護福祉士、ケアマネジャーが多い。
・介護家族を含む、10代~70代と幅広い層が資格取得。
・事例が豊富なテキストが好評。
・通信講座での受験準備も可能。
・2010年開始。試験は年数回開催。
・第1回目を2010年7・9月に開催。第2回目は12月を予定。
・更新制度や上級試験の内容、フォローアップ制度を準備中。
資格の種類 ・認知症ケア専門士 
・認知症ケア上級専門士
・認知症ライフパートナー基礎検定
・認知症ライフパートナー応用検定
・認知症ケア指導管理士(初級)
・認知症ケア指導管理士(上級)
受験資格 ・認知症ケアに関連する施設等で3年以上の認知症ケアの実務経験者。
・上級専門士は、資格取得後3年以上で、専門士単位30単位以上、論文発表等をした者。
・両検定とも、だれでも可。
・だれでも可。
・上級は、初級取得後、2年経過。
試験内容
取得方法
開催会場
・1次が筆記試験(4分野×50問)で正答率7割で合格。2次が論述と面接。
・1次試験の4分野は、5年間での取得可。
・試験会場、全国6カ所(札幌・仙台・東京・名古屋・京都・福岡)。
・上級は、上級専門士研修会参加および終了と、筆記試験。
・基礎検定、5分野(基礎、ケアの基本、コミュニケーション、アクティビティ、社会資質など)。応用検定9分野(疾患、対応、予防、アクティビティ、居住環境、地域との連携など)。
・正答率7割以上で合格。
・全国5会場(札幌・仙台・東京・大阪・福岡)。
・筆記試験、4分野(現状と理解、ケアの理念、実践、社会資源など)。
・正答率6割以上で合格。
・試験会場は全国5会場(2010年度)
合格率 ケア専門士は平均50%ほど。 基礎検定は平均75%。 初級は85%。
諸費用 ・筆記1分野目3,000円、面接8,000円(最低2万3,000円必要)。
・認定料1万5,000円。更新料1万円。
・受験の手引き、有料配布(800円送料別)。
・標準テキスト1~5巻、各1,600~2,200円。
・基礎検定料4,500円、応用検定料7,000円。
・認定登録料は不要。
・公式テキスト、基礎検定2,625円、応用検定3,990円。
・基礎検定通信講座、1万9,500円(公式テキスト代含む)。
・受験料5,000円。
・認定登録料2,000円。
・公式テキスト2,000円(書店販売)。
更新制度 ・学会主催の講演会受講、学会大会への参加、インターネット講義受講、論文発表などにより、5年間で30単位取得。学会が全面的にバックアップ。 ・特になし。 ・2年毎の更新制度。
関連サイト 日本認知症ケア学会 日本認知症コミュニケーション協議会 検定試験 職業技能振興会・認定事業部門

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